• 健康経営
  • 2021.11.26 (最終更新日:2022.03.26)

ステークホルダーの重要性とは?健康経営の視点で解説

目次

マネジメントに重要なステークホルダー

ステークホルダー 経営者の皆さんは、「ステークホルダー」という言葉ご存じかと思いますが、
取引先や株主を指す言葉と理解されている方も多いかもしれません。
ステークホルダーは、ビジネスシーンで用いられる場合、企業組織における利害関係者すべてを指す言葉になっているのでぜひ覚えていただきたい言葉です。
今後ビジネスでステークホルダーとの関係性は、重要なマネジメントとなるでしょう。
今回はステークホルダーの意味や健康経営との関連性を紹介します。

ステークホルダーとは?

ステークホルダー③ ステークホルダーは、簡単に言うと利害関係者のことです。

意味

英語の「stakeholder」から由来する言葉で、利害関係者という意味です。
企業が事業を行う際に直接的または間接的に影響を受ける利害関係者の総称として使われています。
その対象は株主・経営者・従業員・顧客・取引先も含まれ、非常に広範囲を示す際に用いられるビジネス用語です。

概念

ステークホルダーの概念はアメリカから浸透し、R・エドワード・フリーマンによって主唱され現在ビジネス用語として定着しました。
ビジネスの実践においても経営戦略・企業統治・企業の社会的責任においても広く受け入れられるようになっています。
ステークホルダーを考えるうえで注意すべき点は、利害関係者といってもお互いの利害が一致するとは限らないという点です。
それぞれの利害が異なり、時に相反する場合であっても、中心となる企業から何らかの影響を受けていればステークホルダーと呼びます。

企業におけるステークホルダーの代表例

企業 ステークホルダーは組織との関係性によって、「直接的ステークホルダー」と「間接的ステークホルダー」に分類されます。

直接的ステークホルダー

直的ステークホルダーは、企業活動によって直接影響を受ける人々のことです。
普段から深い関わりを持っている人物や団体と認識しておくとよいでしょう。
  • 従業員
  • 消費者
  • 取引先
  • 株主
  • 金融機関 など
新規プロジェクトを始める際は、直接的なステークホルダーとの認識のすり合わせが必要です。
全社として直接的関係にある人々のリストアップしておくことで、プロジェクト単位での直接的ステークホルダーの漏れを防げるでしょう。

間接的ステークホルダー

間接的ステークホルダーは、企業活動において直接的な影響を受けない人々のことを指し、一時的に間接的な相互作用関係にある人や団体も含まれます。
  • 政府
  • 地域社会
  • 従業員の家族 など
間接的ステークホルダーは、直接的な関係がないために見極めが非常に困難です。
とはいえ、間接的であっても与える影響は無視できません。
企業活動を広い視点で捉え直すことで、間接的ステークホルダーの範囲も明確にできるでしょう。

注意すべきステークホルダーと似ている言葉

ステークホルダーは、「ストックホルダー」と間違えて用いられる場合があります。
ストックホルダーとは「株主」のことを意味する言葉です。
他にも株主を表す言葉として、「シェアホルダー」があります。
「ストックホルダー」とは単に株を保有しているだけの株主を表す言葉で、「シェアホルダー」は株主総会などで議決権を持つ大株主のことを表します。
これらの言葉を間違えて使用してしまうと相手に伝わる意味が変わってしまう点を注意しなければなりません。

短期的な経営よりも持続可能な企業への転換期

SDGs SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)※の普及やESG投資※によって、企業の社会的責任(CSR)という言葉とともにステークホルダーという言葉も認知されてきました。
企業が持続し、発展するためには社会の持続・発展が必要です。
企業はそれに貢献すべきという考え方があります。

この考え方が企業の社会的責任(CSR)です。
この社会こそがステークホルダーです。
これまでの利益追求型の短絡的な経営は、環境破壊や社会格差の拡大などの問題を生み出していました。
社会の混乱は企業の経済活動に大きく影響を及ぼします。
企業には「事業を通じ、社会貢献をする責任」が生じ、今後さらにその必要性が求められてくるでしょう。
現代はステークホルダーとの関係性が業績向上につながるといわれているだけに、ステークホルダーとの信頼関係構築といった問題も重要な課題になってきます。
これからの経営の軸となるのは、利益拡大と社会課題解決へアプローチし、実現することです。
2030年を見据えて経営をする転換期としてステークホルダーを意識した経営が重要となってくるでしょう。

