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  • 2021.02.18 (最終更新日:2022.04.06)

運送業はホワイトな職種ではないのか。その実態やメリットを紹介

目次

運送業はやはりホワイトな業界ではないのか?

運送業 「運送業のホワイトな部分を答えてください。」と言われたら、言葉を濁してしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、運送業の実態を見てみましょう。

運送業の実態について

現在、運送業は深刻な問題を抱えています。

・ドライバー不足
・ガソリンや軽油などの値段の変化がコストと関わる
・コスト削減のために格差問題が発生する

運送業では慢性的なドライバー不足が発生しています。そのためどうしても長時間労働となり、出勤スケジュールが不規則になってしまうのです。労働環境が厳しい理由によって人材も集まりにくく、ますます人手不足となっていきます。人材の不足が深刻化し、廃業する例もあるのです。

それだけではなく、運送業はガソリンや軽油などの値段の変化がコストに大きく関わります。ガソリンや軽油などのように変化する要素があることも、経営を不安定にする理由の1つです。

コスト削減や競合の対策が必要な中でドライバー不足の問題もあるため、運送会社は人件費を増やすことが難しくなります。その結果、非正規雇用と正規雇用の間で賃金格差が広がるのです。非正規雇用を低い給料で採用し、人件費を削減します。長時間労働やきつい仕事内容と割に合わない給料で採用される非正規雇用のドライバーは、すぐに退職するのです。若いドライバーが長続きしなくなり、ドライバーの高齢化が進んでいきます。格差問題は、運送業全体の課題でもあります。

また、運送業という仕事の性質上、労働時間が長くなることは否定できません。なぜなら、貨物を長距離間運ぶのが運送業の仕事だからです。貨物を長距離間運ぶため、労働時間を短くすることも困難になります。労働時間を短くするのが困難なことも、ドライバーが長続きしない一因でしょう。

運送業のメリットを3つ紹介

運送業 労働環境の厳しさを聞くと、運送業はしんどい仕事のように感じます。しかし、運送業にはメリットもあるのです。ここからは、運送業のメリットについてトラック運転手を例にしてみていきましょう。

その1・運転技術が身につけられる

安全運転をすることが第一なトラック運転手を経験すると、運転技術が身につけられます。トラック運転手は乗用車と比較してとても大きな車を、日常的に運転するのです。また、4輪車を運転する基礎がたくさん身につくトラックの運転を続けることで、運転の技術が向上します。

トラックの運転では、日常的に安全確認をするのです。事故をおこさないように、トラックドライバーは安全確認を怠りません。運転を上手にすることと、運転を安全にすることは、ほぼ等しいものです。日常的に安全確認を行っていると、仕事以外で乗用車を運転するときにも安全への意識が高まります。その結果、運転が上手になるというわけです。

また、トラックでは乗り上げや巻き込みを防ぐために後輪に注意して運転をします。後輪に注意することは乗用車にも言えることです。しかし、乗用車の運転でこのことはあまり深く教えられません。前もって危険を防ぐことは、トラックを運転するうえで大事なことなのです。

その2・人間関係に悩まない

勤務時間の多くを1人で過ごすトラックドライバーは、人間関係にあまり悩みません。コミュニケーション能力を必要とする場面ももちろんありますが、運転中はずっと1人なので1人でいても楽しめる性格の人に向いていると言えます。周囲とのコミュニケーションを取りながらする仕事が苦手な人には、大きなメリットです。

その3・転職がしやすい

お伝えした通り、運送業界全体が人材不足に陥っています。未経験者であっても採用している企業も多くあるので、異なる業種からの転職がしやすいのです。以前は全く異なる業種で働いていたとしても、「トラックドライバーに転職したい」とのやる気だけで採用されることもあります。

ホワイトな会社の見分け方。大型トラックドライバーはホワイト?

運送業 「運送業と言ってもさまざまな会社があるから、中にはホワイトな会社もあるのではないか。」と考える人もいることと思います。ホワイトな会社の見分け方はあるのでしょうか。

運送業でホワイトな会社の見分け方

まず、トラックが綺麗に洗車されているかどうかが挙げられます。なぜなら普段の仕事の中で洗車にかける時間があると判断できるからです。勤務体制が過酷な運送会社の場合、洗車をする余裕すらないこともあります。ここで注目したいのが、洗車されているトラックが1台だけではないということです。1台だけ綺麗なトラックがあったとしても、1人の社員の性格によるものかもしれないので、全体を見ることが大事なのですね。

