- 健康経営
- 2021.02.15
2020年度の健康経営銘柄に選ばれた企業の取組事例とは

- 目次
健康経営優良法人でも特に優秀な健康経営銘柄
ただこれとは別に、健康経営銘柄というものもあります。これは大規模法人部門だけにあるのですが、各業種で1企業のみが選定されるというものです。これに選ばれるための基準値もあり、その基準値を満たさない企業しかない業種の場合は、その業種ではどの企業も選ばれず空白となります。
2020年度では健康経営銘柄に認定されたのはわずか40社でした。ホワイト500やブライト500よりもさらに狭き門として存在しています。さらに、この健康経営銘柄ができてからずっと健康経営銘柄に選ばれている企業も存在しています。
今回はその6社の健康経営の取組事例をご紹介します。
化学部門の花王株式会社の取組事例

また、本社だけではなく、各事業場・支社ともに「健康実務責任者」「健康実務担当者」をはいちして産業保健スタッフと連携させ、随時何をするべきかを考え行動ができるようにしているのも特徴です。
社内では、従業員に歩くことが習慣化されるように歩数計を配布したうえで、事業場にウォーキングコースを整備したり、スニーカー通勤を推奨。食生活対策でも、社員食堂で「スマート和食」を提供したうえで、スマート和食セミナーも行っています。
またメンタルヘルス対策の一環として、笑いを取り入れた「笑い体操」を独自に開発して従業員に行ってもらうなど、健康経営の取組を数多く行っています。
ガラス・土石製品部門のTOTO株式会社の取組事例

またヘルスケア推進ワーキングを半期に1度開催しているのも特徴の一つです。これは、全国の事業所に在籍する、産業医、保健師、健康管理担当者が一堂に集まって、健康管理、メンタルヘルスの取組についてを共有・意見交換して相互啓発でレベルアップを図る催しです。
もちろん食堂でのヘルシーメニュー提供やウォーキング、社内運動会なども行っていますが、TOTOはプラスアルファでの健康経営の取組を行っているところが強みと言えるでしょう。
精密機器部門のテルモ株式会社の取組事例

がん就労支援も行っており、その際には実際にがんになった人に経験談を話してもらい、もし自分ががんになったらどうなるのか、ということも考えてもらう機会を設けています。
また、健康経営推進会議では、組織横断のチームが一堂に会して、事例共有や知識・取組を発表しレベルの標準化を行いつつ、さらにいい取り組みがないかを模索しながら進めていっています。また女性の健康施策にも重点に置き、健康とキャリア形成を結び付けた教育を行っているのも特徴の一つ。
さらに2016年度に国内全拠点の敷地内全面禁煙を実現し、4年間で喫煙率を約10パーセント低下させることに成功させています。全面禁煙を行った後は、禁煙セミナーを行ったり、禁煙外来補助などの支援を行い、一人でも多くの従業員が禁煙できるよう企業として取り組んでいます。
陸運業部門の東急株式会社の取組事例

実際にどういったことをしているかと言うと、職場対抗ウォーキング選手権を行っていたり、スポーツイベントを開催するときには従業員の家族も参加させたり、従業員だけではなくその周りにいる人たちにも健康を考えてもらうような取り組みを行っています。また、働く場所の自由化も進めていて、サテライトオフィスの設置にも積極的に行っています。
さらに、従業員同士のコミュニケーションを円滑にするために、本社近郊のサテライトオフィスの一室では、就業時間後に予約制・貸し切りに限ってアルコールを含む飲食も可能にしています。また、職場の懇親会や指定のスポーツプログラムに従業員5名以上で参加する場合には会社から補助金を支給して、なるべく多くの人たちが交流できるような取り組みも行っています。
情報・通信業部門のSCSK株式会社の取組事例

従業員のオンとオフを守るために、月間平均残業時間は20時間、有給休暇取得は20日を目指して、モニタリング・アンケートで現状把握を行い、どの部署でも休暇を取得しやすい環境整備を進めています。実際に2011年度には月間平均残業時間は27.8時間だったのが、2018年度には18時間と減少させることに成功し、さらに2018年度の営業利益は前年度比約111パーセントとなり、働く時間を減らして利益を増やすことに成功しています。
また働きやすい職場づくり委員会主催で様々なイベントを考案。ウォーキングイベントなどを行っています。さらに卒煙チャレンジを希望する社員には、経営者のトップが応援の手紙をその従業員と家族へ送付するなど、経営者自身が直接行動を起こしています。さらに卒煙プログラムを作り、これらに参加する費用は全て会社負担(卒煙に成功してもしなくても全て会社が負担してくれる)。2017年度は42名が治療を開始し、31名が卒煙に成功しました。
証券・商品先物取引業部門の株式会社大和証券グループ本社の取組事例

「KA・RA・DAいきいきプロジェクト」では、「お腹いっぱいより、腹八分目」「今度こそ、禁煙チャレンジ」「毎日ちょこっと、ウォーキング」「10分だって、エクササイズ」「今日は、お酒を飲まない日」「朝ごはん、毎日、食べてますかー??」「寝る前の、夜食・間食、やめましょう」などわかりやすく、従業員にドキッとさせるキャッチコピーで健康を推進しています。
また2017年度に仕事とがん治療の両立支援制度には「ガンばるサポート~がん就労支援プラン~」という名前を付けたものを発表し、2018年度には五大がんの「要精密検査」判定者に対する受診勧奨を行ったり、単身赴任者には保健師が栄養指導をダイレクトメールで行う「単身赴任応援プロジェクト」を新設するなど、時代や社会の変化を見ながら新しい健康経営の取組を増やしていっています。
レベルの高い健康経営の取組を知って、まずは一つでもチャレンジ
今回紹介した企業は、すべて健康経営銘柄に6回連続選ばれている優秀な企業です。健康経営優良法人の認定を取るのに、ここまで徹底した施策をする必要はありませんが、まずは一つでもできるところから始め、健康と経営は同時にできるという感覚を持つことが大事だと思います。
また健康経営は、クローズな経営方法ではないため、健康経営をしていて実際にどうなのか、初めは何から始めたのかを直接聞いてみるのもいいかもしれません。自社の健康経営の指針を講演している企業も多くあります。
今の時代に、本当に健康経営という方針を取っていいのか不安な方は、健康経営での成功例を学ぶことで、なぜ従業員の健康が企業の利益につながるのかが見えてくるかもしれません
また健康経営は、クローズな経営方法ではないため、健康経営をしていて実際にどうなのか、初めは何から始めたのかを直接聞いてみるのもいいかもしれません。自社の健康経営の指針を講演している企業も多くあります。
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