• 働き方改革
  • 2021.07.21

海外のワークスタイルと比較。日本企業に働き方改革が求められている理由とは

目次

働き方改革について

sky働き方改革とはそもそもどのような概念を指すのでしょうか。
この章では、働き改革について確認していきます。

働き方改革とは

働き方改革とは、「従業員がそれぞれの都合に合わせて多様でフレキシブルな働き方を選択できるような職場づくりを目指すこと」です。ニュースや新聞などでも「健康経営」や「働き方改革」などのキーワードを目にすることが増えたのではないでしょうか。

特に国内における雇用の約70%を担っている中小企業・小規模事業者での取り組みが求められています。魅力的な職場環境を作ることで、人材不足解消に繋がるだけでなく、業績の向上が期待できるためです。

厚生労働省が提供している働き方改革についての動画を紹介します。
 
それでは、働き方改革への取り組みが求められるようになったのはどうしてでしょうか。働き方改革が求められるようになった背景について紹介します。

働き方改革が必要な理由

働き方改革が求められている大きな理由の一つは「生産年齢人口の減少」です。生産年齢 人口とは、生産活動を中心となって担う人口を意味します。現在は、この生産年齢人口が「少子高齢化」に伴って減少しているのが実情です。

しかし、日本が抱えている課題の「長時間労働」が解決されないと、子育てと仕事の両立が難しく、退職率は改善されません。そのため、個人に合わせた働き方を整備することで、生産年齢人口を低下させずに、国内の経済活動を発展させることが可能になります。

働き方改革を実施する目的は以下の記事で詳しく解説しています。

 

働き方改革の目的とは。関連法案と中小企業への導入方法

海外から考える日本の働き方における問題点

time海外と比較した際に、日本のどのような点が問題として挙げられるでしょうか。
この章では、日本の働き方における問題点について紹介します。

労働時間

OECDによる調査では、2018年の時点で日本の年間労働時間は「1680時間」です。世界平均が「1734時間」となっているため、他国と比較すると日本の労働時間は少ないように見受けられます。しかし、この数値はサービス残業分は含んでいないだけでなく、パートタイムやアルバイト等の雇用形態も含んだ数値です。

そのため、日本における労働時間が少ないと一概には言えません。実際に、2018年のエクスペディア・ジャパンによる調査だと、日本人の有給休暇取得率は3年連続で「19ヵ国中最下位」という結果になっています。このように、有給を取りづらい職場環境も問題視されているのが現状です。

女性管理職の割合

国際労働機関が行った調査によると、2018年の時点で世界全体の女性管理職の割合は「27.1%」でした。日本国内における女性管理職の割合は、わずか「12%」です。フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダで構成されるG7の中でも、最下位の数値でした。

また、日本における女性役員の割合が3.4%であるのに対し、フランスの割合は37%となっています。2015年には、女性活躍促進法が施行されましたが、依然として女性の働きやすい環境づくりはなされていません。育児のことを考えると、どうしてもキャリアを築くのが難しいと感じている従業員が多く存在します。

労働生産性

労働生産性とは、従業員数や時間などの労働力に対して生まれた売上や付加価値などの成果を示す指標です。この労働生産性が高くなれば、従業員が効率よく勤務できているということになります。日本の労働生産性は先進国の中で最下位レベルです。

すでに問題視されている長時間労働や労働集約が原因で、従業員の作業効率がなかなか向上しない環境になっています。労働生産性を向上させるためにも、ワークライフバランスの見直しや働き方の改善が求められているのです。

フリーランスの割合

世界と比較すると、日本におけるフリーランスワーカーの割合は低いことが明らかになっています。日本は正社員志向が強いため、フリーランスという働き方がまだまだ受け入れられていないためです。2019年の「小規模企業白書」によると、日本のフリーランスの割合は全体の7%程度となっています。

2017時点でアメリカにおける就業人口に対するフリーランスの割合は約35%となっており、日本と比較しても高いことがわかります。フリーランスの働き方がもっと日本社会で受容されることで、場所や時間に囚われずに働けるフリーランスの割合が高くなるのではないでしょうか。

海外が行っている働き方事例

business海外が行っている働き方事例を紹介します。

アメリカ

多様な人々が共生する社会であるアメリカは、セクシズム(性差)やレイシズム(人種差別)に対する意識が高い点が特徴的です。ダイバーシティマネジメントの概念もアメリカで誕生しました。