また、運送業のホワイトな会社の見分け方として、新車を導入しているかどうかが基準になることがあります。しかしこのことは必ずしも目安になるとは限りません。なぜなら、新車をよく購入するのに社員の給料が低い会社があったり、社員の労働時間を考えて新車購入を断念する会社があったりするからです。前者はブラックな傾向で、後者はホワイトな傾向の会社ですね。そのため、新車を導入していることを強くアピールしている会社は気をつける必要があります。

つぎのポイントは、安全や環境への配慮ができているかということです。標準で装備されているもの以外に、プラスαで装備されているものがあるかどうかが、見極め方の1つ。ドライブレコーダーは安全装置として一般的なもの。事故が発生したときに証拠を残すために使うイメージがありますが、ドライバーによる粗雑な運転の防止にも効果が期待できるのです。運送会社にとっては、プラスαではなく必ず必要な装備と言えます。

運転時の速度や走行距離・時間などを記録する装備にデジタルタコグラフというものがあります。現在のデジタルタコグラフは、従来のアナログ式のものと比較して機能も豊富です。所持トラック数の多い運送会社の場合、機能が豊富なデジタルタコグラフを使うことによって環境に気をつけることができるようになりました。

安全や環境への配慮ができているかどうかは、会社の規模を見極めるうえで大事な要素です。車両の確認ができれば、チェックは簡単ですよ。

大型トラックドライバーがホワイトな環境なのは本当か

運送業について興味を持つと、辛い仕事だが大型トラックドライバーならホワイトな環境で働ける、と耳にすることもあると思います。それは本当なのでしょうか?大型トラックドライバーの人数は、運送業全体で考えて少ないです。また、大型免許の取得は難しいため、そのことも大型トラックドライバーの人数を少なくしている一因だと言えます。大型トラックドライバーになるのは難しいけれども、大きな貨物を運ぶ会社では必須の人材です。必須でありながら貴重なため、通常のドライバーと比較しても優遇されることが多いわけですね。

大型トラックドライバーになるには

大型免許の取得が必要です。大型免許を取得する人の多くは、教習所に通って取得します。教習所に通う費用はおよそ20万から35万で、時間は最短で一週間から10日ほどです。教習の進み具合によっては半年以上の時間を費やす例もあります。大型トラックドライバーの試験は難しいうえ、同乗者を連れていく必要があるのです。

運送業にホワイト企業はあるのか。3社の口コミを紹介

運送業 運送業全体で見れば分からないことでも、各社の口コミを確認することで見えてくる場合もあるのです。ここでは、運送業の口コミを3社紹介します。【良い口コミ】と【悪い口コミ】の両方を確認してください。

株式会社日立物流の口コミ

株式会社日立物流は1950年に創業した物流会社で、物流事業のほかコンピューターの販売業務も行っています。

【良い口コミ】

職場の雰囲気はその他の会社と比較して、更に安心しています.仕事の環境も更に悪くありません。男性の社員を主とする会社です。会社が研修するのも比較的に多いです。収入は普通。運用の知識は多いです。後でやはりその他の業界を選びます。

一部引用:キャリコネ


職場の雰囲気は、転職するうえで気になるところですよね。職場の雰囲気がいいと、多少仕事が辛くても頑張ろうと感じます。

職場によって偏りはあるが近年は可及的残業させない方向になっている。休日出勤はほとんどなく、出勤した場合は代休を必ず取る事となる。年休消化率も相当に高いと思われる。労働時間だけ取ればかなりのホワイト企業と言えるが、経験を積みたい若手には物足りないと感じる部分もある。


引用:キャリコネ

残業があるかどうかを分かりやすく解説してくれていますね。休みが取りやすい環境ですが、成長したい人には物足りなさがあるかもしれません。

【悪い口コミ】

報酬については、ほぼ年功序列制である。同期間での給料格差はほとんどないと言ってもよい。手取りで差が出るとすれば、出張手当・残業代の差くらいである。


引用:キャリコネ

年功序列なところがあり、若いと年収のアップが難しいかもしれません。

郵船ロジスティクス株式会社の口コミ

郵船ロジスティクス株式会社は1955年に設立した物流会社で、貨物利用運送事業や医療機器の包装・表示・保管業なども行っています。

【良い口コミ】

派遣社員でも、正社員と全く同じ仕事を任されるため、やりがいや責任感はありました。
自分の顧客を割り当てられ、出荷に関する一連の業務を担当するため、モノの流れについて詳しくなりました。


