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  • 2021.05.21 (最終更新日:2022.04.06)

ワークライフバランスが大事だと面接で伝えられるのか。伝え方の注意点とは

目次

面接でワークライフバランスについて聞かれたら①

ワークライフバランス

働くことの大切さについて考える

自分自身にとっての仕事の意味や働くことの大切さについて考えている人なら、仕事の重みを分かっているのではないでしょうか。自分の能力や時間を使って成果を出し、その見返りとして給料や精神的な安定を得る仕組みです。しかしそれは理解しているものの、「プライベートを充実させるために働くものだ」と思うのは、少し価値観が偏っていると言えます。

仕事をすることによって精神的な安定を得られる人もいますし、充実感を得る人もいます。本音では仕事に対してマイナスの印象を受けている人も、エントリーシートに書いているのは成長や熱意など前向きなことばかりではないでしょうか。嫌で嫌でたまらなかった会社を辞めたとしても、楽しいのは初めの数週間だけで、あとは焦りの感情が勝つというのはよく聞く話です。プライベートを充実させるには仕事の充実も必要だというのは、多くの人に当てはまることだと思います。働くことの大切さを、今一度整理してみてください。

社会人としての責任という視点で考える

就職には、仕事に対する責任が伴います。会社からすると、労働者が能力と時間を使うのは当たり前のことです。会社の本音は、会社が目指している目標に貢献してもらうことです。仕事にはチームワークが必須ですが、少なからず休日出勤や残業があります。チームの一員なら、自分が担当している仕事に対しての責任を負う必要があるわけです。

そのため仕事よりプライベートを優先したいとの回答は、あってはなりません。プライベートを充実させたいと言えば、選考に落ちてしまいます。あなたが会社を経営していて、大きな目標があるとしましょう。人手不足の解消のために人材を確保したいのに、面接で「プライベートを重視しています。」と言われたらどう感じますか。何人か面接に来ているのなら、ほかの人にしようと考えるはずです。大事なことは、チームのメンバーに迷惑をかけないように仕事の責任を果たすことです。

面接でワークライフバランスについて聞かれたら②

家庭

成果に貢献するためだと考える

労働者が過労死や自殺をしてしまうことは、社会的な制裁を受けるので会社にとっても大変な事態です。そのため一部のブラックと言われる会社を除き、労働者に長く働き続けて欲しいと思っています。労働者側も、身体を壊してまで会社に尽くしたくはないものです。成果を出しながら、長期的に安定して働き続けたいと考える労働者は多いと思います。つまりどちらも考えていることは同じなのです。このことを理解して「会社と労働者どちらにとっても、プラスになる働き方を目指している」と伝えるのが、適した回答だと言えます。

ワークライフバランスが必要な理由を考える

ワークライフバランスの意味や、それが必要な理由を具体的に考えることも大切です。最近はとくに「ワークライフバランスの取れる会社が良い」と希望する就活生が増えています。そこで面接官は、求職者へさらに深掘りして質問をするのです。「ワークライフバランスを充実させるために必要なことは何か。」と聞いて、その言葉の意味を深く考えているか見極めようとします。

しかし求職者から多く返ってくる返答は、週休2日を希望していることや産休・育休がとれることなどです。求職者へさらに深く質問をすると、どうやらプライベートを犠牲にしてまで働きたくないのが本音だと分かります。ここで最初に戻って欲しいのですが、ワークライフバランスの意味をはき違えている人が多いわけです。仕事と生活の調和という意味なので、生活を犠牲にしてまで働くことではありません。仕事と生活のバランスを上手に取って、両方を充実させるということなのです。

そのため週休2日や産休・育休など、自分の希望する条件1つに当てはまるからといって、仕事と生活の調和が実現できる会社とは言い切れません。大事なのは生活の変化に合わせて多様な働き方を選択できて、双方の生産性を向上させることです。なぜ自分に仕事と生活の調和が必要なのか、もう少し掘り下げて考えてください。

志望動機でワークライフバランスを挙げてもいいのか①

ワークライフバランス

仕事には必要だという意見がある

志望動機にワークライフバランスを挙げてもいいのかについては、賛否両論あります。仕事と生活の調和は働く上で大切だ、との意見があります。労働者の健康状態ややる気の向上に繋がるわけです。たとえば仕事以外予定が何もない一ヵ月間と、月に2回ほど楽しみのある一か月間では、後者の方が仕事に対するやる気が向上するのではないでしょうか。その楽しみをまた味わうために仕事を頑張ろう、と思えるからです。

