• 健康経営
  • 2021.03.05

【2021年版】健康経営優良法人とは?ホワイト500や健康経営銘柄との違いをわかりやすく解説

目次

健康経営優良法人とは「健康経営に取り組む企業を表彰する制度」

健康経営優良法人とは、厚生労働省・経済産業省の協力のもと、2017年度から日本健康会議が主催している表彰制度です。(毎年1回、1~3月頃に発表。健康経営優良法人2021の発表日は2021/3/4(水))
健康増進の取組(健康経営)を行う大企業や中小企業を顕彰(表彰)することで、健康経営に取り組む優良な法人が「見える化」されるようになります。
健康経営優良法人として認定されるのは、大企業のうち7社に1社(15%)、中小企業では530社に1社(0.19%)と非常に限られた数のため、
「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として、社員や転職希望者・就活生・関係企業や金融機関など関係各所から社会的な評価を受けられるようになります。
(融資を受けやすくなる、健康寿命が延びる、離職率が下がる・採用力が上がるなど、実務面でのメリットもあり)

※日本健康会議とは:経団連・商工会議所・健康保険組合・日本医師会・全国知事会などの団体が集まり、健康寿命の延伸と、医療費適正化を目指す団体

 

社員の健康への投資は3倍のリターンを生む?健康経営の意義とは

世界No.1の高齢化社会である日本は、健康への投資が求められている

日本の高齢化率(65歳以上の割合)は2015年に26%、2020年には28.5%となり、世界No.1の高齢化社会となっています。21%超で「超高齢社会」と呼ばれますが、2020年時点で超高齢化社会に突入しているのは日本・イタリア・ドイツの3か国のみ。
また2060年になると、高齢化率が35%を超える「超超超高齢社会」となり、人口の約4割が高齢者の社会がやってきます。

このような状況の中では、高齢になっても働ける「生涯現役」で居続けられるかどうかが、労働者本人のためにも経済的にも重要な要因となります。ベースの底上げとしての「健康づくり(1次予防)」、病気になった後の「重症化予防(2次予防)」、重症化した後の「再発防止予防(3次予防)」などにより、健康寿命を延ばすことが人生の満足度(QOL)を高めます。

企業にとっても、社員やパートなど従業員の健康に投資することには大きなメリットがあります。
事業が壁にぶつかったとき、経営課題の解決にはタフな精神力・体力が求められます。従業員の健康が増進し組織の活力が向上することで、そのようなハードルを乗り越える基礎体力が獲得できます。
ワークライフバランスが改善することで、優秀な人材の獲得や定着率が改善し、生産性が上がってイノベーションを生みやすい組織となり、最終的に業績や企業価値の向上へとつながります。
 

1ドルの投資で3ドルのリターン。健康促進は単なる「福利厚生」ではなく「投資」

実際に健康促進の例としてよく挙げられるのがジョンソンエンドジョンソンです。75年前に作成されたクレド(行動指針)では、従業員や家族の健康・幸福を重視すると表明されており、実際に250か国・11万4000人に健康教育プログラムを実施してきました。調査結果によると、健康投資を行うことでコストの3倍のリターンが得られ、生産性の向上・医療費の削減・社内のモチベーションや外部からのブランド価値のアップ、就職の人気ランキングの上昇など各種のメリットを得ています。
 

健康経営優良法人は4種類!ホワイト500・健康経営銘柄との違い

大企業向けは「大規模法人部門」、その中でも上位500社が「ホワイト500」

健康経営優良法人は、企業規模によって「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つに分かれます。
従業員数によって企業規模は定められており、大規模法人部門は「卸売業:101人以上」「小売業:51人以上」「サービス業:101人以上」「製造業・その他:301人以上」が対象です。

「健康経営優良法人2021」では、大規模法人部門は1801社が選出されました。1.2万社ある大企業のうち、約7社に1社(15%)が認定されている事になります。2017では235社の認定数でスタートしましたが、健康投資の意識の高まりを受けて、4年間で7.6倍の伸びを見せています。

「健康経営優良法人2019」までは、大規模法人部門の全企業を「ホワイト500」と呼んでいましたが、2019年度の「ホワイト500」は821社となり、名前を大きく超える社数となってしまいました。そこで「健康経営優良法人2020」からは、大規模法人部門のうち上位500社を「ホワイト500」の称号としています。(健康経営度調査)

中小企業向けの「中小規模法人部門」、その中の上位500社が「ブライト500」

中小規模法人部門は、従業員数または資本金のどちらかの条件を満たすことで対象となります。
[従業員]
卸売業:1~100人、小売業:1~50人、サービス業:1~100人、製造業その他:1~300人
[資本金]
卸売業:1億円以下、小売業:5000万円以下、サービス業:5000万円以下、製造業その他:3億円以下

Q.従業員10名・資本金6000万のサービス業の場合は?
資本金は5000万を超えていますが、従業員数が100名以下のため、中小規模として申請が可能です。なお「大規模法人」での申請は出来ません。(大規模法人には資本金のルールがなく、従業員数だけで見られるため)

