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  • 2020.04.28 (最終更新日:2022.04.08)

健康経営優良法人2020は6204法人が選出されました

目次

健康経営優良法人2020は6204法人が選出されました

認定基準 日本健康会議により、今年で4回目となる健康経営認定の発表が2020年3月2日にあり、大規模法人部門に1481法人(うち500法人を「ホワイト500」)と中小規模法人部門に4723法人の計6,204法人が認定されました。
当初は同日、千代田区にあるイイノホールにて、経済産業省主催「健康経営アワード2020」が執り行われ、「健康経営銘柄2020」「健康経営優良法人2020」の発表がある予定でした。ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模縮小なども検討されて最終的には開催を中止となり、当日経済産業省のHPにて公開という形をとっています。

認定基準は毎年少しずつ改定されて年々厳しくなっておりますが、認定法人は去年と比べて大規模法人は668社増加(2019年:813法人→2020年:1481法人)、中小規模法人は2221法人増加(2019年:2502法人→2020年:4723法人)と全体で2889法人(87%)増加しました。

ではどんな企業の取組が評価され、認定されているのでしょうか? 経済産業省が公開している健康経営認定基準を基に順にご説明いたします。

健康経営優良法人2020 大規模法人・ホワイト500の認定基準



<引用元>経済産業省HP

2020年の認定より、大規模法人は『大規模法人』『ホワイト500』の2つに分かれ、ホワイト500は大規模法人全体の上位500法人が認定される事となりました。二つの違いを認定項目から見てみると1点の違いで、ホワイト500は「トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること」が必須項目になり、名称のように認定される法人も上位500法人だけです。内容に関しては後述いたしますが、このように2019年までは銘柄以外、大規模法人・中小規模法人と2つの認証であったのが3つに変わりました。またロゴマークも、今までは大規模法人の中に「ホワイト500」と記載されていましたが、2020年より省かれました。
認証制度が年々普及するにつれ、企業の差別化要因が認証だけでなく基準を満たす内容を問われるようになって来たということです。

続いて、中小規模法人をみて行きましょう。

健康経営優良法人2020 中小規模法人の認定基準


中小規模法人の認定基準
<引用元>経済産業省HP

中小規模法人に関しては、2019年と2020年で大きな違いはございませんが、任意項目が昨年は累計15項目中6項目で認定基準を満たす事が必要でしたが、2020年は1つ増えて7項目の基準を満たす必要があります。

任意項目が1つ増えただけと感じる方もいるかもしれませんが、健康経営優良法人の認定を得る為には、必須項目が昨年のカウント方法で数えると8項目あります。中小規模の法人には、簡単にクリア出来ない基準も設定されています。
次からは2020年の「ホワイト500」「大規模法人」「中小規模法人」の必須項目である認定基準について説明します。

健康経営優良法人における必須要件について

認定基準の必須項目抜粋
認定基準は、大規模法人・中小規模法人で違いがある事は前記した通りですが、必須項目も上記表の通り一部を除いて違います。逆に下記の6つの共通項目については、企業活動において、ごく一般的に行われるべき内容と気づくと思います。 しかしながら、実際は実施がままならない法人も存在しています。経済産業省の枠組みの中、日本健康会議に活動内容を評価され認められている法人は一定の信頼に値するといえるでしょう。

 1.受動喫煙対策に関する取り組み
 2.定期健診の実施
 3.健保等保険者による特定健康診査
 4.特定保健指導の実施
 5.50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施
 6.従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと など

次からは、実際の認証基準に沿ってご説明いたします。

経営理念(経営者の自覚)の必須項目について

1.健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診<中小規模法人>

この項目では、経営者が従業員やその家族の健康管理を経営課題として認識したうえで、それを社内外へ明文化し、自らが模範となるようにふるまえているかどうかが問われます。またこの項目は認証を得るためには必須です。

