• 健康経営
  • 2021.09.08

離職率を下げる方法とは?健康経営との関係性についてもご紹介

目次

離職率で企業が分かる

離職率 とは離職率という指標をご存じでしょうか。
求職者が企業を選ぶ際にチェックすべき項目の一つで、この数値が高いと世間的にブラック企業のように認定されてしまいます。
企業としては離職率を下げることが、求職者に対して自社はホワイトで魅力的な企業であるというアピールにもつながるため、是が非でも下げたいところです。
しかし今、この離職率が課題となっている企業が増加傾向にあり、対応に苦労しています。
今回は離職率とは何か、概要をまずお伝えし、離職率が高いことでどんなデメリットがあるのか、デメリットしかないのかなど紹介していきます。

離職率とは

離職率 原因離職率の言葉の定義は「常用労働者数に対する離職者の割合」です。
ある特定の期間の中で、全社員のうちどのくらいの人数が辞めたかを示す指標で、企業全体の離職率を調べたり、新入社員だけに限った離職率を調べたりと、求めたい数値に応じて式の変換も容易です。
「離職者数÷常用労働者数×100%」の計算式で求められます。
例えば200人の労働者がいて、そのうち5人が辞めた場合、「5÷200×100%=2.5%」となるので離職率は2.5%となります。

早期の離職はなぜ起きる?GRCとは

日本における離職率の実態ですが、全体の平均の離職率が15%前後なのに比べ、新卒入社の従業員の、3年目までの離職率が30%を超えており非常に高い数値となっています。
なぜこれほどの短いスパンで退職を決めてしまうのか、早期離職に大きな要因を与えると言われる「GRC」という言葉があります。
「Gap」「Relation」「Capacity」の略です。それぞれ見ていきましょう。

Gapは日本語でも馴染みのあるギャップそのものです。
入社前に抱いていた理想と現実の差でモチベーションが下がってしまい、仕事の成果も上がらず職場にも馴染めず、自分はこの企業には合わないと考え始めてしまい離職を選んでしまいます。

Relationは自分の上司との関係性を指します。
相談しやすいか、話しかけやすいかが大切で、頼りたいタイミングで適切なサポートが受けられないと成果もなかなか上がっていかず、自分はこの環境では活躍できなそうと思ってしまいます。

Capacityは業務量の過多、もしくは過小です。
入社間もなく、まだ仕事に慣れていない頃に他の社員と同じような仕事量では、心身共に疲弊してしまい、こんなはずじゃなかったと後悔してしまいます。
逆に指示する仕事が少なかったり簡単すぎたりしても、いつも誰でもできるような単純な仕事ばかりで、自分は期待されていないのではと疑う心理にもなりかねません。

新人を甘やかすのは違いますが、教育担当や上司の方々はこのGRCを意識して、新人と向き合っていく必要があります。
採用にも教育にも、企業は当然かなりの経費を割いています。
それらを無駄にせず、社員を長く定着させるために、各企業は早期離職の回避に全力で取り組むべきです。

離職率の高い業界とその理由

看護師 悩みではここで、全業種の平均と比べて離職率が高い業界を紹介し、その理由を挙げていきます。

宿泊業・飲食サービス

宿泊業・飲食サービス業は、全産業内で最も離職率の水準が高い業界です。
激務に対して賃金が安く、待遇の悪いイメージから慢性的に人手不足に陥っています。
さらにこの業界特有の理由として、長時間労働や、勤務形態が不規則な点も挙げられます。
飲食店は深夜営業や24時間営業、年中無休も珍しくないため、長時間労働や長期の連勤になりがちです。
宿泊業も夜勤がありますから勤務形態が不規則になりやすいでしょう。
接客の喜びが働きがいにつながることも大いにありますが、お客様からの要望に対して苦慮することも多く、長時間労働とも重なり心身共に負担が大きい仕事なのも事実です。
理想とのギャップによる離職が多く見受けられます。

教育・学習支援

学校の先生や塾の講師など、実際に学習指導を行う方だと労働が長時間になりやすく、勤務形態も不規則になり人材が定着しにくい傾向があります。
教育・学習支援業は、11時間以上残業している方の比率が高い産業として挙げられており、常態化している長時間労働こそが離職率を高める要因の一つです。
学校の先生ともなれば、最近ではモンスターペアレントという言葉も広く知られた通り、保護者の対応にも非常に神経を使います。
また部活動での指導もあり、なかなか自分の時間を取れず、授業の準備だけでないあらゆる業務に追われることになります。
この激務によって離職を考える方が後を断ちません。

医療・福祉業

医療関係者が激務というのはよく聞く話ですが、いくら給与が良くて社会的貢献度も高いとは言え、重労働かつ責任が非常に重たい仕事ばかりなため心身への負担は計りしれません。
しかも全てが高待遇という訳ではなく、介護職はその激務に対して賃金の安さが問題視されています。

どの業界にも言えることですが、労働条件や待遇が悪ければ、いくら働きがいがあっても限界があるということですね。

離職率が高いことのデメリットとメリット

離職率 デメリットではここで、離職率が高いことでどんなデメリットを生んでしまうのかを改めて見ていきます。
意外かもしれませんが、メリットと取れる部分も多少あるため、その点も併せてご紹介します。

