MAGAZINE
マガジン
健康経営

健康経営銘柄の株価上昇メリットとは。選定企業の取組事例と選定基準

近年は「ブラック企業」という言葉が話題となり今までにも増して、企業イメージは非常に重要なものとなっています。そんな中「健康経営」という考えが広く普及しはじめ、2015年からは「健康経営銘柄」の選定が行われることとなりました。株価上昇などのメリットがあるとされるこの制度ですが、「よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。健康経営銘柄は、優れた健康経営を実践している東京証券取引所の上場企業から、各業種1社ずつ選定されるものです。
この記事では、そんな「健康経営銘柄」について、詳しく解説していきます。

健康経営銘柄とは

健康経営銘柄

「健康経営銘柄」とは、従業員の健康管理が企業の成長につながる投資であると考え、選定を受けた「健康経営」に優れた企業は、価値が高く魅力のある企業として投資家に紹介することで、さらなる「健康経営」の取組を行っていくことを目指すものです。「健康経営銘柄」解説する経済産業省の公式ホームページでは、以下のように説明されています。

本制度は、日本再興戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取組の一つです。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
本制度では、東京証券取引所の上場会社の中から「健康経営」に優れた企業を選定し、長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業として紹介をすることを通じ、企業による「健康経営」の取組を促進することを目指しております。

引用元:経済産業省「健康経営銘柄」

健康経営銘柄の株価への影響 

「健康経営」を実施することにより、従業員の活力が上がり生産性も向上します。
また、離職率の低下とともに、求職者からも好印象を得ることができるでしょう。さらに、企業からのイメージアップも期待でき、成長が見込める企業であると考えられるため、投資家にも魅力的に写ります。では、「健康経営銘柄」に選定されると、株価には実際にどのような影響があるのでしょうか。
まず「健康経営銘柄2017」に選定された24の企業の2015年の年初から2017年10月末までの株価パフォーマンスを参考に見ていきましょう。
この期間中の日経平均の期間騰落率は26.4%、TOPIXは26.0%で、それを上回った企業は24社中の11社となりました。ですが、24社の平均騰落率は28.3%で、日経平均を1.9%、TOPIXを2.3%上回っています。この結果を見ても、算出した期間に「健康経営銘柄」の企業に投資していた場合は、指数よりも良いリターンとなっています。また、「健康経営銘柄2016」に選定された25の企業の2016年1月から2019年1月末までの株価パフォーマンスを見てみると、「健康経営銘柄」の企業はTOPIXを大きく上回ることはできませんでした。
ですが、2019年1月末にかけて健康経営企業の株式収益率がTOPIXを上回る結果となり、長期的に見ると、株価は市場全体を上回ることが予想され、上昇傾向に推移していくでしょう。

健康経営優良法人との違い 

「健康経営銘柄」と並んで見かけることが多いものに、「健康経営優良法人」という取組があります。この、2つにはいったいどのような違いがあるのかをご存知ですか?ここでは、その違いについてわかりやすく解説していきます。

「健康経営銘柄」について

経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定し、公表することで、企業の健康経営の取組が株式市場等において、適切に評価される仕組みづくりに取り組んでいます。

引用元:経済産業省「健康経営銘柄」

「健康経営優良法人」について

健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

引用元:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」

大きな違いとしてはこのようになり、「健康経営銘柄」の方が「健康経営優良法人」に比べて、少しハードルが高く定められていますが、選定された場合のメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

経済産業省が発表した健康経営銘柄2019と取組事例

経産省

ここでは選定された企業を取組事例と併せて5社ご紹介します。

「ブラザー工業株式会社」
この企業は、主にプリンターやミシンなどを製造している電機メーカーです。

「テルモ株式会社」
テルモ株式会社は、医療機器の製造・販売の国内最大手であり、医薬品製造企業でもあります。

「株式会社ディー・エヌ・エー」
主にモバイルゲームの開発や、配信、SNS運営、電子商取引などをするインターネット関連企業です。

「ヤフー株式会社」
ソフトバンクグループの子会社で、ポータルサイトのYahoo! JAPAN運営、ネットオークション事業などを展開する企業です。

など

「株式会社ワコールホールディングス」
株式会社ワコールホールディングスは、女性用下着を主力とする衣料品メーカーです。

など

健康経営銘柄の選定基準

健康経営銘柄の選定基準

「健康経営銘柄」選定基準は以下のようになっています。

この3つの基準を満たしている企業の中から、33業種毎で原則1社が選定されます。
該当する企業がない場合は、その業種からは選ばれません。また、東京証券取引所に上場している企業のみが対象で、TOKYO PRO Market上場会社は対象外です。
そして、経済産業省が公開している「「健康経営銘柄2019」の選定方法について」を見てみると、以下のような評価も行われるようです。

ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上の企業
を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。
昨年度回答企業に対しても一定の加点を行う。
社外への情報開示の状況についても評価を行う

引用元:経済産業省「健康経営銘柄」「健康経営銘柄2019」の選定方法について

まとめ

「健康経営」に取り組んでいる企業は、他の企業や求職者、投資家からの印象が良くリスクマネジメントにもつながるでしょう。そして、原則1業種1企業のみが認定される「健康経営銘柄」に選ばれた場合は、中長期的な視点から見て企業の生産率や企業価値、株価が上昇するなど、とても大きなメリットがあります。健康経営銘柄に選ばれた企業の取組事例なども参考にしながら、「健康経営銘柄」認定を目指してみてはいかがでしょうか。

RELATED MAGAZINE

関連マガジン

マガジン一覧へ
CONTACT
お問い合わせ
掲載内容や取り組みに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。