• 健康経営
  • 2021.11.03

非正規雇用の健康課題とは?健康経営での解消法についてご紹介!

目次

社会を支える非正規雇用

非正規雇用 問題現代日本において、アルバイトや派遣スタッフといったいわゆる非正規労働者の割合は非常に多くなっています。
例えば小売業や飲食業で、店舗に正社員は1〜2人だけ、残りはアルバイトといったように、非正規労働者ありきで営業している店舗も多いのが実情です。
そんな中で非正規雇用は、待遇面での正社員との格差問題や、低賃金に由来する健康管理の難しさなど、多くの問題点も抱えています。
今回は非正規雇用に関する現状や、そもそも非正規雇用とは何か、非正規雇用の健康問題とそれらの解決策などを考えていき、企業の健康経営にも絡めて紹介していきます。

非正規雇用とは?

非正規雇用 若者それではまず非正規雇用についての概要です。
雇用形態も多種多様で、わたしたちがイメージしやすいアルバイト以外にもさまざまな形が存在します。

定義と雇用形態

「労働契約の期間の定めがない」・「所定労働時間がフルタイム」・「直接雇用」の3点全てに当てはまる雇用が正社員であり、これらのどれか一つにでも当てはまらない雇用は非正規雇用となります。
さまざまある非正規雇用の主な呼称とそれらの特徴を見ていきましょう。

派遣労働者

いわゆる「派遣」と呼ばれるもので、労働者は人材派遣会社と労働契約を結んでおり、人材派遣会社は派遣先の企業に労働者を派遣、労働者は派遣先企業で指示命令を受け働く形です。
労働者に対して2つの企業が関わり複雑なため、派遣労働者のために「労働者派遣法」というルールが定められています。
例えば派遣先で事故やトラブルが起きた場合に、雇い主たる人材派遣会社と現地の派遣先企業とで責任がどう分担されるかなどが明記されています。

契約社員

正社員と異なる点は、契約時に雇用期間を双方の合意によって取り決めて働くことです。
労働者によりますが、契約期間の上限は多くの場合3年であり、期間満了となれば労働契約は終了します。
またその他給与体系や退職金の有無、労働組合への参加が認められないケースがあるといったような違いがあります。

パートタイム労働者

いわゆるアルバイトやパートといった方達を指し、週の所定労働時間が短い労働者のことを言います。
「パートタイム労働法」により雇用主がパートタイム労働者に対し、公正な待遇の確保や正社員登用の機会を与えることなどが義務付けられているほか、採用時に昇給や退職手当、賞与の有無に関して文書等で明示することも雇い主の義務です。

業務委託・請負

個人が企業から仕事を受け報酬を受け取る形の働き方です。
事業主として扱われるため、派遣やアルバイトのように、労働法による労働者としての保護は受けられません。
しかし働き方の実態によっては、労働者と判断され保護を受けられるケースもあるためその都度理解しましょう。

家内労働者

メーカーから部品や原材料を受け取り物品の製造や加工を行うことで報酬を受け取る働き方です。
こちらも事業主として扱われる働き方ですが、委託者との関係が使用者と労働者の関係に似ているため「家内労働法」という法律が定められており、この法律に則って、委託者は家内労働手帳の交付や最低工賃の遵守といった対応が義務付けられています。

在宅ワーカー

業務委託や家内労働と同様、個人が委託を受けてリモートワークで業務を行う働き方です。
法律はありませんが、「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」を厚生労働省が定めており、仕事を注文する人と在宅ワークをする人が、契約上最低限守るべきルールが明記されています。

非正規であるメリット・デメリット

非正規であることは労働者にとって、以下のメリット・デメリットがあります。

メリット
  • 働く場所や時間を自由に選べる

  • すぐに働けるケースが多い

デメリット
  • 正社員との賃金格差

  • 雇用自体の不安定さ

 

正社員と違って休日出勤や残業もなく、転勤や異動を言い渡されることもないため、自分の都合や希望に合った仕事が可能です。
また正社員の選考のように1次〜最終面接といった長期の選考ではなく、一度の面接で、場合によってはその場で採用が決まることもあります。

対して待遇面では正社員との格差が課題です。
月給の安定した収入に加えボーナスも期待できる正社員と比べると、時給で働いた分だけの給与の非正規では賃金に大きな差が出てくるでしょう。
また景気の悪化や企業の経営状況によって、雇用契約を打ち切られる不安は常にあります。
人件費カットとなれば正社員を守るために非正規が優先的に削られるため、雇用の不安定さは否めません。

非正規雇用の健康課題

非正規雇用 給付金非正規雇用と健康には密接なつながりがあり、実際に正規雇用者と非正規雇用者では健康状態に差が出やすいというデータもあります。
両者に差が出てしまうのはなぜか、一つの大きな理由は低賃金からくる経済的余裕の無さです。
住みよい住居と栄養のある十分な食生活を確保できるか、これは健康でいるために不可欠な要素ですが、低賃金の程度によってはこれらが困難なケースもある点で、所得と健康管理は直接つながっています。
また健康診断や早期の通院、発症後の受診といったことも低賃金だと二の足を踏むこともあるでしょう。
自己判断でまだ大丈夫と思い働き続け、症状が悪化するケースは多くの場合、健康診断や早めの受診をしていれば軽く済んだということがほとんどです。

