• 健康経営
  • 2021.03.01 (最終更新日:2022.03.26)

ホワイト企業を目指すなら健康経営やその他の認定制度に目を向ける

目次

社内の働き方改革をしてホワイト企業をアピールするには様々な方法がある

ホワイト企業 一昔前は「ブラック企業」が当たり前の時代がありました。ですが、今は企業が募集したい人材と、企業で働きたい労働者では、労働者の方が少なくなっている時代です。そのため、あきらかにブラック企業だと言われている企業だと、どんなに求人を出したとしても、あまり人が集まらないという現象が起こっています。

特に優秀な労働者ほど、ブラック企業ではなくホワイト企業で働こうとするため、優秀な人材が欲しいのであれば、企業としてホワイト企業を目指すことは必須です。

では、「ホワイト企業である」というのは、どうやってアピールをすればいいのでしょうか。
今世の中にある、ホワイト企業の証明となる認定制度をご紹介します。

経済産業省の健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度 まずは一番知名度が高く、認定されている企業が多い健康経営優良法人の認定制度。大規模法人と中小規模法人に分かれて認定があり、さらにその中でもホワイト500やブライト500は特に注目が高まっています。

認定に必要な項目が細かく決められており、年度によって改変されることもあり、国が行っている働き方改革をさらに進めたことを実践していないと、認定を取るのは難しいともいえるでしょう。だからこそ健康経営優良法人の認定には価値があり、新卒者や転職を考えている優良株の働き手が注目しているところでもあります。

また健康経営優良法人の認定は1度取ればそれで終わりではなく、毎年更新されていくものですので、認定のためだけに会社を整えたとしても、それを続けられなければ、翌年には不認可となる企業もあります。健康経営とは、どういうものなのか。自社にできる健康経営はどういうものなのかということを、常に考えていける企業だけが、健康経営優良法人の認定を続けてもらえるというシステムになっています。

経済産業省のなでしこ銘柄

なでしこ銘柄 「なでしこ銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同して企業を選定するというものです。2012年度から開始されたもので、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」としています。

実際にはどういったことをすれば選ばれるのかというと、会社の中で女性取締役の登用率がどれだけ高いのか、女性管理職の登用率がどれだけ高いのかなどを見て判断しています。また執行役員での女性登用率なども判断基準に含まれています。

実際になでしこ銘柄として選定されている企業は、令和元年度だと、カルビー株式会社、アサヒグループホールディングス株式会社、日本たばこ産業株式会社、コスモエネルギーホールディングス株式会社などを含めた46社です。

またなでしこ銘柄には選ばれなかったものの女性の活躍を促している企業には「準なでしこ」として選定もしています。

経済産業省の新・ダイバーシティ経営企業100選

ダイバーシティ経営 ダイバーシティ経営とは、多様な人材の活躍を促している経営かどうかというところを見ています。多様な人材とは、女性、外国人、高齢者、チャレンジド(障がい者)を含めた人たちのことです。彼らをいかに採用し、彼らの考え方を取り入れているか、また将来の企業経営を担う幹部候補の女性を対象とする企業横断的な「リーダー育成事業」を推進しているのか、等に注目しています。

平成24年度から始まったこの制度は、現在までに268社が選ばれています。また、ダイバーシティ経営を実践するにあたって取るべきアクションを整理した「行動ガイドライン」というものがあります。大きく分けると7つの項目があり「経営戦略への取組」「推進体制の構築」「ガバナンスの改革」「全社的な環境・ルールの整備」「管理職の行動・意識改革」「従業員の行動・意識改革」「労働市場・資本市場への情報開示と対話」とされており、これらにそって、どこまで体制が整っているかで、企業を選定しています。

厚生労働省の安全衛生優良企業公表制度(ホワイトマーク)

ホワイトマーク 健康経営優良法人とも通じている部分はあるのですが、こちらは働き方改革に沿った内容に近いものがあります。

厚生労働省が指揮を執っており、いかに労働安全衛生に気を使っている企業なのかということを公表している制度です。平成27年6月より始まったもので、健康経営優良法人の認定よりは2年古いものとなっています。

安全衛生優良企業に認定されるためには、直近3年間の企業の在り方で検討されます。例えば、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないこと、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取組を行っていることが求められています。