引用:キャリコネ

仕事を点ではなく面で作業できると、全体を俯瞰して見られるので覚えるのも早くなりますよね。

出世しやすい人はやはり、海外駐在組になります。たいていの役職の人は海外での駐在経験があります。入社4年目以降の若手を対象に海外長期研修というものがあります。


引用:キャリコネ

海外で働きたい人は、嬉しい仕組みなのではないでしょうか。

【悪い口コミ】

国際的な仕事が出来ることはいいことだが
拘束時間が長い 土日に出勤することも過去あった


引用:キャリコネ

土日出勤や、拘束時間が長い職場が苦手な人には向いていないかもしれません。

三菱倉庫株式会社の口コミ

三菱倉庫株式会社は1887年に設立しており、倉庫事業のほかには国際輸送事業や海上運送業なども行っています。

【良い口コミ】


勤務していた部署は自分にはあっている部署で仕事も楽しかった責任も大きかったが、頑張れば上司も見ていてくれて、やりがいはあった


引用:キャリコネ

頑張りを見てくれる上司のいる職場は、働きがいを感じられますよね。

仕事の内容と量に対しては多めにもらっているという印象です。贅沢しなければ十分に不自由なく生活を送ることができると思います。逆にバリバリ働いてバリバリ稼ぎたいと考えている人には向いてないと思います。


引用:キャリコネ

仕事内容は多めですが、不自由なく暮らしていける給料がもらえるとのことです。

【悪い口コミ】

キャリア形成に不安を感じるため。関連性の薄い他部門に異動になることがしばしばあり、意気消沈した人を何人も見てきた。


引用:キャリコネ

関連性の薄い部門への異動が多いと、キャリアアップに繋がるのか不安になり落ち込む人も多いのですね。

運送業のホワイト経営とは?目的やメリット

運送業

運送業のホワイト経営について

ホワイト経営認定制度は、働きやすい環境作りをしている運送会社を認定する制度です。3段階の評価によって、働きやすい環境作りをしている運送会社を分かりやすくします。ホワイト経営認定制度は、労働環境の厳しさによるドライバー不足を防ぐのが目的です。

ホワイト経営認証制度の認証項目は以下の通りです。
 
  1. 法令を守っているか
  2. 安心・安全な環境作りをしているか
  3. 心身の健康に気遣っているかどうか
  4. さまざまな人材を採用し、積極的に育成しているかどうか
  5. 自主性があるかどうか

参照:ホワイト経営認証制度 認証項目 PDFファイル

ホワイト経営のメリット

ホワイト経営に認証される会社側のメリットは、優良な経営をしていることが客観的に分かるため雇用に繋がります。求職者側のメリットは、より正確な情報が分かりやすくなったことです。お伝えした通りホワイト経営の認証には項目がありますから、それらの項目を通過した企業は働きやすい環境ではないか、と考えることができます。

健康経営優良法人認定制度にも注目

当コラムでは、社員の健康課題について考え、優良な経営を行う会社を認証する「健康経営優良法人」制度についての情報を発信しています。健康経営優良法人制度もまた、認証されれば企業側にも求職者側にもメリットがありホワイト経営と似た部分があるのです。

ホワイト経営と健康経営湯寮法人認定制度の違いは何でしょうか。ホワイト経営は運送業に関する認証制度で、国土交通省が行っています。対して健康経営優良法人認定制度は、業種を絞らず経済産業省が行っているものです。
健康経営優良法人についてもっと知りたい人は、以下のコラムも参考にしてください。健康経営優良法人の認証基準についても紹介しています。

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健康経営優良法人2020は6204法人が選出されました

ブラック企業に入らないためにできること

求職 「ブラック企業に入りたくない。」このことは、求職者なら誰しも考えていることではないでしょうか。しかし、ブラック企業かどうかは実際のところ入ってみないと分からない部分もあり、判断が難しいです。

けれども、ブラック企業に入らないためにできることがあります。先ほどお伝えした「健康経営優良法人」に認定された企業を基準に就職・転職先を選ぶ方法です。健康経営優良法人に認定されるためには、認定項目を通過する必要があります。その認定項目も公開されているため、就職・転職先がブラック企業ではないかどうかが、認定項目を見ながら確認できるのです。
以下のコラムでは、健康経営のメリット・デメリットをまとめています。企業がどうして健康経営に取り組むのかを知りたい方は、以下のコラムがおすすめですよ。

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まとめ

運送業について紹介いたしました。労働環境を改善するための取り組みが行われているので、ホワイトな環境かどうかは企業によって異なります。やはり事前の情報収集が鍵なのです。健康経営優良法人認定制度のことを知っている人と知らない人とでは、就職・転職活動において差が出ることでしょう。いろいろな場所に目を向けて、多角的に情報を集めることが就職・転職活動を有利にするコツと言えます。
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