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  • 2022.06.22 (最終更新日:2023.06.06)

契約社員のメリットは?働き方の比較と向いている人の特徴を解説

ノートパソコンで作業をするOL
目次

今日さまざまな働き方があり、自分に適した働き方が選べるようになりました。契約社員は期間の定めや雇用条件の自由度が高い一方で、不安定な印象を持たれやすい特徴があります。条件を満たすことで有期雇用契約から無期契約の社員になることが可能です。

今回は契約社員のメリット・デメリットや、契約社員として働くのに向いている人の特徴をまとめています。自分に適した働き方を見つけて、充実した生活を手にいれるための参考にしてください。

契約社員とは?

ファイルを持つ女性

契約社員とは、企業と雇用期間を定めた労働契約である「有期雇用契約」を結んで働く社員を指します。有期雇用契約の場合、契約期間は3年を超えることができない、更新は5年までとルールが定められているのです。

一般的な正社員の場合、雇用期間の定めがない労働契約を結びますが、契約社員の場合雇用期間終了によって労働契約が終了します。しかし、労働者側から無期雇用契約に移行したい旨の申請があった場合、期限の定めがない働き方も可能です。

この労働契約で雇用期間の他にも、給与や勤務日数、勤務地などについて定められます。契約社員として働く以上、雇用契約の条件の確認は必須です。

契約社員と正社員・派遣社員・パートの違いとは?

探し物をするビジネスウーマン

1.正社員

正社員は正規の社員として、雇用期間の定めなく無期雇用として契約しています。安定した収入やキャリアアップの可能性があり、ライフプランを立てやすい、ローン契約が結びやすいといったメリットがあるのです。

ほかの働き方と比べて賞与の額が多い、福利厚生が充実しているなどの傾向があり、長期間キャリアを積み重ねながら腰を据えて働く方法として適しています。一方で会社命令による転勤の可能性、契約社員と比べると勤務体系の自由度が少ないと言ったデメリットもあります。

2.派遣社員

派遣会社に登録、契約を結び派遣会社の社員として勤務地に派遣され働くスタイルを指します。もし派遣先の企業でトラブルが起きたとしても、派遣会社が間に入ってサポートしてくれる点がメリットです。

契約時点で勤務時間や残業時間が定められているため、残業時間で悩む心配がありません。しかし、登録している条件や求人状況によっては派遣会社から紹介される件数に限りがあるため、必ずしも希望する仕事が紹介されるとは限らないデメリットがあります。

また、契約期間や条件をあらかじめ決めておくことができるので、やりたいことに向けて貯金をしたい方や大きな予定を入れたいという方におすすめです。

3.パート

パートはパートタイムの略語であり、所定労働時間が正社員と比べると短い点が特徴です。勤務のシフトを自由に決められるので、プライベートを優先しながら働くことができます。家族との時間を多く取りたい方や子育てをしている方におすすめの働き方です。

また、勤務時間が決まっていないため、職場によっては長い時間のシフトを入れて効率よく働くことも可能です。しかしあくまで非正規雇用のため、雇用が安定しない、昇給しにくいといったメリットもあります。

契約社員として働くメリット

グータッチ

1.自分の希望している職で働きやすい

様々なスキルを身に付けたい方や、自分がやりたい仕事の分野をピンポイントにやりたい方におすすめといえます。なぜなら、企業にとって契約社員の採用は人件費削減や採用時のミスマッチに関するリスクを抑えられるメリットがあるため、採用されやすくなるからです。

どうしてもやりたい仕事がある場合は、正社員以外に契約社員も候補に入れるなど、雇用形態の条件を変えるのもひとつの手段です。

2.転勤をしなくて済む

正社員であれば異動や転勤の可能性が出てきます。契約社員であれば「異動・転勤ナシ」を条件として契約することで異動や転勤の可能性はなくなります。同じ場所・環境で安心して仕事を続けられる点がメリットです。