認証基準としては2種類あり、そのどちらかを満たしていれば適合とされます。

1つ目
経営者が全国健康保険協会や健康保険組合等の保険者のサポートを受け、組織として従業員の健康管理に取り組むことを明文化(健康宣言書の策定等)し、その文書等を従業員その他の関係者に対し表示(発信)していることです。また、健康宣言が明文化された文書は、事業所入口、会議室、応接室等に掲示する又はホームページに掲載するなど、従業員(社内)及び取引先や消費者など社会一般(社外)の利害関係者のいずれもが閲覧できる状態にすることが求められています。

2つ目
経営者自身が年に1回定期的に健康診断を受診することを徹底しているかどうか。健康診断の項目は、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断以上とし、かかりつけ医等のもとで特定の疾病に関する検査のみを受診した場合は含みません。未受診の場合(未受診の項目がある場合も含む)、理由があるのであれば記載することが求められています。

以上のどちらかを満たすことで、この項目は適合とされます。
 

2.健康宣言の社内外への発信(アニュアルレポートや統合報告書等での発信)<ホワイト500、大規模法人>

■明文化の定義(選択式)
 1.企業理念
 2.経営計画・経営方針
 3.企業行動指針・規範・行動憲章
 4.従業員行動指針
 5.安全衛生・健康管理指針
 6.その他

■何で公開しているのか(選択式)
 1.アニュアルレポート
 2.統合報告書
 3.CSR報告書
 4.コーポレート・ガバナンス報告書
 5.海外投資家向けに多言語対応した各種開示文書
 6.採用情報サイト・文書(外部含む)
 7.上記以外の文書・サイト

■社内への発信方法は?(選択式)
 1.従業員に対して定期的に文書を通達
 2.朝礼や全社集会等を通じて定期的に伝達
 3.内容を記載した文書を常に携行できるような形態で配布
 4.従業員に対して研修などを通じて定期的に伝達
 5.管理職に対して研修などを通じて定期的に伝達
 6.従業員に対して経営トップ自ら理念・方針を定期的に伝える
 7.従業員に対して定期的にアンケートを実施して理解度を確認
  ⇒社内SNSなどで、自社の方針や施策について従業員間の議論の場を用意
  ⇒ワークショップなどを実施し、従業員間の議論により自社の方針や施策への理解を促す
  ⇒定めた方針に対する意見を一般従業員から募る
  ⇒方針に基づいた推進体制に、担当以外の一般従業員も組み込む
  (委員会や推進チームなどに希望者が参加できるようにするなど)
 8.その他
 9.実施していない

などです。健康経営にふさわしい項目を多く選べるようにするようにしていきたいところです。

大まかな内容としては、「1.健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診<中小規模法人>」とほとんど変わりはありません。ただし、細かく見てみると違う点もあるので、その点についても説明をしていきます。

この項目を適合させるには下記の二つの項目について実施していないといけません。
 1.健康経営の推進に対する全社方針を明文化している 
 2.会社全体の目的または体制を情報開示している

項目ごとにそれぞれ選択式となっています。その一部をご紹介します。
 

3.トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること<ホワイト500>

この項目は「健康経営銘柄2020選定基準及び健康経営優良法人2020」から追加された項目です。大規模法人の場合は選択項目ですが、ホワイト500の場合は必須項目となっています。また、昨年度健康経営度調査52で確認していた「取引先の健康経営の取組状況や労働衛生、健康状況について」も関連設問としているため、何かしらの取組をしていれば適合となります。

また、下記のうちどちらかを実施していれば適合になります。
 1.収益事業外で普及拡大活動を行っている
 2.取引先への把握・考慮

質問内容としては、
■健康経営の普及拡大活動を自社以外に対してしているかどうか(選択式)
 1.自社の健康経営の取り組みについてグループ会社全体で統一方針を定めて推進
 2.自社の健康経営の取り組みについてグループ会社全体にノウハウを提供したり、共同で実施
 3.自社の健康経営の取り組みについて取引先等他社にノウハウを提供
 4.自社で健康経営を取り組むにあたって地域や同業他社を巻き込んで展開
 5.健康経営を支えるヘルスケアサービス・商品を積極的に導入
 6.健康経営の推進に当たって既存の顧客向けにパンフレット配布等を通して発信
 7.健康経営の推進に当たって潜在的な顧客や広く一般向けに講演やメディアなどの企画、パンフレット配布等を通して発信
 8.他社の健康経営の取り組み状況やニーズについて調査を実施し、結果を公表
 9.社内報などを通じて、従業員やその家族に自社の健康増進に関する取組を周知
 10.その他
 11.特に行っていない

