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  • 2021.06.22 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営の取り組み方とは?具体的な方法や注意点について

目次

健康経営の取り組みが重要視されている!

健康経営とは 健康経営に関する取り組みを意識している企業が多くなっている反面、まだ具体的な施策を立案できていない、立案ができていても実施にまで至っていないという企業も多いのではないでしょうか。
従業員が働きやすい環境を作るために、健康経営に関する取り組みは必要不可欠です。
今回は健康経営の概要について触れ、そのためにどんな取り組みを進めていけばいいのかという疑問を解消していきましょう。

そもそも健康経営とは?

疑問まずは、そもそも健康経営とは何なのか?という根本的な疑問について触れていきましょう。
健康経営とは、企業で働く従業員の健康管理についての取り組みを「会社全体」で推進していくことを指します。

会社の資本でもある「従業員」にとって、心身ともに健康でいれることは何よりの理想です。
しかし、実際は会社での業務に追われ、身も心も削られてプライベートにまで影響が出ているという人も少なくありません。

新型コロナウイルスの影響もあり、在宅勤務で不規則な生活に陥ってしまっている人も多いでしょう。
このように、働くことが不健康につながってしまう、というイメージが少なからず根付いてしまっているのです。

健康経営は、社員の健康を会社が管理、推進していくことで、より有意義で働きやすい環境を提供する効果があります。

健康経営を取り入れていないとどうなる?

リスク 健康経営を取り入れていないと、従業員の健康面への配慮が疎かになってしまいます。
先ほど、仕事を通じて不健康になってしまうといった内容に少し触れましたが、健康経営を取り入れずにいるとどんな事態を招くのでしょうか。
ここでは、健康経営を取り入れないことで考えられる社員への影響について解説します。
従業員のストレスを把握できない
まず第一に、健康経営を取り入れないと従業員がどんなストレスを抱えているか把握することができません。
健康経営の取り組みは、社員の健康面についての把握も目的のひとつですが、その中には当然「精神面での健康」も含まれています。

例えば、健康経営を無視した業態だと、過度な業務量や勤務時間の延長、プライベートへの仕事の持ち込みなどが発生しやすくなります。
この状態が長期で続いたり、何も改革の兆しが見えなかったりすれば、従業員はなんのために働いているのかわからなくなってしまいます。

こういったことを防ぐためにも、健康経営に取り組むことが非常に大切だとわかります。
社員の健康面に配慮することは、従業員のストレスを把握し、軽減することにもつながっているといえるでしょう。

精神的な病につながってしまう

健康経営に配慮していない状態が続くと、ストレスがさらに悪循環を生み、精神的な病につながってしまう可能性もあります。

精神面で疲れ切ってしまうと、働いている意味がわからなくなってしまい、うつ病を発症してしまうでしょう。
また、適応障害や過食障害など、精神面での影響が大きい病気を発症しやすくなってしまいます。

もちろん、精神面だけではなく肉体面でのフォローとして健康経営が重要ですが、体の健康はそのまま心の健康に比例していきます。
そのため、従業員の体を守ることは心を守ることと同義であると認識しておきましょう。

まずは導入方法を知っておこう!ずは導入方法を知っておこう!

todo それでは、健康経営の取り組みを実践するために、導入方法について触れていきましょう。

主な流れとしては以下の通りです。
  • 方針を定める
  • 組織を構築する
  • 従業員の健康に関する情報を把握する
導入方法それぞれについて詳しくみていきましょう。

方針を定める

まずは経営のトップが先頭に立ち、健康経営についての方針を定めていくことが大切です。
方針を定めた上で、その内容をしっかり従業員全体に掲示することも忘れてはいけません。

会社が全体で同じ方向を向いていけるよう、経営理念の中に健康経営を明文化する企業も多いようです。
経営理念として明文化されていれば、従業員はもちろん投資家などへのアプローチにもなるでしょう。

当然、ただ方針を決めるだけでは意味がないため、取り組みを可視化した上でどういった内容をどういった方法で実践していくのかを示す必要があります。
よりリアリティのある方針を従業員に伝えることで、それがそのまま社員のモチベーションになることもあるでしょう。

組織を構築する

健康経営についての方針を定めたあとは、その取り組みを実行できる組織を構築することが非常に重要になってきます。
いくら優れた健康経営の方針を定めても、実行されなければ無駄になってしまいます。

既存の部署からそれぞれ人員を選別する場合もあれば、健康経営に関する新規部署を立ち上げる場合もあります。
この時重要なのが、できる限り健康面の知見がある人員を正確に配置することです。
従業員それぞれに健康経営に関する研修などの機会を設けることも有効でしょう。

健康経営の取り組みを実践することを前提に、具体的な施策について決定するための役員会議などを開くことも大切です。
立案した方針を実行するための組織づくりを意識しましょう。

従業員の健康に関する情報を把握する

組織の構築までが済んだら、いよいよ健康経営の取り組みを実行していきます。
そのためには従業員の健康に関する情報をあらかじめ把握しておくことが非常に重要な観点になるでしょう。