3.正社員とほとんど変わらない給与・働き方ができる

同一労働同一賃金の制度があるため、契約社員は正社員と給与にあまり差がありません。参照元:厚生労働省(同一労働同一賃金ガイドライン)
同一労働同一賃金とは、雇用条件に関わらず同じ勤務をしている人に対しては同額の給与を支払う制度です。

契約社員であれば契約内容によっては正社員のようにフルタイムで働くことができるため、収入も比較的安定します。。また、働き方も選べるため、正社員に近い勤務スタイルも選択可能です。例えば、チームでプロジェクトを進める場合であっても、自分だけ抜けなければならないといったことも避けられます。

4.自分に合った働き方ができる

自分に合った働き方を選択しながらも、正社員とほぼ同じ待遇を受けられるのがメリットです。正社員はある程度の残業や、転勤の可能性がある上での雇用契約と給料ですが、契約社員であれば給与や残業、転勤の有無を交渉し契約を結ぶことができます。

プライベートの時間を大切にしたい方や、家族との時間を多く取りたい方におすすめの働き方です。

5.キャリアアップや無期雇用の可能性がある

契約社員は契約期間の定めがある契約だからこそ将来の可能性に溢れているという考え方もできます。

  • 契約社員として働くことで身につけたスキルや経験を活かした転職やキャリアアップ
  • 契約期間の定めがない無期雇用への切り替え
  • 正社員登用試験へのチャレンジ

定められた期間で知識や経験を身につけ、それを武器に更なるステップアップの足がかりにすることが可能です。自分はどのようなキャリアを描きたいのか、これからの生活についてじっくり考えた上で納得できる行動をとるための時間は十分に用意されているといえます。無期雇用やキャリアアップについては後の章でご紹介します。

6.副業ができる

正社員の場合、就業規則や慣例によって副業が制限されていることもあります。一方、契約社員は契約内容によっては副業の制限をなくすことも可能です。副業ができる環境にいると収入の柱を複数持つことができ、契約条件に関係なく安定して稼ぐことができます。副業によってスキルの幅が広がり、今後の仕事に活かすこともできるでしょう。

企業によっては契約社員であっても就業規則で副業禁止の場合もあるため、契約内容を事前に確認するようにしてください。

契約社員として働くデメリット

ショックを受ける男性

1.契約更新がない可能性がある

契約社員の場合、契約の有無がカギとなり、必ずしも契約更新があるとは限りません。契約期間が終了し、契約更新がない場合、その企業で働き続けられないことを意味します。長期的に同じ企業で働きたい方は、企業にとってプラスとなる存在になることが必要です。スキルアップや業績アップなど、積極的なはたらきがけが必要といえます。

また、契約が5年を経過する場合は、無期雇用の希望を伝える方法もあります。

2.ローンの審査が通りにくい

正社員と比べて住宅や車など長期的な支払いになるローンが組みにくいデメリットがあります。ローン審査では同じ企業に勤めている期間が長いほど、返済能力があると判断されるからです。契約社員の場合雇用形態の不安定さや収入の面で不利になります。ローン契約を考えている人は、正社員への切り替えも視野に入れて働き方を工夫してみましょう。

3.正社員より出世しづらい

契約社員は契約で勤務時間や職務内容が厳格に決まっているため、昇給しにくい雇用形態といえます。仮に素晴らしい業績をあげたとしても、正社員のように定期的な昇給はありません。契約更新時に昇給の判断をされることが多いため、金銭面での満足感を得にくいでしょう。

ほかにも、正社員の方が優先される傾向があるので、同じ業務をしていても、同等の評価がされないことへの不満も感じやすくなります。

4.賞与が正社員より少ない

正社員よりも賞与の額が少ない企業が多いといえます。なかには、契約社員への賞与を設けていない企業もあります。賞与の有無や額の多さを重視している方は、契約社員に向きません。

