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  • 2020.07.03 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営のメリットを紹介!増進すればやりがいのある職場作りが可能?

目次

健康経営のメリットは、医療的なことに限らない

健康経営は、従業員の健康管理をも経営的な課題として捉える考え方のことです。

従業員の健康状態が悪ければ、仕事での集中力が低下して休みが増えます。病気での退職が増えれば、会社のイメージダウンにも繋がるのです。

逆に、従業員が健康な職場の場合、以下のようなメリットが得られます。
  • 医療費が抑えられる
  • 欠勤する従業員が減る
  • 作業の効率が上がる
  • 従業員のモチベーションが上がる
など。

「作業の効率が上がる」や「従業員のモチベーションが上がる」など一見、健康とは関係の無さそうな項目があるのに気づきましたか。健康経営を行うことのメリットは、医療的なことだけとは限らないのです。

ここからは、職場にやりがいを感じることと深い関係のある、モチベーションについて解説します。

モチベーションについて

モチベーション

モチベーションとはどういう意味?

モチベーションは、人が行動を起こすことに繋がる要因という意味があります。だから、仕事で「モチベーションが高い」というのは「業績を上げるために積極的に動いている状態」ということです。

すなわち、モチベーションとやりがいには大きな関係があります。やりがいを感じられる仕事内容なら、評価や業績を上げるためにもっと頑張ろう!と思えますよね。

モチベーションには、以下の2種類があります。

内発的動機づけ・・仕事そのものに基づいた動機づけのこと。仕事に対して持っている興味から出て来る達成感ややりがいなど。

外発的動機づけ・・仕事そのものとは直接関係の無い動機づけのこと。給料が上がったり、昇格したりといった評価から生まれる達成感ややりがいなど。

モチベーションが下がる原因は何?

仕事において、従業員のモチベーションが下がってしまう原因には、以下のようなものがあります。
  • 刺激を感じない
  • 仕事で達成感が得られない
  • 睡眠不足である。心身が疲労している。
  • 賃金と労働内容が合っていない
  • 人間関係が良くない
業務をしていて、刺激を感じなければモチベーションが下がってしまいますよね。でも、仕事にやりがいを感じていたり、新しい業務を任されたりすれば刺激を感じるでしょう。

毎日同じ業務を繰り返している場合に起きるのが、仕事での成果や達成感を得られないケースです。業務を行っていて、達成感を感じにくい状態がつづけば「自分は、どうしてこの仕事を続けているのだろう」と虚しく感じるときがありますよね。

そんな中でも、ときどき自分の行っている業務を褒めて貰えたり評価されたりすれば、やる気も出て頑張ることができるでしょう。

でも、そんなことがなく仕事で達成感を得られない状態が続いたら、仕事に対するやる気もなくなります。そのまま、仕事で喜びを感じることがなければ仕事を苦痛に感じるところまで進んでしまうこともあるのです。

睡眠不足であり、心身が疲れ切っていれば仕事に対するモチベーションは下がります。身体がだるい日は、体調の良い人は異なり動きが鈍くなりますよね。そんな日は、モチベーションもやる気も下がっているのではないでしょうか。

睡眠不足の場合でも、同様の状態に陥ります。睡眠の質は、身体の健康や生産性に直接関わるので健康経営の大切なポイントなのです。

また、賃金と労働内容が合っていない場合も、モチベーションを維持するのが難しく感じます。何度か転職の経験がある方なら、よく知っているのではないでしょうか。

睡眠不足や心身の疲労など健康と直接関わることが、モチベーションを下げる原因になるのです。

職場の人間関係が悪いことも、モチベーションや、やる気が下がる大きな原因。肉体的にしんどい業務であっても、人間関係が良い職場にいられれば「もう少し頑張ってみよう」という気持ちが出ますよね。

でも、人間関係があまり良くない職場にいれば業務がはかどりにくいと感じた人も多いのではないでしょうか。モチベーションと人間関係には、深い関わりがあるのです。

あなたが時間をかけて行った業務に対して、褒めてくれる同僚や上司がいるような職場なら、仕事も楽しくなるもの。でも、苦手な人と毎日顔を合わせる場合や、常にネガティブなことをいう人がいる職場に勤めている場合はモチベーションが下がりますよね。

従業員のモチベーションが上がるメリット

では、健康経営を増進した結果従業員のモチベーションが上がれば、どのようなメリットがあるのでしょうか。
  1. サービスの質と労働生産性がアップする
  2. いろいろなトラブルやリスクの可能性が低くなる
  3. 離職率が下がる
モチベーションが高い従業員は、顧客や取引先のことを考えて行動するようになります。そのため、サービスの質がアップするのです。

