• 健康経営アドバイザー
  • 2021.12.01

会社の生き残りに関わるヘルスリテラシー!健康経営との関連を解説

目次

企業の生き残りに必要なものとは?

ヘルスリテラシー ヘルスリテラシーという言葉を耳にしたことはありませんか?
日本人のヘルスリテラシーは国際的に見ても低いとされてきました。
しかし新型コロナの感染拡大によりヘルスリテラシーは向上しつつあります。
では企業を経営していく上でヘルスリテラシーとの関係性はどうでしょうか。
欠勤や生産性の低下を招く原因にヘルスリテラシーの低さが関係していることが様々な研究でわかっています。
従業員のヘルスリテラシーが低いことは、個人の健康だけではなく職場や会社の健康や生産性に影響します。
現在の変化が激しく厳しい時代に、個人も企業も、生き残るためにヘルスリテラシーは必須ではないでしょうか。
そこで今回はヘルスリテラシーの意味や健康経営との関係を解説します。

ヘルスリテラシーとは?意味・定義

意味定義 ヘルスリテラシーは健康決める力となり、個人の自己管理能力です。

意味

ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を得て理解をし、活用するための行動を判断するための能力のことを指します。
リテラシーとは、情報や知識の活用能力という意味です。

定義

ヘルスリテラシーは元々健康関連の言葉について識字能力として定義されました。
最近では様々な場面で健康を保持増進・改善するために情報にアクセス・理解・評価・活用する機能といった定義で使われています。
では企業を経営していく上で従業員のヘルスリテラシーとの関係性はどうでしょうか。

企業活動に影響するヘルスリテラシー

医療費増大 ヘルスリテラシーが低いことは不健康な行動を選択し、健康状態の悪化をもたらし結果として医療費が増大することが分かっています。
(参考文献:WHOヨーロッパ事務局Health literacy.The solid facts)
それは会社でみると従業員の医療費増大の問題だけではなく、不健康状態による欠勤や生産性の低下を招くことになるでしょう。
ヘルスリテラシーは単に個人の健康知識行動や健康状態のみに影響するのではなく家族や友人・同僚など集団の健康にも影響します。

ヘルスリテラシーは個人にとっても会社や社会全体にとっても健康や幸福の実現に欠かせない能力なのです。
では会社に限って見た場合、従業員のヘルスリテラシーが低いと具体的どんなことが起こるのでしょうか。

従業員のヘルスリテラシーが低いと

  • 健康診断やストレスチェックを受けない
  • 健康診断結果に異常が指摘されても再検査精密検査治療を受けない
  • 熱やインフルエンザや感染症にかかっても無理して出社する
  • ウォーキングイベントなど健康的なイベントに参加しない
人生において働いている期間は長く、高齢になった時の健康状態とヘルスリテラシーに大きく影響を与える期間であると考えられます。
こうしたことから従業員のヘルスリテラシーは会社にとっても社会にとっても非常に重要であることが考えられるでしょう。

企業にとってヘルスリテラシーを高める重要性

健康プログラムの提供 職場での健康・幸福プログラムは健康的な行動変容と健康教育の持続的な促進に効果があることが分かっています。

ヘルスリテラシー強化による改善できる事柄

  • 事故の予防
  • 職業病の予防
  • 生活習慣病の改善
  • 生活習慣病リスクなどの低減
  • 職場のストレス要因への対処(雇用の安定・仕事の要求度・裁量度の努力・報酬のバランス)
  • 適切なワークライフバランスの達成(従業員の勤怠・業務パフォーマンス・ワークエンゲイジメント)
  • 人材定着
  • 医療費を改善
ヘルスリテラシーを高めるための健康・幸福プログラムは、中核的な戦略に位置づけられることで投資対効果を最も発揮するでしょう。

ヘルスリテラシーを強化するために企業ができること

健康プログラムの提供 従業員のヘルスリテラシーを強化する事においてもWHO のレポートなど信頼できる情報を探し自社への活用を吟味して取り組むことが大切です。

WHO ヨーロッパ事務局が現在あるエビデンスに基づいたヘルスリテラシーを強化するための方法を示しています。
一部をご紹介しながら会社での活用を考えてみてはいかがでしょうか。

職場におけるヘルスリテラシープログラムが有効であるために重要なこととして次のことをあげています。
  • 経営層による健康的な職場での取り組みに対するリーダーシップがあること
  • 役員から現場の従業員まであらゆるレベルの人々が参加すること
  • 優れたブランド設定と継続的なコミュニケーションを通じて、従業員と関係者の継続的な実践と成長を促進すること
  • 組織に最適な環境を作ること
  • 他の優先事項と整合させること
  • すでに確立された職場の健康プログラムや従業員支援プログラムと統合すること
  • 関連する問題に対処すること
  • 幅広い学習スタイルに対応した介入方法を含むこと
  • 勢いと新鮮さを長期にわたって維持すること
  • 家族を巻き込むこと
  • プログラムをシンプルに保ちビジネスニーズに合わせること
  • 従業員の多様性を反映し文化的な配慮がなされていること
  • メッセージとプログラムをシンプルに保ち、ビジネスニーズに合わせること
  • 健康に効果を評価すること
自社にどういうプログラムが合うか、ニーズやリテラシーレベルなど事前準備が必要です。
自社の企業文化に沿った形でなければ、しくみとして定着せず長続きしません。
その企業らしく、時間をかけて取り組むことで効果が期待できるでしょう。