勤務条件として賞与の有無や金額の多さをマストとしている場合、正社員と同等の賞与を出す企業を選ぶか、正社員として働くことをおすすめします。

5.福利厚生の範囲が狭い

正社員と比べると福利厚生の範囲が狭まってしまう点がデメリットです。時短勤務は自由度が高くメリットが大きい一方、交通費・住宅手当・育休など、利用できる福利厚生の範囲が正社員と大きく異なります。利用できる福利厚生も含めて、契約内容をよく確認するようにしましょう。

契約社員のデメリットを軽減する方法

得意げな男性

無期雇用契約への転換

同じ職場での勤務年数が通算で5年を超える場合、労働者側の申し出で無期雇用契約への切り替えが可能です。無期雇用契約になることで、期間の定めなく働くことができるようになります。「契約期間の定めがある契約社員」から「契約期間の定めがない契約社員」に切り替わります。

あくまで契約社員として働くことは変わらず、正社員登用とは異なりますが、契約切れの不安を感じることなく働ける点がメリットです。通算5年を超え、無期雇用で働くためには、企業にとって必要な人材とみなされることが必要といえます。資格取得やスキルアップなど自己研鑽が必要です。

正社員を目指す

契約社員として働く以上、企業側の都合で契約更新が行われない可能性も受け入れなければなりません。いつ契約が終わるか、契約が切れた後の働き方に不安を感じる場合、安定性が高い正社員を目指すのも方法の1つです。

企業に正社員登用制度がある場合は制度を利用する、スキルを活かして転職活動を進め他企業で正社員として働くなどの方法があります。

限定正社員を目指す

契約社員で契約更新の有無の不安に直面したくはないものの、正社員として転勤や残業は受け入れ難いと考える方は、限定社員がおすすめです。限定社員とは、勤務地域・勤務時間・職務内容いずれかを限定して働くスタイルの正社員であり、多様な働き方の1つとされています。

限定された勤務条件以外の条件や待遇は正社員と同等のため、待遇面の差はほとんどなく契約社員と比べると安定している点がメリットです。

契約社員はこんな人におすすめ!状況別に解説

星を持つ男性

1.転職することが決まっている人

転職を考えている方や、スキルを身に付ける目的で働きたい方には契約社員がおすすめといえます。契約期間の満了によってすぐに辞めることができるからです。また、スキルを身につけておくことで転職活動が有利にはたらき、希望する仕事で正社員採用がされやすくなるメリットもあります。

2.様々な仕事を経験したい人

契約社員は働く期間が決められているため、契約期間終了のタイミングで辞めやすく、次の仕事に移りやすいメリットがあります。新しい仕事に挑戦したい方や、異なる環境で働きたい方にもおすすめです。

次の職場に移る際は、契約期間中に新しい職場との契約を終えることでスムーズに転職できます。

3.プライベートを優先したい人

仕事と同様に、プライベートにも十分な時間を割きたい方におすすめです。一例ですが、契約によってはプライベートを優先するために残業なしで契約を結ぶことができます。子育てや家族の介護をしなければならない方は、仕事をしながら必要なことのために時間を作りやすくなるのでおすすめです。

また、契約社員は契約書類に勤務地が明記されていなければ基本的に転勤はありません。仕事によって大きく生活圏が変わる、プライベートに支障をきたすといったこともないでしょう。

4.副業をしたい人

正社員は職務に専念するため、就業規則で副業を禁止していることが多々あります。一方、契約社員など非正規雇用であれば副業を許可している企業は多いため、収入源を増やすことができます。

ただし、副業に夢中になるあまり、業務への支障が出ている場合は看過できない事態といえます。あくまで契約社員としての業務を問題なく遂行できている事が、副業を続けてもよい条件だからです。企業によっては契約社員でも副業を禁止している場合もあるため、就業規則をあらかじめ確認しておきましょう。

5.出世による責任を負いたくない人

能力のある人はどんどん出世していきますが、それと同時に責任も重くなります。出世は望まない、重すぎる責任は負いたくない方は契約社員のポジションをおすすめします。なぜなら、正社員が優先的に昇格するためです。契約社員として働くことで出世の可能性が低くなり、責任が重くのしかかる役職には就かないことがほとんどといえます。