※SDGsとは

持続可能な社会を実現するために2015年に国連で採択された2016年から2030年までの国際目標です。
 これは、貧困や紛争、気候変動による自然災害、感染症といった人類が直面している課題を整理し、2030年までに世界が達成すべき目標とされています。
これらの問題は社会とビジネスの持続可能性を脅かしていく問題とされ、多くの企業がSDGsの目標達成を目指している段階です。

※ESG投資とは

短期的なリターンではなく、長期的なリターンを目指す投資です。
環境問題・社会問題・組織統治問題は、社会的・環境的要因に対する企業の誠実性の評価です。
ESG問題に取り組む企業は、機関投資家のESG投資対象になる可能性も高く、中長期で投資資金が流入されると見込めるでしょう。
企業は持続的な成長を意識していると認識され、将来の成長も期待されることから評価基準のひとつとして注目されています。

※ESG問題

ESGは、環境問題・社会問題・組織統治問題の頭文字をとって総称です。
環境問題(Environment)
社会問題(Social)
組織統治問題(Governance)
ESG問題は、ビジネスの持続を脅かす問題であると同時に、わたしたちが暮らす社会の持続可能性を脅かす問題となります。

健康経営の実践において重要な存在であるステークホルダー

ステークホルダー SDGsの普及と同じく注目されているのが「健康経営」です。健康経営とは、「企業の経営目的達成のために、企業で働く人たち一人ひとりの健康を大切にしよう」という取り組みになります。従来別々のものとして考えられていた「経営管理」と「健康管理」を統合させ、従業員の健康増進を行うことで、結果的に企業の業績向上につながるというものです。経営者にとって、忘れてならない重要なステークホルダーは自社従業員ではないでしょうか。
近年、自社従業員との良好な関係構築において、マネジメントの見直しが重要視されています。
さらに企業にとって課題だと感じている部分を共有し、課題意識を持ってもらうことが経営目的達成への近道とされています。
健康経営の取り組みは、直接的ステークホルダーと間接的ステークホルダーの両方にアプローチすることが可能です。
従業員一人ひとりの健康に気づかい働き方に配慮することによって、従業員だけでなく間接的ステークホルダーの従業員家族にも影響を与えます。
従業員の健康管理だけでなく、希薄になっている人間関係改善などの取り組みも重要です。
効果的な社内コミュニケーションを広めることによって明確な理念・ビジョンが浸透することで、従業員が自らの仕事に誇りをもって社会に語り継げる環境となるのでなないでしょうか。

優良法人さらに健康経営に取り組む優良な法人を差別化するために経済産業省が設けている認定制度が健康経営優良法人です。
健康経営優良法人として発信することで、企業のブランドイメージは向上するでしょう。
健康経営に取り組む企業は、ワークライフバランスに配慮した会社というイメージを持たれます。

認定制度は、従業員や求職者、関係企業や金融機関などのステークホルダーに向けた自社アピールの発信となり、企業イメージの向上につながると採用力の向上・銀行からの融資を受けやすくなる・ステークホルダーとの取引がよりスムーズに進むといったメリットも考えられます。

健康経営は、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けられる環境を整備することにつながり、さらに多くのステークホルダーにアプローチできる有効な手段と言えるでしょう。

健康経営ではまずは直接的ステークホルダーである従業員に対してアプローチすることでその輪が広がり、間接的ステークホルダーにもつながっていきます。
組織のマネジメントとしての健康経営は、ステークホルダーに確実に影響を与えるでしょう。
 

まとめ

従業員 今回は「ステークホルダー」について解説しました。
ステークホルダーは利害関係者の総称ということがお分かりいただけましたでしょうか。
今後企業の持続・発展にはまずは身近な従業員など身近なステークホルダーとの良好な関係が不可欠となってきます。
ステークホルダーの意味を理解し、自分自身や従業員もステークホルダーであるということを理解することで、その先に事業の発展があるのではないでしょうか。
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