従業員が自ら業務の効率を上げるために工夫をしたり、ほかの社員とも協力したりするので仕事の質も上がるでしょう。その結果、労働生産性もアップします。

モチベーションが高くなると、仕事に対する責任感も強くなるのです。これまで以上に、ミスをしないように注意を払うのでいろいろなリスクの可能性が低くなりますよ。

また、従業員1人ひとりが仕事に対して責任感を持つようになれば、会社にとって重大なミスが起きる可能性も低くなるのです。

モチベーションを高めれば、従業員の定着率が上がります。実は、転職の理由として仕事へのモチベーションはよく取り上げられているのですよ。そのため、仕事に対するモチベーションが上がれば離職率を下げられます。

仕事における「やりがい」とは

やりがい 物事にたいして、手ごたえを感じたり充足感を感じたりすることをやりがいと言います。ですから、仕事におけるやりがいとは、仕事に対して手ごたえや充足感を感じている状態のことですね。
仕事にやりがいを感じるには、以下の点が大切です。
  1. 仕事を楽しいと思える余裕がある中で、業務内容にも満足感を得られる
  2. 仕事の成果に応じて評価が貰えて、給与アップも見込める
  3. 仕事とプライベートのバランスが良い
あなたが、たとえ仕事内容自体に満足していても残業が多かったりストレスがかかり過ぎていたりすれば、仕事を楽しむ余裕なんてありませんよね。

それに、あなたが時間をかけて行った業務に対してふさわしい評価や報酬が得られなかった場合、仕事に対して不満が募っていきます。

仕事自体はとても充実していて、業務内容にも満足しているけれどプライベートでほとんど休めないようであれば、ストレスもたまっていきますよね。

睡眠不足が招く5つのリスクを紹介!

リスク 睡眠不足だと、モチベーションが維持できなくなると解説しました。それだけではなく、身体にさまざまな不調が起きます。ここでは、睡眠不足ではどんなリスクがあるのか紹介しましょう。
  • ストレスが増える
  • 集中力が下がる
  • 疲労感や倦怠感を感じる
  • 様々な病気にかかりやすくなる
  • 体臭が強くなる

ストレスが増える

人は睡眠不足になると、ストレスを感じやすくなると言われています。睡眠が不十分だと、脳の機能が落ちてストレスに弱くなるのです。

睡眠は、1日しっかりと働いてくれた脳を休ませるために必要なものですよね。だから、睡眠不足になると脳の働きが乱れるのです。

脳の働きが乱れた結果、ホルモンや自律神経のバランスも乱れるのです。ストレスと戦ってくれるホルモンで、「副腎皮質ホルモン」というホルモンをご存知ですか?

このホルモンには、朝に1番多く分泌されて、深夜には1番低くなるという分泌リズムがあります。つまり、生活習慣が乱れて睡眠不足になるということは、ストレスに弱い体を自分で作っている状態なのです。

集中力が下がる

睡眠不足は、ストレスを感じやすくなるだけではなく、集中力が下がる原因でもあります。それ以外にも、覚えていた物事を思い出したり新たに情報を覚えたりすることが難しくなるのです。

そうなれば、業務で重大なミスを起こしてしまったりコミュニケーションの質が下がったりします。

人とコミュニケーションが取りにくいぐらいなら、まだいいかもしれません。しかし、事故やケガに繋がることがあるので注意する必要があります。睡眠不足は、反射神経を鈍らせる原因でもあるのです。

特に、機械の操作や車の運転で起こりがちです。だから、寝不足の日はできるだけ機会の操作や車の運転は控えた方が良いでしょう。

疲労感や倦怠感を感じる

食事をしたり、入浴したりすれば疲労感はある程度回復可能です。でも、疲労回復に1番良い方法はやっぱり、きちんと睡眠をとること。

たとえば、スポーツで使われた筋肉の疲労や損傷などは睡眠時に回復されるのです。睡眠が不十分だと、疲労感や倦怠感を感じます。それらはやる気にも影響し、やる気が出ない状態になるのです。
 

様々な病気にかかりやすくなる

睡眠不足が、不安や苛立ちなどの原因で起きた場合うつ病になるケースがあります。根本的に改善したいなら、悩みや不安を解消することがたいせつです。でも、十分な睡眠が取れるようになったら悩みや不安の解消に繋がりますよ。

先ほど、睡眠不足が記憶力に影響するとお伝えしました。これは、睡眠不足によって海馬という脳の記憶を司る場所が縮小するからですが、悪化すればアルツハイマー型認知症を発症するリスクがあるのです。

睡眠不足で脳の機能が低下すると、食欲増進ホルモンが増えるので甘い物が食べたくなります。これによって、肥満になるなど睡眠不足は様々な病気にかかりやすくなることを覚えておきましょう。

体臭が強くなる

睡眠不足によって、不規則な生活リズムやバランスの悪い食生活を続けると、体臭が強くなります。皮脂の分泌が活発になるので、これが臭いの原因となるのです。

また、悪臭の原因である乳酸やアンモニアなどの物質が濃い濃度で汗に含まれます。これにより、さらに体臭が強くなってしまうのです。睡眠が不十分だと、ストレスが増えます。実は、そのことも体臭に影響しています。最近、体臭が気になってきたと感じる人は睡眠不足ではないか考えてみてください。

