• 健康経営アドバイザー
  • 2021.10.28 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営優良法人2022年変更点について(中小規模法人部門)

目次

ご準備はお済みでしょうか?

健康経営 2022年の認定に向けてもう準備はお済みでしょうか?2022年度健康経営優良法人認定要件案が発表されました。これから健康経営をスタートさせて認定を目指す企業も継続認定を目指す企業にも必見の内容になります。

健康経営とは、経済産業省の定義によると「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」です。

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。実際に健康経営に取り組むと、次のようなメリットが得られます。
  • 従業員の心身の健康維持・増進
  • 労働生産性や業績の向上
  • 優秀な人材の確保・採用力の向上
  • 企業ブランドイメージの向上
  • 医療費の削減
  • 離職率・定着率の改善
  • 従業員エンゲージメントの向上
  • 従業員の安心感や満足感につながる
上記だけでなく、健康経営に取り組むことは、世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)にも貢献できます。
SDGsには17のゴールがありますが、健康経営はSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」の取り組みにつながるでしょう。さらに社内に浸透・定着することで、目標5「ジェンダー平等の実現」目標8「働きがいも経済成長も」の2つに関しても達成が期待できます。SDGs
 

6つの変更ポイント

2022年変更点 1.申請認定フローの効率化
・押印なしの完全電子化
・加入保険証の確認の簡素化
2.健康宣言事業の取り扱い
・加入保険者が健康宣言事業実施していない場合自治体の健康宣言事業への参加
・社内外の発信
3.ブライト500評価のウエイト変更
・13項目以上で1項目ごとに加点
・自社からの発信状況の強化
4.PDCA意識の強化
・健康経営の評価改善に関する取組の必須化
5.スケジュールの変更
・10月末日での申請締め切り
・2022年2月に内定通知
6.認定要件の変更について

1.申請認定フローの効率化

健康経営優良法人 健康経営の認知度が高まり認定を目指す企業が増え、今後も申請数の拡大が見込まれます。このことから申請に携わる負担軽減のため申請書契約書の電子化を行い2022年度申請日程フローの見直しを行われました。
下記の2点が見直された変更点です。申請する企業も事務局側も簡素化され負担軽減が狙いです。健康経営のご担当者の業務も完全電子化により効率が良く進むことでしょう。
  • 押印なしの完全電子化(企業側)
  • 加入保険証の確認の簡素化(事務局側)

2021年申請認定フロー

法人:認定申請書に回答・申請・契約書作成(回答シートのみ電子媒体・紙の申請書は押印必須)
➡事務局に提出(回答シート:データアップロード・申請書・紙媒体を郵送)
事務局:加入保険者に確認が必要な事項について確認※確認対象は全申請法人
➡認定審査・内定通知・認定公表(評価結果をメール送付)

2022年申請認定フロー(案)

法人:認定申請書に回答・申請・契約書作成(押印無し・完全電子化)
➡事務局に提出(データアップロード)

事務局:法人にエビデンス調査
(加入保険者に確認が必要な事項についてエビデンス調査の一環として、保険者の協力を得て確認)➡認定審査・内定通知・認定公表(評価結果をメール送付)
 

2.健康宣言事業の取り扱い

国民健康保険 健康経営に取り組む法人は保険者と連携して、健康経営の施策を実施すべきかの観点から、加入している保険者が行う健康宣言事業に参加し、社内外にその状況情報を発信することを必須要件としてきました。
これまで加入保険者が健康宣言事業実施していない場合、申請法人を不認定と扱っていたが下記の通り見直しを行っています。
国保組合で健康宣言事業実施しているのは以下の4組合のみです。
  • 全国土木建築国民健康保険組合
  • 東京建設業国民健康保険組合
  • 東京土建国民健康保険組合
  • 静岡県建設産業国民健康保険組合
※現在共済組合では実施している組合はありません。
加入保険者(特に国保組合は共済組合)が健康宣言事業を実施していないために、認定を受けられない法人が複数あったことを踏まえ検討を行いましたが、大きな改善は得られず今回対応案として考慮される予定です。

2022年健康経営優良法人中小規模法人部門対応案

保険者の健康宣言事業あり

 条件①保険者の健康宣言事業への参加
 条件②社内外への発信

保険者の健康宣言事業なし

 条件①自治体の健康宣言事業へ参加(次回もなしの場合に限り自社独自の健康宣言を実施で可)
 条件②社内外への発信

健康宣言事業実施していない保険者への対応により、保険者が健康宣言事業を実施していないことにより、健康経営を実施しているが申請自体を諦めた法人が申請できる環境となりました。厚生年金