「健康経営優良法人2021」では、中小規模企業部門は7934社が選出されました。421万社ある中小企業のうち、530社に1社(0.19%)が認定されている事になります。2017の317社から4年間で24.9倍になっており、大企業以上に中小企業での人気が高まっていると言えそうです。特に「健康経営優良法人2021」では、2020の4723社から一気に7割ほど増加しており、認定企業も1万社に近い水準となってきたため、今後一段と認知度が上がって行くことが見込まれます。

健康経営銘柄は上場企業対象、健康経営優良法人は企業規模を問わず表彰

企業への表彰として「健康経営銘柄」がありますが、これは上場企業を対象としており、「健康経営優良法人」とは別の表彰制度です。もともとハードルが高い上場企業の中で、さらに1業種1社前後しか選ばれないという狭き門で、東証の3706銘柄のうち、「健康経営銘柄2020」として指定されたのは30業種40銘柄のみです(東証の上場企業の1.1%)。

※そのため「健康経営銘柄」の企業は「健康経営優良法人」も獲得実績があるケースが多いです。

また制度の主催者も、「健康経営優良法人」は日本健康会議が行っているのに対して、「健康経営銘柄」は経済産業省と東京証券取引所の共同開催となっています。

※選定基準:「健康経営度調査」の総合評価の順位が上位20%以内であること、ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上であることなど
※1業種1社が基本だが、健康経営度調査の結果において「各業種のNo.1企業の平均」を超える企業がいた場合、その企業も健康経営銘柄として選定(2019年度より)
 

「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」「健康経営銘柄」は役割が違う

健康経営優良法人や健康経営銘柄は、選定企業に対して求められる役割が異なります。

・健康経営銘柄:健康経営の効果を分析・発信する「アンバサダー」
健康経営を行うことでいかに生産性や企業価値に効果があるかを分析し、それをステークホルダーに対して積極的に発信していく

・健康経営優良法人(大規模法人):考え方を普及させる「トップランナー」
グループ全体や取引先、地域の関係企業、顧客、従業員の家族などに健康経営の考え方を普及拡大していく(特にモデルケースとなる上位500社を「ホワイト500」として認定)

・健康経営優良法人(中小規模法人):健康経営の「裾野を広げる」
自社の健康課題に合った取組を実践し、事例の発信などによって地域における健康経営を促進する(特にモデルケースとなる上位500社を「ブライト500」として認定)

健康経営銘柄がアンバサダーとして効果を発信し、大規模法人がトップランナーとしてグループや地域に影響を及ぼし、中小規模法人が草の根で実践をすることで、社会全体の健康投資を増大することが可能となります。

認定数・申請数・認定率はどれくらい?

健康経営優良法人2021の認定数は9734法人(大規模1801+中小規模7934)となり、ほぼ1万社が認定を受けています。
大規模法人部門の認定率は、2017時点では32%でしたが、2020では64%まで上昇。
中小規模法人部門は例年8~9割前後の認定率となっており、2020では77%でした。(2021は現時点で未発表)
 

【大規模法人部門】

  回答数※ 認定数 認定率
健康経営優良法人2017 726 235 32%
健康経営優良法人2018 1,239 541 44%
健康経営優良法人2019 1,800 821 46%
健康経営優良法人2020 2,328 1,481 64%
健康経営優良法人2021 未発表 1,801 未発表

※大規模法人部門では、健康経営度調査の回答数を母数として認定率を算出しています。
 

【中小規模法人部門】

  申請数 認定数 認定率
健康経営優良法人2017 397 318 80%
健康経営優良法人2018 816 775 95%
健康経営優良法人2019 2,899 2,501 86%
健康経営優良法人2020 6,095 4,723 77%
健康経営優良法人2021 未発表 7,934 未発表

※中小規模法人部門では、健康経営優良法人への申請数を母数として認定率を算出しています。
 

社会からも注目増。検索回数は4年で16倍に

googleによると、「健康経営優良法人」の検索ボリュームは2016から2020の4年間で16.5倍に増加。
社会の中でも認知が広まっており、この傾向は今後も続くと予想されます。
大手生命保険会社のCMでも健康経営が取り上げられるなど、一部の企業担当者ではなく、従業員やその家族など多くの方々が健康経営を意識するケースが増えそうです。


※googleトレンドより2021年2月時点に調査。数値は相対値のため調査時期により変動。(検索数増加の傾向は変わらず)
 

健康経営優良法人の認定を受けることで、健康経営を実践し企業価値を高める

検索数・認知度・認定数の規模を見ても、健康経営優良法人がかなり一般化してきており、世間に浸透しつつあります。
この記事をご覧の方も、自社での健康経営を推進することが、従業員のヘルスケアだけでなく企業価値を高めることにもつながります。
その過程として、健康経営優良法人の取得をオススメします。
にじいろでは健康経営に関わる記事やアドバイザリーサービスなどを実施しておりますので、ご興味があればぜひお問い合わせください。

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