• 健康経営
  • 2021.06.28 (最終更新日:2022.03.26)

働き方改革の先にあるホワイト企業になった会社の特徴

目次

働き方改革で最終的に求められているのはホワイト企業?

働き方改革 働き方改革が始まり、これまで企業が自由に行っていたことに対しても制限をつけるようになりました。働き方改革前も、企業が好き勝手に従業員に仕事をさせていたわけではなく、労働組合と話をしたうえで仕事をしていた部分もありますが、働き方改革ではさらに効力の強い縛りをつけたものといっていいでしょう。

働き方改革に対して、経営者も労働者も様々な意見を持っています。肯定的なものもあれば、否定的なものもありますが、否定的な人の方が声が大きいため、そちらがクローズアップされがちです。ただ、国が働き方改革をすすめているのは、このまま日本の働き方を放置していれば、問題が起きると判断したからです。その問題とは、超高齢化社会によって働き手の数が少なくなるうえ、働き手が超高齢者である両親の世話をしなければならず、少ない働き手が、さらに少なくなってしまうということ。それを緩和させるには、超高齢化社会が来ても介護の手がかからないようにすることが近道です。介護の手をかけないようにするには、健康寿命を延ばすのが一番。そうするためには、今働き盛りの人たちが健康的で安全な場所で働いてもらう必要があります。

労働者だけではなく経営者にもメリットがある

経営者 メリットだからこそ、労働者に優しい職場環境を作ろうという意味でも働き方改革を考えました。さらに働き方改革の先にあるホワイト企業になると、労働者だけではなく経営者にもメリットが出てきます。

ちなみに厚生労働省がホワイト企業の認定を行っており、評価項目をあげています。
・安全衛生活動を推進するための取組状況
・健康管理の取組状況(健康経営)
・メンタルヘルス対策への取組状況
・過重労働防止対策の取組状況
・安全でリスクの少ない職場環境の整備の取組状況(製造業等のみ)
4つ、または5つの項目に分けて、取組評価、実績評価の総得点でホワイト企業に認定するかしないかを決めています。ということは、この4つ、または5つの項目を意識して経営を行えば、ホワイト企業になれるということでもあります。

では実際にホワイト企業になるとどんな特徴があるのかを見ていきましょう。

従業員が自ら仕事を見つけて働くようになる

新入社員 ホワイト企業の特徴として、従業員たちの表情が明るいという点が挙げられます。なぜなら、ホワイト企業では従業員が十分な力を発揮できる環境づくりがされているため、仕事だけに集中ができるようになるからです。

労働者が職場でしたいことは、「働く」ことです。ですが、ホワイト企業と呼ばれていない企業では、労働者が働ける状況になっていないことがほとんどといえます。例えば、ホワイト企業であるための条件として前の項目で挙げていた「安全衛生活動を推進するための取組」。これができていないと、労働者は働きながら自分の身の安全にも気を配る必要が出てきます。業種にもよりますが、あの機械を使う時には細心の注意を払わないといけないとか、あの部屋に入っているのは何分以内にしなければいけないとか、あそこを通るときには周りを十分に気にしなければいけないとか、そういった心配事があると、「働く」ことだけに集中できないのもわかりますよね。

ですがホワイト企業であれば、「安全衛生活動を推進するための取組」ができているため、労働者は自分の身の安全はされていると安心できるため、働くことに集中ができるのです。そうすると、働くことを目的に来ている職場で、思った通りのことができるため表情も明るくなります。

他の項目も同じです。例えば「メンタルヘルス対策への取組」もホワイト企業の指針の一つ。どんな職場でも、人が集まれば合う合わないは出てきますし、誰もがコミュニケーション能力が高いわけではないため、ちょっとしたすれ違いから大きないざこざに発展することもあります。そうした時に、メンタルヘルス対策をしている企業では、労働者が自由に相談をしに行くことができるため、メンタルヘルス不調が悪化する前に未然に防ぐことができます。また、メンタルヘルス対策では、メンタルヘルスチェックも行っているので、今職場で何が起きているのかを経営者が確認することもできるということも重要です。
職場で起きる問題で大きく締めているのが人間関係のいざこざです。合わない人同士を傍に置かず、配置換えをするという選択肢もあります。これは経営者、役員、部門長にしかできないことです。