3.ブライト500評価のウエイト変更点

ブライト500 健康経営優良法人(中小規模法人部門)の中から『健康経営優良法人なかでも優れた企業』かつ『地域において健康経営の発信を行っている企業』として優良な上位500法人に対してブライト500の冠を付加して表彰されます。地域における健康経営のトップランナーとして自社の具体的な取り組みを積極的に発信していることを評価するため、ウエイトを変更されました。2020年度は健康経営の評価項目における適合項目数を12項目以上としていたがブライト申請数が5000社を超えており、より質の高い取り組みを評価する観点から13項目に変更されます。
  • 13項目以上で1項目ごとに加点
  • 自社からの発信状況の強化

健康経営優良法人2020年(中小規模法人部門ブライト500)選定方法

  1. 「健康経営の評価項目における適合項目数」及び新設する「健康経営の取り組みに関する地域への発信状況」を評価する
  2. 健康経営優良法人の中でも優れた企業であることを重視し、選択項目15項目中13項目以上適合していることを条件とする。
  3. その上で以下のベイトで配合し上位500法人を算出する。

項目内容

・健康経営の評価項目における適合項目数(13項目以上に対して1項目ごとに加点)加点3(2020年度)→加点3(2021年
・健康経営の取り組みに関する自社からの発信状況(自社ホームページへの掲載等)加点2(2020年度)→加点3(2021年)
・健康経営の取り組みに関する外部からの発信依頼を受けての発信状況(取材、講演会の対応等)加点2(2020年度)→加点1(2021年)

4.PDCA意識の強化

PDCA 2022年度認定認定より「健康経営の評価改善に関する取り組み」(PDCAのCAに該当)の必須化が行われます。2020年度に選択項目として追加していましたが、今年度(2022年)から必須化が決定されました。
健康経営の取り組みにおけるPDCAの重要性を図っており、2019年度から PDCAの様子を記載する定性記述欄を設け取り組みを促してきました。

【設問案】

Q30.健康経営の施策はどのように評価していますか?実施している内容を以下から選択してください。(いくつでも)

☑健康経営の取り組みに対して、実施した結果を確認している
☑健康経営の取り組みに対して、前年度等の過去の取り組み結果と比較している
☑健康経営の取り組みに対して、た企業の事例や公表データ等の結果と比較している
☑健康経営の取り組みに対して、保険者等の外部の専門家による評価を実施している

SQ1.(Q30.1〜4のいずれかと答えの場合)具体的に何を評価しているかお答え下さい(いくつでも)

☑参加者数、参加者の満足度等の取組結果
☑従業員の生活習慣等の健康状態の改善の度合い
☑取り組みの結果として改善した経営関連指標の改善度合い

SQ2.( 4のいずれかと答えの場合)評価をもとに改善を行っていますか(いくつでも)

☑評価を基に備える取り組みの見直しや次の取り組みを検討している
☑次の取り組みを行うにあたり保険者等の外部の専門家から改善方法についてアドバイスをもらっている
☑次の取り組みについての改善策を策定している
☑特に改善を実施していない

SQ3.Q30.1〜4のいずれかと答えた場合
評価内容について社内の誰に共有していますか(いくつでも)

☑経営トップ
☑部長クラス
☑担当者
PDCA

5.スケジュールの変更

令和3年スケジュール表 申請・認定フローの見直し等に伴い健康経営認証制度のスケジュールの変更予定されていますのでご注意ください。令和3年度10月末日での申請締め切り、2022年2月に内定通知の予定となっています。


 

6.認定要件の変更について

運動 今回の変更点で注目すべきポイントは、新設された「喫煙率低下に向けた取り組み」と「健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施」です。健康経営の取り組みをより精度の高い物にするために認定基準もより高度なものと変わってきています。
また前回の認定では、新型コロナウィルスの急速な拡大に伴い、健診や具体的施策(イベント等)に関して臨時的に救済措置を設けていました。国内での感染拡大から1年以上が経過した今、健康経営に取り組む法人の多くがコロナ禍でも代替手段により取りみ組を継続している状況に鑑み、今回からは救済措置を撤廃する方針とされています。コロナ

2022年認定要件変更案

評価項目:健康課題の把握➡評価項目①~③の内2項以上
評価項目:従業員の心と体の健康づくりに関する具体的対策⑧~⑮のうち4項目以上
評価項目:【新設喫煙】喫煙率低下に向けた取り組み
評価項目:健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施必須化


 

まとめ

メリット 引き続き認定を目指す企業もこれから健康経営を始める企業も、認定要件を確認して取り組み実践をすることをおすすめします。
健康経営の実践を通じて、自社にどのようなメリットを得たいかということを考慮し取り組みを行うことによって従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されていきます。
出典元:令和3年度健康経営顕彰制度について
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