■健康経営の普及拡大活動を社内に対してしているかどうか(選択式)
 1.自社の提供する商品・サービスに、健康経営の普及を促す内容を付加
 2.自社の提供する商品・サービスの販促物に健康経営の説明を記載
 3.健康経営の導入促進をビジネス化
 4.その他
 5.ヘルスケアなど健康経営に関わる事業を行っていない
 6.ヘルスケアなど健康経営に関わる事業を行っているが、普及拡大活動は特に行っていない

■どこまでのことを把握・考慮していますか?(選択式)
 1.健康経営の表彰制度の取得状況
 2.労働衛生関連の法令遵守状況
 3.従業員の過重労働の状況
 4.メンタルヘルス対策の実施状況
 5.健康経営施策の実施状況
 6.その他
 7.特に把握・考慮していない

のような質問があるので、それに対して選択式で実際に行っていることに対してチェックを付けていくという形をとっています。
 

組織体制の必須項目について

1.健康づくり担当者の設置<中小規模法人>

この項目では、健康づくりを行う上で意見ができる人を作り、健康診断や保健指導の実施、特定保健指導の連絡窓口等の実務等を行う他、経営者、産業医、保険者及び健康経営アドバイザー等と適切な報告、連絡及び相談等を行います。さらに担当者として適切なのは、具体的に言えば、衛生管理者、(安全)衛生推進者、全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険委員、総務部の担当者等です。
また、事業場間の担当者の兼務は組織マネジメント上、合理的な理由がない場合は不適合となります。

また、事業所が複数ある場合(工場、店舗、事務所などを含む)には、その事業所ごとに健康づくり担当者を設置する必要があります。事業所が複数あるのに健康づくり担当者が一人しかいない場合、その人が一人で複数をかけ持つことになり、すべての人の健康を見ることができなくなるためです。この担当者がいることで、企業内の健康に対する意識が強まることを目的としています。
 

2.健康づくり責任者が役員以上<ホワイト500、大規模法人>

この項目は組織体制として、大規模法人、ホワイト500ともに必須項目です。また、中小規模法人と似ている項目(中小規模法人の場合は健康づくり担当者の設置)なのですが、こちらでは担当者ではなく責任者に変わっており、さらに健康づくり責任者を役員以上の立場に置くことが求められています。
健康づくりを行う人に対して、より一層の権力を持たせることで、企業全体に健康に対する考え方を浸透させることが目的です。
 

3.健保等保険者と連携<ホワイト500、大規模法人>

中小規模法人では「健康づくり担当者の設置」の中に含まれているものなのですが、大規模法人、ホワイト500では別項目として別れています。分けることで、より重要性を示しているといえます。この項目も大規模法人、ホワイト500ともに必須項目です。
健康経営を行う上では欠かせませんので、しっかりと健保等の保険者と連携を取って従業員の健康について考える項目でもあります。
 

制度・施策実行の必須項目について

1.受動喫煙対策に関する取り組み<ホワイト500、大規模法人、中小規模法人>

受動喫煙に関しては、ホワイト500、大規模法人、中小規模法人の全てにおいて必須項目です。そもそも受動喫煙に関しては、健康経営を行っていない企業であっても労働安全衛生法によって、取り組むように促しているのですが、それを守れていない企業が多いことも事実。だからこそ、健康経営の認定基準においてあえて入れている項目なのです。

できれば、新たに対策を取らなくても、この項目は適合しているというような企業ばかりであれば一番なのですが、健康経営を考えるうえで改めて取り組むという姿勢であっても、この項目を設置した意味があります。