自社のヘルスリテラシー評価

ヘルス ヘルスリテラシーを高めていくにはまず現状の把握が必要です。
ヘルスリテラシーを評価する方法をご紹介します。

日本労働者向け相互作用的・批判的ヘルスリテラシ(CCHL尺度)

  1. あなたはもし必要になったら病気や健康に関連した情報を自分自身で探したり利用したりすることができると思いますか?
  2. 新聞・本・テレビ・インターネットなどいろいろな情報源から情報を集められる
  3. たくさんある情報の中から自分の求める情報を選び出せる
  4. 情報理解し人に伝えることができる
  5. 情報がどの程度信頼できるかを判断できる
  6. 情報に健康改善のための計画や行動を決めることができる
その他にも、健康関連のアクセス率※や健康関連の行動※の実施率などを用いてヘルスリテラシーの指標として評価するのもよいでしょう。
把握した会社の現状と適用したい情報とのギャップを明らかにしたうえで、優先順位をつけて計画的に対処し、効果検証をしていくことが大切です。
※健康関連のアクセス率(健康情報を掲載した社内イントラサイトなどのアクセス率や健康教育の参加率など)
※健康関連の行動(喫煙・運動・食事・睡眠などの主観に関する問診結果など)
 

ヘルスリテラシーと健康経営

健康経営 従業員のヘルスリテラシーの強化は、健康経営の基礎的な取り組みとして必須となります。
健康経営として会社が様々な取り組みを行ったとしても、従業員のヘルスリテラシーが低いと期待した効果が得られない可能性が高くなってしまいます。
そのため健康経営の推進において従業員のヘルスリテラシーは基盤となる重要な要素です。
健康経営では、企業の経営目標達成のために従業員ひとりひとりの健康を管理するという取り組みになります。

つまり従業員ひとりひとりのヘルスリテラシーを高めて企業の利益を向上させていこうという考え方につながるでしょう。
従業員のヘルスリテラシーの高まりが、健康経営の取り組みに対し関心を持ち自主的行動を促します。
健康経営ではプログラムだけではなく、職場環境を作ることも重要な取り組みとしています。

健康経営の具体的な例

  • 社内の食堂やケータリング
  • 自動販売機の内容を健康的なものにする
  • 移動距離の標識や運動推奨する標識を設定する
  • 運動のために階段や歩道を解放する
  • ストレッチができる休憩室を設置する
  • 無料で飲める浄水を提供する
従業員が健康的なライフスタイルを実践するためのインセンティブを従業員に提供することも有効です。
車で通勤しないことを選択した従業員に補助金を支給するとすると歩く・自転車で通勤する従業員の割合が増加します。
その中でピアサポートプログラム※も健康状態を改善し、コストを下げることが分かっています。
※ピアサポートとは、同僚など仲間とともに同じ課題や環境を共有し助け合うこと。専門職による支援では得難い安心感や自己肯定感を得られるというメリットがあります。

健康経営の取り組み事例

①研修による場合
  • 従業員向け禁煙セミナー
  • 管理職向けのメンタルヘルスラインケア講習実施
  • 従業員の食生活改善や運動機会増進に関するセミナー実施
  • 健康知識等の向上に関する研修や検定等の受講
  • 健康知識向上や心身の健康増進を目的とした社員旅行(ヘルスツーリズム)
  • 病気の治療と仕事の両立に関する研修実施
②定期的な情報提供による場合
  • 朝礼において衛生管理者等の担当者から健康づくりについて説明
  • 回覧による健康課題の周知(感染症予防等)

社内教育機会を設定する上でヘルスリテラシー強化に有効となるためのポイント

  • 経営層によるリーダーシップ
  • 経営層から一般社員家族まで巻き込むこと
  • 幅広い学習機会が様々な教育アプローチによって職業生活を通じて学び続けることなどにつながります。
健康経営はヘルスリテラシー強化をより実践的にできる取り組みとなるでしょう。

まとめ

生き残る企業 今回はヘルスリテラシーについてご紹介しました。
ヘルスリテラシーとは、会社と従業員の健康を決める力となる自己管理能力となります。
従業員のヘルスリテラシー強化は、会社の生き残るための資産になるということがご理解いただけましたでしょうか。
企業は生産性向上や事業発展のためにもヘルスリテラシー向上を推進することが必要です。
ぜひこの機会にヘルスリテラシー強化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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