仕事と生活の調和を実現しながら働くことは、内閣府でも推進しています。共働き世帯の増加など家族の仕組みが変わっているのに、社会が対応しきれていないことを問題だと捉えているのです。

外部リンク

内閣府 仕事と生活の調和 推進サイト

熱意が感じられないと捉える人もいる

志望動機で仕事と生活の調和を気にするのは、仕事より私生活を優先していると会社に捉えられることがあります。ワークライフバランスに否定的な意見を持つ人は、やる気や熱意を持ってするはずの仕事なのに、私生活を優先する態度自体が良くないと考えているわけです。しかしあくまでワークライフバランスは仕事と生活の調和を求めること。そのためプライベートを重視しており仕事に対してやる気や熱意がないと捉えるのは、誤解なのです。

会社ごとに賛否が異なる

仕事と生活の調和は、会社や採用担当者ごとに賛否が異なるものです。完全に悪いことではありませんが、採用担当者にマイナスのイメージを与える可能性もあります。ワークライフバランスを志望動機で挙げるのは困難なため、上手に伝えないと誤解を招いてしまうわけです。そのことに十分注意したうえで、面接では仕事に対する熱意があることも合わせて伝えられるといいでしょう。

志望動機でワークライフバランスを挙げてもいいのか②

仕事

仕事を辛いものだと考えるのは良くない

仕事と生活の調和というからには、双方のバランスが取れてどちらも充実している状態が理想です。ところが会社選びでワークライフバランスを挙げる場合、趣味をやめたくないから残業を希望していなかったり旅行をしたいから長期の休みが欲しかったりするなど、私生活のメリットばかり考えがち。つまり仕事は大変なものだからあまりやりたくない、と考えていると言えます。たしかに仕事は責任を伴いますから、楽なものというわけではありません。これでは逆に、仕事をおろそかにしてプライベートを楽しみたいとも捉えられるので、双方の調和が取れているとは言いにくいです。

仕事を頑張れば会社から期待されて、会社からの期待に応えて成果を出せば自分のやる気にも繋がることでしょう。仕事に対してマイナスのイメージばかりだと、どうやって毎日を楽に乗り切るか、と考えてしまいます。仕事が少なくて給料が高い会社はどこか、どうやって仕事で手を抜くかということを考え、仕事の質の低下を招くわけです。この考え方では内定を取るのは困難ですし、たとえ入社できたとしてもチームや会社に迷惑をかけます。

また仕事自体が嫌になるので同じ会社に留まらず、早いうちに退職してしまうこともあります。お伝えした通り双方の調和が取れてこその、ワークライフバランスの実現です。プライベートに仕事でのやる気を高める役割を持ってもらうことで、双方の調和が図れます。

採用担当者が知りたいことを考える

仕事と生活の調和を求めていると志望動機で伝える場合、「何を実現したくてどんな条件が必要か。」まで伝えると、採用担当者にも伝わりやすいです。会社側は、ワークライフバランスを実現することで求職者が成果を上げてくれるのなら、採用する人材だと考えます。管理職を目指したいけれど、家庭を持っているから働く時間を相談させてほしい人もいれば、副業をしているからあまり残業をしたくない人もいます。「このような生活をしたいからこんな条件が良い」と話してもらうことで、求職者がワークライフバランスを実現して何をしたいのか分かるわけです。

志望動機でワークライフバランスを伝える方法

面接

ワークライフバランスを伝えるときの注意点

会社や採用担当者ごとに考え方が異なることなので、慎重に発言する必要があります。求職者に仕事と生活の調和について質問する場合は、生活の質を向上させて労働者の働きやすさを維持し、会社の業績に繋げることを考えている会社の可能性があるわけです。これに対して、ワークライフバランスを重視する人は仕事を疎かにする労働者だと考える会社も多くあります。

希望の会社が前者の場合、印象が悪くなる言葉を避けて適切に回答すれば効果があります。しかし後者なら、何を答えても悪い方に取られてしまう可能性が高いです。仕事と生活の調和を重視する労働者を苦手とする会社は、多少のプライベートの犠牲は当たり前だし残業もしながらたくさん仕事をこなそうと考えます。希望の会社がどちらの考え方であれ、求職者を雇う会社の気持ちを考えて発言してください。

会社のワークライフバランスを活用したいと主張する

仕事と生活の調和を志望動機として挙げる場合、会社のワークライフバランスが整っており、なおかつそれを利用して成長する熱意を見せてください。このときプライベートを優先したい旨や休日出勤は嫌だという旨は、伝えないようにします。長時間働くことは避けたいのが本音でも、今は会社に選ばれる立場であることを理解して、印象の悪くなる言葉を避けるようにします。