健康経営における睡眠の考え方とは

睡眠

日本は「不眠大国」と呼ばれている

日本は、しばしば「不眠大国」と表現されることが多いです。「寝るつもりで、電気を消して布団に入ったけれどもなかなか寝られない」「夜に十分睡眠できないので、仕事中眠気に襲われる」こんな経験のある人は多いのではないでしょうか。

日本は、OECD加盟国の中では平均睡眠時間が1番短いうえに、現在もなかなか改善が進んでいません。20歳から59歳までの、およそ3割が睡眠不足だと言われています。

日本は、睡眠に対する理解がある国だとは言いにくいのが現状です。日本人は、不眠だと感じていてもなかなか病院を受診しません。

しかし最近、「睡眠負債」という言葉の登場をきっかけに、ようやく日本人が睡眠不足に関心を持つようになってきたのです。これはほんの3年前、2017年のことです。(2017年に、「睡眠負債」という言葉がユーキャン新語・流行語大賞でランキング入りした)

睡眠負債とは?
睡眠不足を借金にたとえた考え方。睡眠不足が、借金のようにどんどんたまっていくといろいろな身体の不調を引き起こすもとになる。
睡眠時間を7時間から8時間とっている人より、6時間以下の人は死亡率が2.4倍も高くなると言われている。
睡眠負債がたまれば、死亡のリスクがあるうえに交通事故を起こす確率も高くなる。

質の良い睡眠を取るには、以下の行動がたいせつです。
  1. 起きたら、すぐにカーテンを開けるなどして太陽光を浴びる。体内時計がリセットできる。
  2. 睡眠の90分前後に入浴をする。
  3. 朝起きたら手を冷やす。活動スイッチが入る。
  4. 夕食は、睡眠の1時間前までにすませる。
  5. 寝る前はスマートフォンを利用しない。また、なるべく考えごとをしない。
  6. 寝室を快適に保つ。照明を落として、快適な室温にする。

企業が行っている取り組みとは

健康経営という考え方が出てきて、従業員の睡眠不足を改善していこうと取り組む企業が増えつつあります。

研究によって、従業員が出勤しているにもかかわらずメンタルヘルスや体調の不調が原因によるパフォーマンスの低下があった場合、生じる損失はおよそ34万円に達していました。

不眠は、その中で2番目に多い要因だったので、無視できない課題だと言えますね。

企業は、長時間労働を改善することによって従業員の睡眠改善をしていこうと試みます。労働時間が長くなれば、睡眠不足に陥りやすいです。だから、長時間労働を改善すれば睡眠不足も改善されるだろう、と考えたのでしょう。

とはいうものの、長時間労働の改善という間接的な取り組みだけでは睡眠不足の改善は難しいのです。さきほどもお伝えした通り、睡眠不足とストレスは深い関りがあります。

通勤時間の短縮のために在宅勤務を導入したり、職場でのストレスを減らしたりといろいろな視点から改善することが必要なのです。従業員ごとに生活環境も異なるため、もっと細やかな対応が必要になります。

しかし、睡眠不足を改善するために動き始めている企業もありますよ。ウェディング事業を展開するCRAZYは、「睡眠報酬制度」という制度を取り入れました。

睡眠報酬制度は、「1週間の中で6時間以上の睡眠を5日間とりましょう」というルールのもとで行われています。

この数字は、適正な睡眠時間だけじゃなく従業員のプライベートや仕事のことも考慮して出された数字とのことです。

人には、長時間睡眠が必要なロングスリーパーの人と、短い睡眠時間でも健康に生活できるショートスリーパーの人がいます。

なんと、これらの人にも配慮があり、どちらかに該当する人は自己申告してもらうようにしているのです。

どうして、この「睡眠報酬制度」を考え付いたのでしょうか。

働く時間を制限されずに働きたい人もいれば、働く時間を制限・管理された方が良いという人もいます。だから、「管理の仕方を逆転させたら面白いのではないか」と思い、働く時間を管理するのではなく睡眠時間を管理することを考え付いたのですね。

でも、人間は「強制的にやらされている」と感じると嫌になってしまいます。だから、決して押し付けたり強制したりはしていません。

そのため、睡眠時間が少なくなった人に対して罰則があるような制度ではないのです。この制度の素晴らしいところは、「眠りたくない人の権利」もきちんと守られているところにあると考えます。

近年ブラック企業が話題になりましたから、「従業員の労働時間を減らそう」という取り組みを行う企業は増えているのです。

しかし、現在は仕事や働き方が多様化しています。そのため、プライベートと仕事の分け目があいまいになっているのです。今後はよりいっそう、従業員ごとに健康管理を配慮する取り組みが求められることになるでしょう。
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