• 健康経営アドバイザー
  • 2022.02.16 (最終更新日:2022.03.27)

ヘルスツーリズムとは?注目される新しい形の社員旅行

目次

企業にも従業員にも好機となる旅行

社員旅行コロナ 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、感染リスクを下げる観点から社員旅行を中止する企業が相次いでいます。
こうしたことから、企業における福利厚生としての社員旅行の在り方について、見直しを検討として「ヘルスツーリズム」に注目する企業が増えつつあります。
社員旅行を行うメリットとして、社内コミュニケーション活性化やチームワークの醸成といった要因でしたが、多様化により会社の休日になる事が多いなどマイナスに感じるなどの意見もあるのも事実です。
このようなメリット・デメリットを解決し企業側にも従業員にも好機になるのがヘルスツーリズムです。
そこで今回は「ヘルスツーリズム」についてご紹介します。

ヘルスツーリズムとは?

疑問 ヘルスツーリズムは、心身の疲れをとり健康増進を図る健康旅行です。
日本においては、「自然豊かな地域を訪れることにより、その土地の温泉や身体に優しい料理を味わうことで、心身共に癒され、健康の回復や増進、保持を図る観光形態」と定義されています。
旅行という非日常的な楽しみを通して、健康回復や健康増進を図り豊かな日常生活を過ごすことを目的としたものです。

健康志向の高まり、地域資源を活用した地域活性化施策としての取り組み増加を背景に、2019年に約2兆8,600億円だったヘルスツーリズム市場規模は、2030年には約4兆5,200億円に成長すると推計されるでしょう。

ヘルスツーリズムの定義

NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構では、次のように定義しています。
ヘルスツーリズムを「健康・未病・病気の方、また老人・成人から子供まですべての人々に対し、科学的根拠に基づく健康増進を理念に、旅をきっかけに健康増進・維持・回復・疾病予防に寄与する」もの。
ヘルスツーリズムとは

政府によるヘルスツーリズム認証制度の立ち上げ

見える化 経済産業省は「健康寿命延伸産業創出推進事業」の一環として、ヘルスツーリズム認証委員会を立ち上げ、ヘルスツーリズム認証制度を実施しています。
ヘルスツーリズム認証はNPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構・日本規格協会ソリューションズ株式会社・一般社団法人日本スポーツツーリズム増進機構の3団体が運営しています。
評価・認証のポイントは安心・安全への配慮・楽しみ・喜びといった情緒的価値の提供・健康への気づき促進です。
利用者が品質を一目で分かるよう見える化を行い、客観的に評価し利用者が安心してサービスを受けられることを目指しています。
ヘルスツーリズム認証制度では、プログラムの内容や事業者の取り組み体制を第三者目線で評価しプログラムの品質を保証しています。

社員旅行の意味は?

社員旅行意味
  • 社員同士のコミュニケーションの活性化
  • チームや組織の一体感の醸成
  • リフレッシュとモチベーションアップ
職場環境整備の中で社内コミュニケーション活性化等の効果を期待し、社員旅行を法定外福利厚生として提供している企業は多いでしょう。
しかし最近は、仕事とプライベートを分けたいと考える人もいるため、従業員が前向きに社員旅行に参加しているとは言い難く、逆に気疲れしてしまうなどの意見も多数あります。
これから求められる社員旅行は、従業員の満足度を上げるような工夫が必要となるでしょう。

新しい社員旅行としてのヘルスツーリズム

グランピング ヘルスツーリズムは地域特性が活かしたヘルスケアサービスを提供しやすいこともあり、
北海道から沖縄県まで全国各地にさまざまなラインナップが広がっています。
ひとつの事例として和歌山県熊野古道は地域交流も交えた体験型のサービスがあります。
ヘルスツーリズム「推進地」一覧
ヘルスツーリズムは、疾病予防とメディカルツーリズムに分類されており、主に企業の人事施策や福利厚生施策として注目が集まってきている特定疾患予防のためのプランです。

メタボリックシンドロームやメンタルヘルス対策など特定疾患の予防を目的としたプランや、糖尿病の重症化予防を目的とした「宿泊型新保健指導プログラム(スマート・ライフ・ステイ)」など、職域向けの国家施策にもなっています。
そのほかにも旅先でのスパ・ヨガ・瞑想・フィットネス・ヘルシー食・レクリエーション・交流などを通じた体験型プランも人気です。
地域の資源に触れ新しい発見と自己開発をしたりリフレッシュしたり、明日の活力を得るなどを目的が特徴としています。

