• 健康づくり責任者
  • 2020.03.23

健康経営は「健康のため」だけから「経営のため」へ

  • 株式会社ディー・エヌ・エー
    CHO室
  • 平井孝幸
  • 健康づくり責任者
  • 2020.03.23

健康経営は「健康のため」だけから「経営のため」へ

  • 株式会社ディー・エヌ・エー
    CHO室
  • 平井孝幸
目次

健康経営優良法人顕彰制度について

健康経営優良法人顕彰制度健康経営優良法人顕彰制度については、「健康経営」という言葉の認知度を上げるという意味では大事な役割を担っていると思います。

日本の企業には、「健康経営」という言葉を知らない人が多いのが現状です。そんな中、健康経営優良法人顕彰制度を推進しますと声を大にしていれば、いずれは多くの企業が知ることとなり、そこに向けて努力を始める企業も出てくるのではないかと期待しています。

その一方で懸念していることもあります。
それは、健康経営優良法人顕彰制度の認証を取ることを目的として動いてしまう企業が出てくるかもしれないことです。

そもそも「健康経営」は、ベストな健康な状態でパフォーマンスを発揮するために施策を考えるものです。認証を取ることだけを目的にしてしまうと、働く人たちにとって全く意味のない施策だけが施行されてしまう可能性もあります。そのあたりを今後どうするのかが気になるところです。

認証企業に与える影響(効果等)と認証企業で働く従業員が得られるベネフィット

ベネフィット認証を取ることで有力な人材を手に入れやすくなったり、新卒採用時に有利になったりなどの効果を謳っていますがが、まだあまりイコールにはなっていない印象です。

それは、私が認証企業だけが「健康経営」をしているわけではないと考えているからです。認証企業でなくても、健康経営をしている会社は外資系などを中心に存在しています。

新卒者や転職者が、いわゆるホワイト企業を探しているのであれば、職場環境やインナーコミュニケーション施策に注目すると思います。認証がついているかどうかではないと思うのです。そうではなく、この企業では従業員の健康に対してこういうことを行っているということを会社説明会なりで想いと共にしっかりと話をすれば、それが候補者に届くでしょうし、そこが最大の入社理由となり得るのではないでしょうか?

健康経営優良法人顕彰制度というのが、現段階では企業人事、総務、医療従事者は知るようになってきていても、転職者や新卒者にまではそれほど浸透していないのではないか、とも感じています

健康経営に取り組んだ理由

健康経営に取り組んだ理由私が社員の健康サポートに取り組み始めたのは2015年の春です。

所属している株式会社ディー・エヌ・エーは、働いている人が若いというのが特徴です。それは一見、健康面で何も問題ないように思われがちです。でも、彼らの多くが、私も普段から心がけている、よい姿勢を心がけることや起床時間を揃えることなどを気に留めていないとわかった時、本当にこのままでいいのだろうかと考えるようになりました。

当時、私は人事部にいたこともあり、多くの従業員と接していました。ただ個人の健康についてのことなので、会社として何かをするということはありませんし、プライベートなことに口出しをするのはどうなのかという気持ちもありましたが、目をつぶったままでいることはできないという気持ちが勝り行動にうつしました。

もとから健康増進活動により働く人のパフォーマンスを上げることはできるのかということに関心を持っていたため、独学で勉強を重ねていました。そうした視点で、社員たちの歩いている姿を見ていると、体に不必要な負担をかける歩き方をしていたり、猫背の人がいたり、そういう人に限って腰痛で悩んでいたり、肩こりがひどかったりする人が多いことがわかったのです。

そこで考えたのが「背筋が伸びるゴムチューブ」。これを自分で作りました。

普及していく背筋が伸びるゴムチューブ

初めはまず、自分で装着して効果があるかを検証しました。ゴムチューブで肩甲骨を引き寄せると猫背になりにくく胸を開いて歩けるようになるだけではなく、肩こりも軽減した感じがしました。

これなら他の人にも試してもらえると思い、興味のある人に無償で配ったのが始まりです。無償で受け取った人は、みなすぐにゴムチューブを装着してくれて、さらに色々な意見をもらいました。

女性社員からは、これを装着することで姿勢もよくなるし、身体も温まる気がするという意見もいただき、ある程度、効果が見込めそうだなという自信が持てました。
そうしている間に、社員の中でこのゴムチューブのうわさが広まっていき、「これってどこで売っているの?」とか「お金を出してでも欲しい」などと言われるまでに。

グッズにすれば売れたかもしれませんが、無償で配るということを続けたからこそ、今のように広がっていったと私は思っています。

「健康経営」という言葉と出会う

そんな時、経済誌で「時代は健康経営」という特集記事を読み、すでに自分と同じような視点で動き出している企業があることを知りました。私の場合は、「健康経営」の価値や重要性を知ってから始めたわけではなく、偶然行っていた活動が「健康経営」だった、という方が正しいですね。

この経済誌との出会いのおかげで、私の活動の方向性やゴールイメージを再認識しましたし、会社の役員にも理解を得られやすくなったと思います。

数値的な効果の図り方

数値的な効果の図り方健康経営の数値的な効果の測り方についてです。どこの企業でもそうだと思いますが、投資対効果をある程度算出できないことには、具体的な施策におとすのは難しいと思います。

その中で私は、「運動」「食事」「睡眠」「メンタル」を中心にプレゼンティズムを算出し、社員の健康をサポートすることで、健康面による生産性の損失額を減らすことができるとプレゼンしました。効果を数値で測れるようにすることで、経営者にとって関心のある投資対効果を示すことができるようになりました。

これから実践する企業に対してアドバイス

健康経営アドバイス健康経営を行うのであれば、働いている人のための施策をそのまま経営層に伝えるのは得策ではないかもしれません。経営的なメリットやシナジーをわかりやすく伝えるようにします。また中小企業では社長の理解が取れれば進められますが、大手企業になってくると社長ではなく人事責任者の了承を得るだけで進められることもあります。


まずは健康経営をするにあたって、誰の協力を得られればもっともスムーズに進められるのかを確認します。そして経営者及び人事担当が本気になってくれれば、あとは働いている人たちを観察して何が必要で、どのようなサポートをすれば行動変容を促せるのかを考え抜くことが大事です。

これから就職、転職する人たちに対してのアドバイス

健康経営は経営者や人事が重要性を理解し、働いている人たちの健康について真剣に向き合い考え実行できているかが大事だと考えています。

その会社が本当に健康経営をしているのか否かについては、人事や担当役員以外の一般社員に「御社では、どのような健康経営施策をされていますか?」と聞いてみて下さい。そこで、その方から具体的な説明があれば、その会社は本当に健康経営をしている会社ですし、聞いてみたものの説明が抽象的だったり、万が一「うちですか?」などと聞き返されるようなことがあったりした場合は注意が必要かもしれませんね。

当メディアサイト「にじいろ」に期待すること

社員が喜んでいる健康経営に取組まれている会社を取材し発信してもらうことです。

健康経営には「経営」という言葉が入っているものの、「健康」のためだけの取組みを行い、健康への感度が低い社員に健康の押し付けや不健康な行動の禁止といったことを行う事例があります。そのようなことを行うと余計なストレスにより生産性が下がるという本来の「経営」にマイナス影響を与えかねません。健康経営は、働いている人が喜ぶ取組みにより、健康増進や維持、回復を目的としたものでないといけないと思います。従業員目線に立った施策を行う企業を取材して、世の中にはこんなに素晴らしい企業がたくさんあるということを伝えてもらい、健康経営が当たり前になる流れを生み出していってもらいたいです。

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