認定までのステップは2段階となっており、ステップ1では、「労働安全衛生法等の違反の状況」「労働災害発生等の状況」「そのた優良企業としてふさわしくない事項」で優良企業にふさわしいかどうかを確認し、「安全衛生体制の状況」「安全衛生全般の取組」にて基本的な取り組みができているかを確認します。次にステップ2では、「安全衛生活動を推進するための取組」「健康で働きやすい職場環境の整備(健康保持推進対策、メンタルヘルス対策、過量労働防止対策、受動喫煙防止対策)」「安全でリスクの少ない職場環境の整備」について個別に6割以上できており、全体としては8割以上できていることが認定の基準となっています。

厚生労働省の女性活躍推進企業認知「えるぼし・プラチナえるぼし」認定

えるぼし・プラチナえるぼし 経済産業省の「なでしこ銘柄」と似ているものですが、こちらは株とは関係のない厚生労働省が定めたものです。2016年4月から始まり、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度のことです。

認定基準としては、女性の「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つを評価項目としています。えるぼし認定には3段階あり、1段階目が1~2つの基準を満たす、2段階目が3~4つの基準を満たす、3段階目がすべての基準を満たすという形で認定しています。

さらにこれよりも上にあるのが、プラチナえるぼしです。先ほどの5つの評価項目に加え、「策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成している」「男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任している」「女性活躍推進法に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く)」の3つの項目を満たすことが条件です。

令和2年9月末時点では、えるぼし認定は1,134社、プラチナえるぼし認定は3社が認定されています。

環境省のエコ・ファースト制度

エコ・ファースト制度 エコ・ファースト制度とは、企業が環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っているかどうかということを認定する制度です。平成20年4月から開始され、現在は50社が認定されています。

認定されるためには、「脱炭素社会への移行に係るもの」「循環経済への移行に係るもの」「大気・水又は土壌などの環境への負担の低減に係るもの」「化学物質の適正な管理及びリスクコミュニケーションの促進に係るもの」「自然と共生に係るもの」「環境教育の振興に係るもの」「環境金融に係るもの」「その他環境の保全に係るもの」の6つのうち、1つ以上の分野における目標が、先進性・独自性・波及性を総合的に判断して、エコ・ファーストにふさわしいもので、3つ以上の分野における目標が、環境保全上適切な目標であることが要件となっています。

実際に認定されている企業としては、株式会社ビックカメラ、ユニー株式会社、キリン株式会社、ライオン株式会社などです。

一般財団法人日本次世代企業普及機構のホワイト企業認定

最後は企業のホワイト化を総合的に評価するホワイト企業認定です。ここでは、ブラック企業ではないイコール「ホワイト企業」という認識ではなく、70の設問によって総合的に判断・評価しています。

70の設問は7つの項目に分かれており、「健康経営」「ワーク・ライフバランス」「ビジネスモデル/生産性」「労働法遵守」「リスクマネジメント」「ダイバーシティ&インクルージョン」「人材育成/働きがい」があります。またホワイト企業認定には5段階あり、一番上が「ホワイト企業認定プラチナ」になっています。

働き方改革でホワイト企業を目指しアピールしていく

ホワイト企業 アピール 様々な認定がありますが、この他にも若者の採用を行っている企業の認定や子育てサポート企業の認定などもあります。認定の数は多いのですが、どこが管轄しているのかが違うだけで、基準はそれぞれ重なっている部分があります。

とくに「健康経営」について企業内の働き方改革を進めていくと、他の認定も狙える状態になっており、自社のPRをどうしていくのかの方向性を決めたら、健康経営優良法人の認定とともに個別の認定も狙ってみてはいかがでしょうか?
そうすることで欲しい人材に企業をPRすることができ、採用活動を行った時に、欲しい人材・優秀な人材を獲得しやすくなります。

また冒頭にも書きましたが、優秀な人材や若い人材は、企業の規模で選んでいるわけではなく、いかにその企業がホワイト企業なのかというところを重要視している傾向にあります。優秀な人材や若い人材が欲しいと思うのであれば中小規模の企業であっても、ホワイト企業を目指すことが何よりも人材を確保する近道だといえます。

そのためにもまずは、健康経営から行ってみませんか?

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