受動喫煙に関しては、年々政府や県の対策として強化をしています。健康面で考えるのであれば受動喫煙者を放置しておくことは、その人の身体の健康を考えない行動とイコールです。ただ、いきなり喫煙をと促してもストレスを与えてしまうだけで、誰も見ていない場所で再び吸い始めたり、ストレス過多になり他の病気を呼び込んでしまったりする可能性もあるため強制をすることができません。

受動喫煙のスペースを固定化して、非喫煙者に被害がかからないようにする対策が一番です。その次に、受動喫煙者に自分の身体のことを考えてもらうようなシステムを構築し、徐々に喫煙の数を減らしていくのが一番でしょう。そういったことを考えるのが、この項目です。
 

評価・改善の必須項目について

1.(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供<中小規模法人>

この項目は、中小規模法人のみに課せられているものです。また、健康経営の認証基準の必須項目でもあります。

この項目は選択式になっており、下記のどちらかができていれば適合となります。
 ・保険者に対し、従業員の40歳以上の健康診断データを提供していること
 ・保険者からの求めに応じ、40歳以上の従業員の健康診断データを提供する意志表示を保険者に対し行っていること

項目名に「求めに応じて」とあるため、求められていない場合もあります。ですが、チェック項目で求められたときにはすぐに提出できる意思表示をしておくことが必須です。

また、事業所内に40歳以上の従業員がいない場合で、今後も40歳以上の従業員が入社してくる予定もない場合に限り、そのことを備考欄に書いておけば適合になります。ですが、現在39歳の従業員がいる場合には、翌年からは求めに応じて提出する義務が発生するので、従業員の年齢把握をしておきましょう。

40歳以上の従業員の健診データを見ることで、その事業所がどれだけの健康管理をしてきたのかの把握をすることもできます。健康経営の評価・改善の項目でもあるということを、十分に意識しておきましょう。
 
2.健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施<ホワイト500、大規模法人>

この項目は、中小規模法人にはない項目です。大項目は評価・改善であり、認証基準の中でホワイト500、大規模法人ともに必須項目となっています。認定基準に書かれていた項目で適合になったものや、実際に改善を実施したものに対しての結果と、それらに対する改善案をここで改めて書くことになります。

健康経営は、専門家の介入を必要としていますが、それでも行った施策のすべてが100%成功するとは限りません。そのため、この項目で評価と改善を行い、さらに従業員の健康を考えた施策を打ち出せるようにしています。

この項目を適合させるには下記の2つを行う必要があります。
 ・施策の効果検証を実施
 ・健康経営の効果検証を実施

これにより、企業としてもどれだけ健康経営ができているのかの把握ができます。

法令遵守・リスクマネジメントの必須項目について

<ホワイト500、大規模法人、中小規模法人>
この項目は、ホワイト500、大規模法人、中小規模法人全てにおいて記されているものです。また、どの規模の企業であっても必須項目となっています。

「法令遵守・リスクマネジメント」は基本的に、健康経営を行っていなかったとしても、企業内で行っていてほしいとされる項目でもあります。そのためこの項目は、一般企業の手本となるような企業になるためのものという見方もできます。

この項目を適合にするためには、4つの事柄について行う必要がありますので、それらを個別に説明いたします。

1.定期健診の実施

ここでいう「定期健診」とは、労働安全衛生法第 66 条に基づいた健康診断を行っていることを指します。一般的な定期健康診断の項目については以下のとおりです。

 1. 既往歴及び業務歴の調査
 2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
 3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
 4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
 5. 血圧の測定
 6. 貧血検査 (血色素量及び赤血球数の検査)
 7. 肝機能検査(GOT(AST)・GPT(ALT)・γ-GTP の検査)
 8. 血中脂質検査(LDL コレステロール・HDL コレステロール・血清トリグリセライドの量の検査)
 9. 血糖検査
 10.尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
 11.心電図検査

ただしこれらは、すべての従業員に行わなければいけないものではなく、年齢やその人の状況によっては受けなくてもいい項目もあります。ただし、年齢だけで機械的に排除できるわけではなく、医師が必要とする場合は、該当の年齢ではなかったとして設けなければいけません。
 