例えば、世界的に有名な企業のGoogleは、アンコンシャスバイアスに関する教育を行なっています。無意識のうちに生まれる偏見に対して、対話やロールプレイを通して気づきを与えるためです。多様な人材が活躍できる職場を目指すためにも、日本企業にもダイバーシティマネジメントが求められています。

オランダ

オランダは「フレキシブルワーク先進国」とも言われるほど、柔軟な働き方が認められている国です。テレワークだけでなく、週3日勤務などの働き方が行われています。また、育児に関しても性別を問わずに協力的に行われる傾向があり、「子供が世界一幸せ」と称賛されているほどです。

非正規雇用者の社会的地位も、正規雇用者と同等に扱われ、ワークライフバランスの取れた働き方が受容されています。

ドイツ

ドイツは労働時間が短い働き方が特徴的な国です。ドイツの法定労働時間は1日8時間と定められており、1日10時間を超えて従業員を働かせてしまうと、経営者個人に対して罰金が課されます。

また、残業をした分を「労働時間口座」に記録しておくことで、まとまった休暇の取得が可能です。さらに、ワークライフバランスを実現した企業に対して評価を与える制度が整備されており、働き方改革への取り組みも前向きに行われています。

ベルギー

ベルギーはワークライフバランスが取れている点が高い評価を集めている国です。世界的に週間労働時間は40時間である場合が一般的ですが、ベルギーは上限を38時間に定めています。また、正規雇用者は年間20日に及ぶ有給休暇の取得が可能です。

さらに、勤続2年以上の労働者に対して「タイムクレジット制度」が適用されます。タイムクレジット制度とは、理由を問わずに勤務時間を短縮できる制度です。現在ベルギーは長時間通勤が問題視されているため、テレワーク導入の取り組みも積極的に行われています。

イギリス

イギリスはワークライフバランスを重視している国の一つです。大手企業が協力して「Employers for Work-Life Balance」と呼ばれる団体も設立され、ワークライフバランスの推進に対する取り組みが行われています。2013年に行われたWLB調査によると、97%の職場でフレキシブルワークが実施されていることが明らかになりました。

イギリスにおける最大手のインターネットプロバイダーであるBT社は、「アジャイルワーキング」の活用や、ポータルサイト「Family and You」の開発を行なっています。アジャイルワーキングは、技術を活用して従業員が自由な場所で働ける制度です。また、Family and Youの導入によって、女性従業員が出産後に職場復帰を果たした割合は97%を超えます。

フランス

2017年8月にフランス政府が施行した改正労働法では、従業員がテレワーク就労を行える権利を保証することが明記されています。フレキシブルワークの取り組みを積極的に行なっているフランスですが、以前は日本と同様に「出社していないと働いていると見なされない」プレゼンティズムの風潮がありました。しかし、技術の発展に伴ってテレワークの働き方は世間に浸透するようになったのです。

スウェーデン

スウェーデンは「6時間労働制」が導入されているなど、長時間労働に対する取り組みが行われている国です。男女均等への取り組みも積極的に行われており、従業員は最長で480日間の育児休暇を取得できます。また、残業の割合はわずか1%とワークライフバランスが実現された働き方が特徴的です。

フィンランド

フィンランドは、多くの従業員が8時から働き始め、16時には勤務を終えて帰宅する働き方が注目を集めている国です。コロナウイルスが蔓延する前から、テレワークは一般的に行われており、30%以上は在宅勤務を行なっていました。

また、夏休みは1か月以上取得できるなど、しっかりと休むことで業務の生産性を高めるビジネスモデルを実現しています。幸福度の高さからも、理想的なワークライフバランスを実施できていることが分かります。

ノルウェー

管理職などにおける女性の割合や、男女間における所得から算出するジェンダーエンパワーメント指数において、日本が57位であるのに対し、ノルウェーは2位を誇ります。ノルウェーは世界的にも女性の社会進出が進んでいる国です。

組織の構成員における4割は、優先的に女性に割り振られる制度の「クオータ制」を取り入れており、国会においても4割以上が女性議員で構成されています。また、父親の育児休暇の取得率は9割以上に及びます。

まとめ

今回の記事では「日本における働き方の問題点とは」「海外から学習するべき働き方改革の在り方とは」と疑問をお持ちの経営者や人事担当者に向けて、海外と日本を比較しながら働き方改革について解説しました。現在、少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴って、柔軟な働き方ができる職場環境が求められています。労働時間、女性管理職の割合、労働生産性など、働き方における問題点は様々です。日本国民が働きやすい環境を実現するために、海外が行っている働き方の事例を参考にしながら、新しい取り組みを行う必要があります。

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