あるいは低賃金以外の理由として、非正規雇用の単純な就業環境も、健康の悪化と関係しています。
非正規を雇うということはそれだけ人手が足りていないということで、例えば休みを取るのも困難な場合があるでしょう。
病院に行きたいが代わりが確保できず出勤せざるを得なかったり、人手が足りないから連勤が続いてしまったりと、非正規に限らず、劣悪な就業環境は従業員に大きな負担をかけます。
また現場において正社員は管理・指示する立場、非正規が実際に動く立場という違いもよく見られるため、非正規雇用者の方が負担のかかる業務を担うケースが多く、体力的にも消耗が大きいと言えるでしょう。

企業による健康管理の取り組み

非正規雇用 割合それではこれらの健康課題に対して、企業の取り組みはどうなっているのでしょうか。
ポピュラーな健康管理として定期的な健康診断がありますが、それに関して現状は決してよくありません。
例えば就業時間が正社員の半分程度のパートタイマーは健康診断受診率が6割程度に留まってしまうというデータがあります。
そうなる要因の一つは、パートタイマーの健康管理に関する社内規程がないという企業がおよそ3割存在することです。
また実際の声を紹介すると、事業所側からは「コストがかかる」・「パートタイマーと診断実施日の予定が合わない」・「受診させても1年足らずで退職することも多い」という内容、パートタイマー側からは「そもそも健康に関心がない」・「時間の都合がつかない」・「持病の通院があり健康診断の必要性を感じない」というように、双方さまざまな事情があるようです。

とはいえ、定期的な健診がないと有所見者の把握ができず、急な体調悪化により通院や入院で仕事ができなくなるというのは労働者・企業双方にとってリスクです。
健康に対する意識自体は労働者自身の問題にもなってきますが、その意識を改革するために企業ができることも多々あります。
毎年必ずある健康診断を従業員全員が受診できるように、人員体制の整備や健康管理の重要性を周知していくといった取り組みは必要です。

健康経営と非正規雇用の関わり

非正規雇用 とはここまで非正規雇用の現状と彼らの健康問題について紹介してきましたが、最後にその健康問題の解決法ともなる、企業による健康経営についてお話しします。
健康経営とはその名のとおり、企業が経営のプランとして従業員の健康を考えていくというもので、これは心身両方の健康であるため、就業環境の整備によるストレス軽減というような内容も含み、これにより日々の生産性の向上、会社の業績アップにつながるという考え方です。
従業員の働きやすさや満足度向上という点で、非正規雇用の労働者ももちろん考慮すべきであり、例えば正規雇用と同様の福利厚生が受けられたり、正社員への登用が制度として確立していたりすれば、それは非正規労働者にとっても従業員満足につながり、離職率の低下やモチベーションアップという心の健康につながります。

身体の健康に関しても、正規雇用と非正規雇用の働き方を見直し、非正規雇用をないがしろにした就業環境の改善と、健康管理の規定をしっかり定めた上での周知実行が大切です。
非正規雇用者は弱い立場のため、あまり強くものを言いづらいという心理もあります。
それを認識した上で管理者たる正社員側が、非正規の業務内容やその量をしっかり見極め、彼らの健康状態のヒアリング等をし、無理のない働き方ができるよう注意してあげることが必要です。
しかし、ここで正社員が過剰労働になっては元も子もありません。
そうならないように経営層がそもそもの人員体制や就業規則を整備することが、全従業員の健康管理、企業組織全体の健康経営へとつながります。

働き方改革やコロナ禍の影響で働き方が多様化し、企業はその対応に追われています。
副業を認める企業も増え、空いた時間に好きな場所で働けるという環境も増えてきました。
しかしそれは管理が上手くいかなければ、労働時間の増大と心身の消耗にもつながるため、これまで以上に個人の健康管理に加え、企業側の働きかけが重要です。
健康経営という概念は現代において必要不可欠なもので、これをどれだけ実現できているかが企業の強みへ直結します。
正規・非正規問わず、働く従業員全てが健康に日々過ごせる環境づくりをしていきたいですね。

まとめ

非正規雇用 デメリット今回は非正規雇用者について、概要や彼らを取り巻く現状、深刻な健康問題とそれに対する健康経営を取り上げました。
転職が当たり前になった現代、コロナ禍も手伝い雇用も不安定になり、いつ誰が非正規労働者になってもおかしくありません。
非正規雇用は悪いことではなくメリットもあることは上述の通りですが、やはり保障や支援がまだまだで、決して安心できる雇用形態ではないのが現状です。
健康経営への取り組みの中で企業が就業環境の整備をしていき、非正規でも安定した生活を送れて、健康に対しても意識を向けられるよう教育していくことが求められます。


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