デメリット

冒頭でも触れたように、離職率が高いとブラック企業なのかなと邪推されやすくなります。
残業が多いのでは?給与が低く、上がる見込みも薄いのでは?職場の雰囲気が悪く働きづらいのでは?などといったことが容易に想像されてしまい、求職者の辞退が増え、人材確保が難しくなります。
またここで、とにもかくにもと求職者のニーズをしっかり考慮しないまま採用してしまうと、理想とのギャップから早期離職が起こり、離職率が下がるという負の連鎖にはまります。

次に、離職率の高さが人事担当者の責任になってしまうケースがあります。
職場環境による所が多いため、決して人事担当者だけの問題ではないのですが、すぐに辞めてしまう人材かどうかを見極められなかったとレッテルを貼られ、人事担当者の評価が下がってしまうことが往々にしてあります。
自身の評価が下がることに加え、人事の方自身の心境も、いくら採用してもすぐに辞めてしまうことからモチベーションの低下は避けられないでしょう。

最後に、コスト面でも離職率によるデメリットがあります。
採用自体にも、いざ採った後の教育にも、もちろんコストが発生します。
すぐに辞めてしまえば再度求人広告を打つことになりますし、従業員が退職しない前提で考えているため、社内研修などの初期投資が必要になるでしょう。
教育に関しては、それに携わる先輩社員の時間も新人に割くことになるため、先輩社員の仕事が滞る可能性もあり、新人の人件費や研修コスト以外にも大きな影響があると言えます。

メリット

そんな中でメリットを挙げるとすれば、離職率が高いことはそこで働く方にとっては出世のチャンスが多いという点が挙げられます。
年功序列も手伝い上が詰まっていれば、当然出世するポストが空いていないため自らの出世は遅れます。
熱意ある若手なら上が空きやすくチャンスが多い職場は魅力的とも言えるでしょう。
さらに言えば離職率が高い=転職しやすいと捉えることで、それだけこの企業は転職できるだけのスキルが身に付けやすいということも言えます。
ヘッドハンティングや転職の打診をむしろ受ける可能性もありますね。

捉え方を変えれば離職率が高いことも悪いことばかりではありません。
とはいえこれは従業員目線でのメリットに過ぎないため、やはり企業からすれば改善は必要であると言えるでしょう。

離職率を下げるには?健康経営と離職率

離職率 対策離職率を下げるための対策を具体的に見ていきましょう。

採用時の情報発信

早期離職の原因で、理想と現実のギャップについてお伝えしました。
採用したい・採用されたいが双方あっても、いい事ばかりの情報提供では求職者を騙すような形にもなりますし、厳しい面も伝えてあげることで求職者もリアルに働く姿を想像でき、入社後のギャップも少なくて済みます。
求人情報だけでは分からない社内の雰囲気や、どんな同僚がいるのかなど、具体的な情報があるといいですね。

社内コミュニケーションの活発化

先に述べた「GRC」のRelationにあたりますが、上司に限らず職場の仲間とコミュニケーションを取る機会を増やしましょう。
誰かに相談しにくい環境、話しかけにくい上司がいては仕事も効率的に回りません。
定期的に1on1ミーティングを行い、社員一人ひとりから悩みや思いを吸い上げ、気持ちを軽くしてあげましょう。
座席を固定しないフリーアドレスという考え方や、社内SNSの活用なども、社員同士の活発な交流が期待できます。
いわゆる風通しのいい職場になり、転職理由の大多数である、人間関係の悩みなども減らせます。

評価制度の見直し

公平公正に評価されていなければ、会社への信頼はがた落ちです。
年功序列による給与設定や、どうしてあの人が?と思うような人が出世するのは社員のモチベーションに関わります。
その人がした「成果」に対して評価をすることが大事で、さらには評価者たる上司単独ではなく、周りの部下や同僚の声も反映した360°評価を導入し、客観的な評価を徹底しましょう。

健康経営との関連

離職者を減らすための対策は多数存在しますが、企業が「健康経営」の視点を持つことで、離職率は自然に下がっていきます。
健康経営とは、企業が社員の健康を保つサポートをすることで、それが企業の成果にもつながるという考え方です。
ここでいう健康とは身体の健康はもちろん、メンタル面のケアも指し、社員がストレスなく働けるように、企業が社内ルールを整備したうえで社員に働きかけることが大切です。
先ほど述べた社内コミュニケーションの改善や、公正な評価制度の見直しは健康経営の観点からも非常に重要で、これらのおかげで社員の働きがい、仕事へのモチベーション向上につながっていきます。
健康経営と離職率は密接に関係しているため、離職率に悩む企業はまず健康経営を学ぶことをおすすめします。

まとめ

従業員 退職今回は離職率について紹介しましたが、現代ではほとんどの企業が共通の課題として抱えているのではないでしょうか。
分かったのは、離職の原因は大体が企業側にあるということです。
求職者のニーズ、どんな働き方を想像しているかを採用の段階でしっかりヒアリングをし、入社後のギャップを極力減らせるように、採用担当は意識しましょう。
そしてそもそもですが、企業の体質改善は必要不可欠な観点です。
働きやすい職場になっているだろうか、みんな不満は抱えていないだろうか、社員の思いを定期的に吸い上げてそれをしっかり反映することが大事です。
聞いて終わりでなく、行動に移しましょう。
一緒に働く仲間と正面から向き合い、大切にしていきましょう。

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