2.健保等保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施

ここでいう「保健指導」とは、労働安全衛生法第 66 条の 7 にある通り、事業者は健康診断の結果により、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければいけません。また労働者は、健康診断の結果及び保健指導を利用して、その健康の保持に努めることも求められています。

また、「特定健診」と「特定保健指導」についても簡単に説明します。
■特定健診とは
国民の健康保持・増進と医療費適正化の観点から、40 歳から 74 歳までの医療保険加入者を対象に行う、高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病に関する健康診査のことです。

■特定保健指導とは
特定健診の結果から、血圧、血糖、脂質、喫煙といった生活習慣病のリスクに応じ階層化し、健康の保持に努める必要がある人に対して、保健指導に関する専門的知識及び技術を有する者(医師・保健師・管理栄養士等)が行う生活習慣を改善するための保健指導のことを指します。

保険者は高齢者の医療の確保に関する法律第 20 条の規定によって、40 歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行うものです。また、同法第 24 条の規定により、特定保健指導を行うものとされています。ただし特定健診については、加入者が特定健診に相当する健康診査等を受け、その結果を証明する書面の提出を受けたとき等は、この限りではありません。書面によって行っているという判断をすることができます。
 

3.50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施

ここでいう「ストレスチェック」とは、企業が独自で作ったものではなく、労働安全衛生法第 66 条の 10 に基づき、従業員 50 人以上の事業場における医師、保健師、その他厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)のことです。

ストレスチェックは、項目についても労働安全衛生法で定められています。実際にはどうやって進めていくかというと、ストレスに関する質問票(選択回答)に従業員が記入し、それを集計・分析することで、各自のストレスがどのような状態にあるのかを調べるというのが流れです。

労働安全衛生法の改正により、2015 年 12 月から、従業員が 50 人以上いる事業所では、毎年1回、この検査を全ての従業員に対する実施が義務付けられていますが、実際には行っていない企業も多数あるのが現実です。
また、質問票の回答のみならず、高ストレス者に対する医師の面接指導まで行って初めて、ストレスチェックを行っていると言えます。ただし、契約期間が1年未満の従業員や労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の従業員は対象外です。
 

4.従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと、など

法令に対して重大な違反を犯していないかのチェックも、この項目には含まれています。下記が健康における重大な事柄です。

 ①労働基準法、労働安全衛生法等の従業員の健康管理に関する法令に係る違反により、「送検されている」「行政機関により法人名が公表されている」「是正勧告を受けたが是正措置を講じていない」など。
 ②長時間労働等に関する重大な労働基準関係法令の同一条項に、同一の事業場において是正勧告書で繰り返し指摘されていること。
 ③違法な長時間動労を繰り返し行う企業の、経営トップに対する都道府県労働局長による是正指導の実施に基づいて、企業名が公開されていること。
 ④労働安全衛生法第 78 条又は第 79 条に基づき安全衛生管理特別指導事業場に指定されていること。また、「保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施」については、申請年度の実績において実施率が0%でないことを要件とし、適否の確認については申請法人の主たる保険者において行うもの。

とされています。
また②の中にある「長時間労働等に関する重大な労働基準関係法令」とは、具体的に言うと「労働基準法第4条、第5条、第 15 条第1項及び第3項、第 24 条、第 32 条、第 34 条、第 35 条第1項、第 36 条第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る)、第 37 条第1項及び第4項、第 39 条第1項、第2項、第5項、第7項及び第9項、第 56 条第1項、第 61 条第1項、第 62 条第1項及び第2項、第 63条、第 64 条の2(同条第1号に係る部分に限る)、第 64 条の3第1項、第 65 条、第 66 条、第 67 条第2項の規定並びに第 141 条第3項(労働者派遣法第 44 条(第4項を除く)の規定により適用する場合を含む)及び最低賃金法(昭和 34 年法律第137 号)第4条第1項」のことです。

これらに当てはまっていると、健康経営の認定を得ることはできませんので、ご注意ください。
 

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