• 健康経営
  • 2020.02.20 (最終更新日:2022.03.26)

健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診

目次

経営者自身が健康管理を率先することが健康経営の第一歩

本項目は、経営者が、従業員やその家族の健康管理を経営課題として認識し、組織として対策に取り組む旨を文書等への明文化を通じて意思表示することを通じ、従業員の健康保持・増進に向けた取り組みを開始する契機とすることにより、経営者の考えを従業員が理解し、組織の姿勢が評価されるとともに、取り組みへの協力及び自身の健康管理に努めることを期待する観点から問うものである。
また、経営課題としての認識は、経営者本人の自覚として健康管理の行動にあらわれるものであり、また、経営者本人が率先して従業員の行動規範になるべきことから、本項目において経営者自身の健康管理の状況を問うものである。
引用:健康経営優良法人 2020(中小規模法人部門)認定基準解説書

政府は国内全ての企業に対して「健康経営」の推進を勧めています。健康経営とは従業員の健康管理を、経営戦略の一部として取り込むことです。そして政府は従業員の健康管理を促すには経営者自身が率先して健康宣言し、健康管理に取り組むことが必要だとしています。

経営者が健康診断を受けない企業は「健康を意識しない」社風を作る

経営者 経営者の多くは多忙な日々を送り、特に中小企業の経営者の30%以上は週60時間以上労働というデータもあります。多忙を言い訳にして自身の健康管理をおろそかにしている経営者が多くいるのです。中小企業の経営者のうち15%程度が1年に1回が義務である健康診断を受けていないというデータがあります。

さらに別の調査では、経営者が健康管理に無関心であると、従業員も同じように健康に無関心な行動を取る傾向が出ています。これは経営者自身の健康管理に対する無関心さがゆえに、従業員に対しても同様の姿勢を取ってしまうことが根底にあるからでしょう。

健康宣言をすることをステークホルダーに周知させる

健康宣言 逆に経営者が多忙な中でも健康を意識した行動を取れば、従業員もそれを見習っ動きます。例えば経営者が禁煙や運動を行うことも有効です。経営者自身が健康に関心を持つことで、従業員の健康に対する配慮も高まります。しかしそれだけでは経営者の健康への取り組みが一部の人間にしか伝わりません。

企業には社会的責任があり、従業員だけでなく多くの人達に支えられて成り立っているものです。したがって経営者の健康に対する取り組みを公的に発表し、広く知ってもらうことは企業として取り組むべき事なのです。さらに健康宣言をすることは、いわゆる「ホワイト企業」として認められるための基礎になります。健康宣言は長期的には企業イメージを高め、企業価値を高める有効な手段になるのです。

「健康宣言」はどの会社でもすぐに始められる

では健康宣言を実施するためには、何をどのようにすればよいのでしょうか。はじめに自社が加入している「健康保険」に健康宣言について問い合わせてみてください。今回は協会けんぽの例を取り上げます。協会けんぽでは健康宣言をすると、健康経営に取り組む企業に対してサポートをする体制が整えられています。その後の手順も簡単で、下記に紹介する必要な書類を作成し、健康への取り組みを有言実行するだけです。

【必要な項目1】健康度チェックシートの作成と合格

健康づくり項目 健康宣言をして健康経営を始めるにあたって、協会けんぽから「健康度チェックシート」への記入を求められます。健康度チェックシートでは健康経営に関する現状を把握してもらうために使用するのです。チェックするポイントは以下のようなものがあります。
  • 健康診断の実施と活用
  • 健康づくりの環境整備
  • 過重な労働の防止
  • 食事や喫煙に関する管理や対策
  • 精神的負荷への管理やサポート
これら項目に対する実績や現状を確認し、協会けんぽへ提出します。さらに100点満点中80点以上クリアーしている企業に対して、「健康優良企業」として協会けんぽから認定を受けることができるのです。

【必要な項目2】健康宣言書の記入

健康宣言 次に「健康宣言書」と呼ばれる書式に経営者が記入し、協会けんぽに提出します。この宣言では健康診断の100%受診を約束し、上記の健康度チェックシートの項目に関しても取り組む姿勢を示さなければなりません。

健康度チェックシートと健康宣言書を提出し合格すると、協会けんぽから認定証が送られます。そしてこれら書類は社内で保管し、従業員だけでなく誰もが常に見ることができる体制にしなければならないのです。特に健康宣言書は「健康宣言の社内外への発信」という意味を持っています。健康宣言書は、会社の受付など誰もが見やすいところに掲示しましょう。

【必要な項目3】年1回の定期的な健康診断の受診

健康診断 当然ですが、健康宣言をするだけでは認定を受け続けることはできません。経営者は宣言後も年に1回の健康診断を怠りなく続けることが必要です。経営者が宣言を守らない状態であれば、従業員の健康に対するモチベーションや健康経営の実効性にも影響を及ぼします。

もし健康診断の受診が行われていなければ、健康経営に関する認定から抹消されます。健康診断は労働安全衛生法に基づく義務行為です。健康診断を実施しない企業として労働基準局から指導が入る可能性があります。

リーダーが動けば、部下は自ずと動き出す

この度解説した項目をクリアーすれば、健康経営への第一歩を踏み出したことになります。初めの1歩ですが、経営者が健康経営を戦略として重視することになるため、組織全体が健康経営へと舵を切ることになるのです。これまで健康経営に対して知識や関心の無かった方でも、加入されている健康保険組合へ問い合わせるだけですぐに始めることができます。

この記事を機会にして、多くの企業が健康経営に向けての道を進んでもらいたいものです。
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