例えば、健康診断の結果や労働時間が把握できる情報、医療費の内訳や特定保健指導に関する情報などが挙げられます。
これらをしっかり管理し、従業員一人ひとりの健康状態を把握しておきましょう。

とはいえ、これらすべてのデータを一括で管理・把握するのは困難です。
そのため、例えば部署ごとに分けて管理をすることで健康に関する情報が把握しやすくなるでしょう。

健康経営の取り組みの例

食事 では、実際にどういった内容の取り組みを導入するべきなのでしょうか。
ここでは、実際にいくつかの企業で取り入れられたことのある健康経営の取り組みを紹介しましょう。

健康診断に関する取り組み

健康経営の取り組みとしてまず第一にしておくべきことといえば、やはり健康診断でしょう。
健康診断を毎年必ず行うことを前提にし、その上でさまざまな施策を実践していくのが健康経営といっても過言ではありません。

よく「体が資本」という言葉を聞きますが、健康経営の資本は「健康診断」です。
健康診断制度をまず整えて、そこから更なる取り組みを実践しましょう。

習慣の視点での健康面に関する取り組み

「健康」というものに最も直結しやすい社内での「習慣」をより健康面に配慮したものにしていく取り組みが挙げられます。

例えば、食事休憩の時間を社内全体で確保する動きであったり、健康的な食事を社内で取れるようなイベントを企画したりすることが挙げられます。
食事に関する楽しみがあれば、仕事に対して前向きな気持ちになりやすく、メリハリも付けやすいでしょう。

他にも、社内で適度な運動ができるよう、体操やレクの時間を導入しているといった事例もあります。
指定の時間は階段のみでの移動にするなど、ユニークな手法を取り入れている企業もあるようです。

また、健康に害を及ぼす喫煙に関する取り組みも注目されています。
全面禁煙にしている企業もあれば、特定の場所のみに喫煙スペースを設け、仕事中の喫煙から遠ざける取り組みが実践されています。

休職・復職制度の充実

従業員が万が一体調を崩して休職することになった際、休職や復職に関する制度を充実させておくことも大切です。
例えば休職を余儀なくされる状態でも、そもそも休職に関する体制が整っていなければ、従業員は安心して休むことができません。
休職できずに無理をし続けて取り返しのつかない症状を発症する可能性も0ではありません。

また、休職に付随し、復職についての制度を充実させることも重要な観点です。
いざ休職しても、復職の目処が立てにくい会社だとどうでしょうか。
いつまで経っても従業員が復職できず、最悪の場合そのまま退職になってしまう可能性もあります。

健康でいるための取り組みは大切ですが、健康を取り戻すための取り組みについてもしっかり定めておくようにしましょう。

健康経営導入のメリットと注意点について

メリット では最後に、健康経営を導入した上でのメリットや、意識しておくべき注意点について挙げていきましょう。

メリット

健康経営を取り入れるメリットとしてまず挙げられるのは。やはり社内全体が明るい社風になるということでしょう。

従業員の健康に配慮していない経営を続けていれば、社内にマイナスな空気が漂いやすくなってしまいます。
いわゆる「ブラック企業」として認識されてしまうため、企業としての印象も悪くなってしまいます。

健康経営に関する取り組みを実践していれば、会社の印象も前向きなものとなるため、風通しのよくなった会社への就職を希望する新しい風も入り込みやすくなるでしょう。

また、健康経営の取り組みをしっかり行っておくことで、従業員の生産性も向上します。
効率の良い仕事をするためにはメリハリが大切なため、健康面への配慮が非常に重要です。
健康面への配慮がしっかりされている会社であれば、従業員の定着率も上がるでしょう。

これらのことから、健康経営の取り組みはそのまま企業全体のレベルを上げることにもつながることがわかります。

注意点

健康経営に取り組む上では、いくつか注意点があることも念頭に置いておきましょう。
まず、健康経営は必ず経営のトップ中心になって行うようにすることが第一に挙げられる注意点です。

方針の内容自体がいかに優れていても、トップを通じた意思でない施策に関して従業員は心を開きません。
あくまで「企業として」行うものであることを前提にしてください。

また、取り組みについて適宜検証をしていくのも忘れないようにしましょう。
健康経営は取り組んで終わりではなく、良い結果がすぐに出るものでもありません。
取り組み自体が社内でどう浸透しているか、果たして効果があるのかを適宜検証し、会社にとってどんな正解があるのかを模索していきましょう。

まとめ

健康経営 取り組み 今回は従業員の心身を守るために大切な健康経営の取り組みについて解説しました。
健康経営について知りたいという方はもちろん、これからどんな取り組みをしていこうか模索中の方にぜひ見ていただきたい内容となっています。
健康経営は従業員の健康のためにはもちろん、企業がより大きく成長していくためには必須の取り組みであると言えるでしょう。
今回の内容を参考に、健康経営の取り組みについて知ることができれば幸いです。

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