ヘルスツーリズムは大自然の中で運動・栄養・休養の旅行のプログラムを選ぶことで、新型コロナウイルス感染リスクが高いとされる「3密」を回避するのに有効です。

プライベート旅行で人気のあるグランピング※を社員旅行にも取り入れることで、リスクを軽減しつつ非日常なイベントや交流を楽しめるでしょう。
ヘルスツーリズムプログラムの特徴として、実に幅広いプログラムが存在しているため各企業の実情に合わせたプログラムの計画が可能です。
ヘルスツーリズムの基本プランとして次の項目があります。
  • 健康チェック
  • 体力測定
  • 運動の基本
  • 栄養の基本
  • 休養プログラム
  • 運動体験
  • 食事体験
ただし、どうしてもある程度の接触が生まれてしまうため、少人数で行うことや感染状況や従業員の意向なども確認したうえで、適切な感染症対策を行いながら実施する必要があるでしょう。

※グランピングとは、グラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などの煩わしさから旅行者を解放した「良い所取りの自然体験」に与えられた名称です。
グランピング施設ではキャンプ用品や食材・食事などが用意されているため、気軽に豪華なキャンプを楽しめます。

健康経営でのヘルスツーリズムの位置づけ

健康経営 経済産業省が推進している健康経営とヘルスツーリズムはどちらも健康を目的とするため関連性があります。
健康経営では、従業員がいきいきと働けるような職場環境を整備し、生産性を上げることを目的とした取り組みです。
従業員のワーク・エンゲイジメント(従業員の熱意・没頭・活力といった仕事に対する積極的で充実した心理状態)による心理的なポジティブ志向と経営者による職場の活性化対応との両方が求められます。
実際に健康経営優良法人認定基準の適合例としてもヘルスツーリズムは認められています。

評価項目:コミュニケーションの促進に向けた取り組み
従業員同士のコミュニケーション向上に寄与するイベント等の取り組み又は外部機関主催のイベント等への組織都市の参加を1年度に少なくとも1回以上定期的に実施していることをもって適合とする。
・心身の健康増進を目的とした旅行としてヘルスツーリズム
・社員旅行等に家族同伴での参加


経営者が職場での健全で働きやすい環境を整え、従業員のワーク・エンゲイジメントにおける業務実践を健康に配慮しながら実現している取り組みにより健康経営による生産性が向上されていくことになります。
ヘルスツーリズムは健康づくりの入口となるでしょう。
健康に関心のない従業員に健康に意識をもってもらうきっかけづくりとして、ヘルスツーリズムは有効となります。
始めはリフレッシュ目的の健康旅行かもしれませんが、従業員の意識変容に寄与する可能性があるでしょう。
企業として、ただの健康旅行で終わらないためにも次のようなフォローも大切になります。
  • 健康情報の提供
  • 健康効果の検証
  • 行動変容やステージの変化
  • 体重やウェイトの変化
  • 運動習慣や食生活の変化
  • 定期的なイベント実施
企業が成長し続けるためには、従業員が自分の能力を最大限に発揮できる環境づくりが欠かせません。
多様なライフスタイル・価値観をもつ従業員が、それぞれに合った働き方で業務を遂行できれば、ワークライフバランスを保ちながら生産性を向上させることが可能です。

従業員に配慮した多彩な福利厚生としてのヘルスツーリズムは、会社としての魅力度アップに貢献するでしょう。

まとめ

従業員の満足度 今回は「ヘルスツーリズム」について紹介しました。
ヘルスツーリズムは、旅行という非日常的な楽しみを通して、健康回復や健康増進を図る健康的な旅行です。
ヘルスツーリズムは従業員の心身の疲れやリフレッシュとなり、従業員のワーク・エンゲイジメントの高まりにつながるでしょう。
長時間労働やうつなど心身の疲れを訴える働く人々には必要となる健康旅行です。
これまでの社員旅行とは一変し、従業員のニーズを汲み取り新しい形の社員旅行を実現してはいかがでしょうか。
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