労働者が生き生きとして働ける環境づくり

社員 やりがい次に「過重労働防止対策の取組」。この項目は、ホワイト企業認定の中でも評価点が特に高くなっています。働き方改革の中にも、この項目と同じものがありました。さらに、ブラック企業と呼ばれている会社のほとんどが、過重労働防止対策の取組について全く行っていません。働き方改革が行われる前は、土日出勤も行われ、月の残業時間が100時間を超えても、社風として、それが自慢できることとしていたり、長時間働くことが会社への貢献としていたりしているブラック企業が多くありました。ですが働き方改革後は、月に100時間を超える残業があると労基違反となり、会社がペナルティを受けます。そのために、サービス残業としてタイムカードに記述しなかったり、持ち帰らせて仕事をさせたり、在宅ワークの制度を利用してタダで長時間労働をさせている企業もまだまだ存在しています。そういったところで働いている人たちは、仕事によってプライベートがなくなり、心身ともに弱っていくのは当たり前のことです。
ですがホワイト企業ではそういったことをせず、メリハリのあるスタイルをとっています。業種や部署によって忙しくなる時はあるので、全員が残業はナシとはならなくても、暇なときは早めに帰ることができたり、会社として定時で仕事を終えることができる人を推奨したりしています。そうすることで、長時間働くことがいいのではなく、仕事の質がいい方が会社に認められると労働者が思うようになり、職場で伸び伸びと働くことができるようになるのです。

ホワイト企業であるということは、労働者が生き生きとして働ける環境づくりができているということです。だからこそ、労働者は「働く」ことに集中することができ、自分にできることは何なのかを考え、自分で仕事を考えるようになっていきます。

ホワイト企業の定義の一つ「健康管理の取組(健康経営)」

健康管理 ホワイト企業の定義の中でも重要な特に重要な項目が、1つ前のとこでも説明した「過重労働防止対策の取組」と「健康管理の取組(健康経営)」の2つです。ここでは健康管理の取組について掘り下げていきたいと思います。

「健康管理の取組(健康経営)」は、働き方改革前には日本ではほとんど浸透していなかった取り組みです。働き方改革前に言われていたホワイト企業と呼ばれる会社でも行っているところはほんのわずかでした。基本的には、「過重労働防止対策の取組」を初めから行っている企業がホワイト企業と呼ばれていたからです。ですが、働き方改革後に日本でも健康経営という考え方を浸透させようと、経済産業省が先陣を切って動き出しました。健康経営優良法人という顕彰制度ができ、指針ができたことにより健康経営が始められやすくなったのです。

では、「健康管理の取組(健康経営)」を行っているホワイト企業の特徴はどのようなものかというと、企業がこれまでプライベートなことだと言って切り離していた労働者の健康管理を行うようになるため、労働者は自分の「健康」について深く考えるようになります。企業は会社での過ごし方、食事、睡眠、メンタル等を含めて、心身ともに健康的な生活ができるように環境を整えるため、健康管理の取組を行っていない企業に比べると労働者が健康になるのは当然です。そして労働者が健康になると、個人個人の本来のパワーを発揮させやすくなり、労働力が上がっていきます。すべての労働者に同じことが言えるため、健康な労働者が増えれば増えるほど、会社の業績も上がりやすくなるというわけです。

ホワイト企業の定義の一つ「健康管理の取組(健康経営)」は、労働者のためだけではなく、企業の業績にも最も繋がりやすい部分といえるかもしれません。ただし、環境が整っても、効果が出るまでには時間がかかるため、健康経営の良い部分を見逃している経営者も多いのも事実です。

他にもあるホワイト企業の特徴

ホワイト企業 ホワイト企業の定義からホワイト企業の特徴を紹介してきましたが、他にも特徴はあります。ブラック企業では働く環境が悪いため、人は定着せず、求人コストが掛かるというのが特徴ですが、ホワイト企業はその逆です。労働者の働く環境が整備されているため、一度入社した労働者は、前向きな理由以外ではやめようとはしません。そのため人の定着率が高く、様々な年代の労働者が同じ会社にいることになります。

企業内での引継ぎがうまくいくため、企業として大事にしたいものが途中で消えることなく、若手社員にまで伝えやすいということです。さらに、人の定着率が高いということは、人が辞めないため、頻繁に求人を出す必要がないため求人コストを抑えることができるのも特徴の一つ。さらに、ホワイト企業で起こりやすいこととして、社内で働いている人が口コミで会社のことを伝え、紹介で求人の応募をしてくる人が現れます。ブラック企業では起こりえないことです。

以上がホワイト企業の特徴です。ホワイト企業になるための準備は時間がかかるかもしれませんが、ホワイト企業になることでのメリットを考えると、今すぐにでも始めたほうがいいと言えるでしょう。
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