仕事は頑張りたいものの、管理職など責任のある立場にはなりたくない方におすすめです。

6.留学やワーキングホリデー、大学へ行きたい人

留学や大学進学など、仕事以外の目的や将来やりたいことが明確な方にとって、契約社員の働き方は適しているといえます。契約社員の場合、明確に勤務期間が定められているため、正社員と比べて次の行動に移しやすいのがメリットです。

また、契約満了日までフルタイムで契約をすれば、アルバイト・パートの働き方より、効率的にお金を稼ぐことができます。

契約社員に関するQ&A

Q&A

Q1.急に契約が切れるのが怖い

A1.契約社員の場合、客観的に合理的な理由、社会通念条相当といえる状態でなければ契約期間中の解雇は認められません。つまり、契約期間中に突然契約が切られることはよほどの事情がない限りありません。

また、理由もなく契約更新を断られることもないといっていいでしょう。なぜなら、契約更新の有無や更新しない場合の判断基準については雇用契約書に記載があることがほとんどだからです。「契約期間中に解雇された」「前触れも理由もなく突然契約更新を断られた」といったことは基本的にないといってもいいでしょう。

万が一一方的に契約更新を断られた場合、判断基準や理由を確認した上で企業に交渉、場合によっては法律の専門家に相談するのも方法の1つです。

Q2.契約社員でも社会保険に加入できる?

A2.契約社員も社会保険の加入条件を満たしている場合、加入義務があります。

  • 社会保険の加入条件は1ヶ月の所定労働日数と1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上 
  • 週20時間を超える勤務(残業時間含まず) 
  • 月額賃金が8.8万円を超える(残業代・賞与含まず) 
  • 雇用期間が1年以上

Q3.契約期間内に退職できる?

A3.契約社員は契約期間の定めがある雇用形態であり、契約期間内の退職は原則認められません。契約期間中の解雇には厳しい条件が定められていることから、企業側からの解雇が難しいように、労働者側からの退職も同様に定めがあります。

  • 契約締結から1年以上経過
  • やむを得ない事情
    (怪我や病気による就業不能、家族の介護など)

これらの事由以外で一方的な退職を申し出た場合、企業からの損害賠償請求を受けることもあります。

Q4.急に正社員にはなりたくない

A4.契約社員としての働き方に満足している方の中には正社員にはなりたくないと考える方もいます。正社員は残業や転勤、複雑な人間関係など直面する問題や課題もありますが、安定した雇用や収入、社会的信頼の面からも長期的に考えると正社員もおすすめです。

契約社員の契約更新を続けているうちに自然と社員に切り替わることはありません。また、通算5年以上の勤務による無期雇用は正社員とは異なります。契約社員として働き続けるか、どこかのタイミングで正社員も視野に入れて考えるかは企業とよく話し合い、雇用契約を結ぶ必要があります。

Q5.契約社員に有給休暇はある?

A5.契約社員も正社員と同様有給休暇の取得は可能です。なぜなら、有給休暇は法律で定められている労働者の権利であり、雇用形態を問わないからです。有給休暇は労働基準法で定められているため、勤続年数に比例した休暇日数が付与されます。

Q6.契約社員になる際にするべきことは?

契約社員として働く前に確認すべきことは以下のとおりです。

  • 契約社員の転職が適しているかどうか今一度考える
  • 労働条件通知書の確認
    (勤務地、勤務時間、業務内容、契約更新の有無、更新しない場合の判断基準など)
  • 正社員登用制度の有無の確認

契約社員として業務に専念し、よりよいビジネスライフを送るためには契約条件を確認することが最重要といっても過言ではありません。

自分のライフスタイルやキャリアプランに合っている働き方を選ぼう

働き方に迷ったときは自分が何を優先したいのか理解することが大切です。契約社員は安心して長期間療養できる環境がないため、普段から心身の調子に気を配る必要があります。

契約社員こそ、従業員のメンタルヘルスなどの健康づくりに積極的に取り組んでいる、健康経営に力を入れている会社を選ぶべきです。

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