会社に貢献できることをアピールする

会社は成果を出し、活躍してくれる人材を欲しがっています。そのためワークライフバランスが充実することにより、会社に貢献できる人材だとアピールするわけです。会社は成長の結果を出して欲しいので、仕事と生活の調和が取れる環境を提供しているのですね。求職者が一方的にワークライフバランスだけを求めるのはNGである理由が、お分かりいただけたと思います。仕事と生活の調和が取れる環境を活用して、関連性の高い資格を取得することや事業拡大に貢献したいと伝えた場合は、貢献したい気持ちに説得力があると言えるでしょう。

面接で残業について質問するには

面接

面接で聞くのはおすすめしない

ワークライフバランス同様、残業時間や残業代など求職者から待遇について尋ねることは、悪い印象を与えかねません。「どうしてもこの会社に就職したいから、悪い印象を持たれたら困る。」という場合は、残業時間や残業代について質問しない方が良いです。面接で労働条件について聞く権利がないわけではありませんが、内定が出るまで質問しない方がいいわけです。

求人情報は正確ではない

採用担当者へ残業時間に関する質問をするのは印象が悪くなると思って、求人情報を真剣に読む人がいます。ところが求人情報というのは、求職者を募集するための広告であるため、事実よりも良い情報を記載している例が多いです。また残業代は法律で支払うことが義務付けられているので、求人情報に残業代の支給について記載することはありません。労働者にサービス残業をさせている会社がまだまだ多いのも事実ですが、このような会社も残業代は支払うという体で求人を出しています。求人情報を見ただけで、残業代を支払う会社かどうか見極めるのは困難です。

残業できる条件や上限を伝える方法

「質問しない方が良い。」とはいうものの、求職者の中には事情があり残業に対する待遇の良い会社でなければ困る人もいます。今までの働き方を調整するために転職活動をしているのなら、お互いのために確認を取って納得したい人もいることでしょう。こんなときには、残業できる条件や上限を自分なりに答えながら、事実を聞くことも可能です。たとえば、以下のような手順で文章を作っていきます。
  1. 今までの職場でこなしていた残業時間について
  2. 1の残業時間では心身の不調に繋がるので、働き方を変えたいと述べる
  3. 仕事の効率化を図って残業に対応したい旨を述べ、残業時間を尋ねる

この手順で残業について尋ねれば、残業したくないという印象を与えにくくなります。どんなことを伝えるにしても、結局は「伝え方」が一番大切なのです。

残業代については内定後に確認すること

残業代を尋ねることは会社にとって悪い印象となる可能性が高まりますが、内定者へ労働条件を書面で掲示することは、会社の義務です。この段階で労働条件の確認をきちんと行うことは労働者に与えられている権利ですから、後ろめたさを感じる必要はありません。基本的に内定の取り消しは容易ではないので、ブラック企業ではない限り残業代について確認したからと言って、内定を取り消すことはないはずです。

ワークライフバランスが大事なら健康経営

健康 近年「仕事と生活の調和は、生産性やパフォーマンス向上のために必要である。」と考える人も増えてきました。そのため個人のワークライフバランスを実現するために、さまざまな取り組みを行う会社もあります。健康経営を行う会社は個人の仕事と生活の調和を図ることが大事だと考えて、積極的に活動をしている会社が多いわけです。健康経営では、労働者の健康維持は会社の戦略の一環だと考えます。健康な労働者が増加すると、生産性の向上や離職率の低下など、会社にもメリットがあるからです。

とはいえ個人を尊重した仕事と生活の調和は、簡単に実現するものではありません。たとえば育児休暇を利用した労働者は、社会から孤立した感覚に陥ることがあります。労働者が孤立感を味合わないように、システムを利用して業務の進捗状況を伝える会社もあるのです。ほとんどの会社は休暇を与えることにとどまりますが、中にはここまでしている会社もあります。
以下のコラムでは、会社が個人のワークライフバランスを実現することで得られるメリットなども紹介しています。合わせてご覧ください。
 

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個人のワークライフバランスは企業が考える時代に。そしてその方法とは?

やりたいことがあって仕事と生活の調和を求めるのなら、健康経営優良法人を1つの目安にすると、やみくもにいろいろな会社の情報を集めるより希望の条件がある会社が見つかりやすくなります。

まとめ

ワークライフバランスの面接での伝え方を解説しました。当然ですが会社側に求職者を雇うメリットが何もなければ、採用してもらえません。今の自分の立場を理解しながら、仕事と生活の調和を図ることができれば会社側にもメリットがある、と伝えるわけです。会社が労働者を募集する意味を、今一度考えてください。
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