• 健康経営
  • 2022.07.27

マタニティハラスメントとは?実際にあった事例や対策もご紹介!

マタハラのイメージ
目次

マタニティハラスメントとは、妊娠・出産・子育てなどを理由に、勤め先の企業から不当な扱いを受けることです。マタニティハラスメントは男女雇用機会均等法によって法律で禁止されており、場合によっては訴えることもできます。今回は、実際にあったマタニティハラスメントの事例や対策についてご紹介します。

マタニティハラスメントで実際にあった事例

頭を抱える女性

妊娠している女性の働き方に関して、理解が足りない会社がまだまだ多いことが問題視されています。少子化が進んでいる原因の1つとして「妊娠したら仕事を続けられないかもしれない」という不安もあるでしょう。ここではマタニティハラスメントで実際にあった事例をご紹介します。

心無い言葉をかけられる

妊娠するとつわりなどが始まるため体調が安定せず、思うように働けなくなります。 遅刻や早退の頻度が増えたり、検診のために休んだりすることもあるでしょう。そのため、妊娠の報告をすると嫌な顔をされたり、心無い言葉をかけられたりするケースが多くあります。実際に「忙しい時期に妊娠するなんてありえない」「仕事のしわ寄せが私たちに来る」などの嫌味を言われた経験がある人もいるそう。

また、産休前も「働かずにお金を貰えるなんて羨ましい」などと言われ、肩身の狭い思いをしている人もいます。妊娠発覚時や産休前に心無い言葉かける社員がいる会社は、産後も働きにくい可能性が高いでしょう。社員が妊娠した時に手厚いサポートを用意している会社に転職するのがおすすめです。

不当な待遇をする

本人からの希望ではないにもかかわらず、妊娠を理由に正社員からパートへ契約内容を変更・強要したり、これまでの功績を無視して降格させたりするケースもあるようです。ほかにも給料を下げられたり、理由もなく仕事を与えないなどの事例も報告されています。妊娠すると長い期間自由に働くことが難しくなるため、遠回しに辞めさせようと不当な待遇をする会社があるようです。

このような待遇は法律で禁止されています。あまり酷いようであれば労働局など第三者に相談してみるのも一つの手段です。

体に負担をかけられる

妊娠中はお酒やタバコはもちろんのこと、重い荷物を運ぶなど体に負担がかかることは避けるべきです。しかしマタニティハラスメントでの事例として、目の前でタバコを吸われたり、飲みの席でお酒を強要されたりした、といった報告が上がっています。特にタバコは本人が吸わなくてもタバコの煙を吸うことで副流煙の影響を受ける危険があります。副流煙は喫煙者が吸う主流煙より悪性物質が多く含まれており、妊婦が吸うと胎児に影響があるため注意が必要です。

ほかにも立ち仕事をさせられる・重い荷物を持たされるなど身体的な負担が大きい仕事を任されるケースもあります。妊娠初期はとくに心身の状態が安定せず流産しやすいため、安静に過ごすことが重要です。

不当な解雇・人事異動

妊娠報告後、本人からの了承なく解雇通知を一方的に突きつけられたり、産休・育休から復帰する際に遠回しに辞めるように言われた事例もあります。また、産休・育休前のポジションが復帰後になくなってしまい、本人の同意なしに全く別の部署に異動されたケースも報告されています。最悪の場合、戻るポジションがなくなったという理由で退職に追い込まれることもあるようです。

産休・育休中は代わりに業務をこなす人が必要のため、すぐに元のポジションに戻ることは難しいでしょう。しかし、同意なく部署異動させられたり退職を促されたりすることは立派なマタニティハラスメントです。社内での解決が難しいようであれば転職を視野に入れるのがおすすめです。

契約が更新されない・切られる

契約社員も一定の基準を満たせば育休の取得ができ、本人が希望すれば復帰も可能です。しかし、正社員とは違って雇用期間に期限が設けられており、契約を更新しなければ「契約期間満了」として雇用関係はなくなります。 契約社員の場合も妊娠報告後に契約が更新されずにそのまま契約終了する事例が多いようです。妊娠を理由に契約を終了することは法律で禁止されていますが、妊娠以外の理由による契約終了はとくに禁止されていません。

そのため、はっきりと妊娠が理由で契約終了すると言われない限り対策は難しく、解雇を告げられた際のメールのやり取りなどの証拠を用意する必要があります。証拠があれば慰謝料などの請求は可能なため、解雇などについて話し合うときは録音するなど、証拠として確認しやすい形で残すとよいでしょう。

マタニティハラスメントが発生する原因とは

妊婦

本来であれば、妊娠している女性が体に無理がないように働くために会社が協力すべきです。しかし、多くの女性からマタニティハラスメントを受けた報告があり、妊娠中の女性に対してあまり協力的ではないことが見受けられます。ここでは、なぜマタニティハラスメントが発生するのか、原因を探っていきます。

業務に支障が出ている

妊娠すると体調不良が増え、妊娠前のように長時間働くことが難しくなるでしょう。それにより、妊娠前と同じように業務をこなせなくなるなど業務に支障が出てしまいます。その場合、周りの人がサポートして妊娠中の社員に無理をさせないことが大切です。しかし、カバーした人の仕事量が増えたり、業務が滞ったりすることに対して不満を覚える人も一定数いるようです。

とくにつわりの症状が出やすいのが妊娠2~4ヶ月ほどの妊娠初期の時期です。この数ヶ月の間で業務に支障がでて社員が文句を言うような会社は労働環境があまり良くないケースが多く、出産後はより働きづらくなることが予想されます。産休をきっかけに子育て支援が充実した会社に転職してもよいでしょう。

妊娠・出産・子育てに対する周囲の理解が足りない

現在の管理職が子育てをしていた頃の年代は専業主婦が多かったこともあり、「子育てしながら働く」ことに対して理解が足りないことも原因の1つです。1980年頃までは男性1人で生計を立て、女性は専業主婦として子育てをする世帯が多く、共働き世帯は専業主婦世帯の半分ほどでした。しかし1991年頃から共働き世帯も専業主婦世帯と同じぐらいに増え、2015年の専業主婦世帯は共働き世帯の半分ほどにまで減りました。

1980~1990年頃子育てをしていた世代は現在60~70歳ぐらいで、会社の中では役員クラスになっている人も多いでしょう。共働きで子育てをした人が少ない世代が管理職や役員になっているため、働きながら子育てをすることに難色を示す原因になっているようです。

社内の福利厚生など、妊娠・子育て中の女性を支える制度がない

福利厚生が少なく、妊娠・子育て中の女性に配慮した制度が整っていない会社はまだ多くあります。社内で制度化していないため、休みたい時に休めなかったり、休んだ時の調整ができずに他の社員から不満が出やすい傾向があります。会社全体で子育て世帯を応援する社風であれば、サポートし合うことが当たり前になり、マタニティハラスメントも少なくなるでしょう。

健康経営優良法人やくるみんに認定されている会社は子育てサポートが充実しています。転職を考えるようであれば、これらに認定されている会社から選ぶのがおすすめです。

マタニティハラスメントの具体的な対策とは

女性の事務員

マタニティハラスメントは法律で禁止されているため、なんらかの対策をとることが可能です。ここでは、実際にマタニティハラスメントを受けた時に行うべき対策についてご紹介します。

証拠を集める

マタニティハラスメントで相談する際、何よりも大切なのはマタニティハラスメントを受けたという「証拠」です。マタハラと捉えられるメールのやり取りなどは全て写真に収めるなど記録しておきましょう。また、上司の発言などは録音しておくとより効果的です。証拠として録音する場合は法律で禁止されていないため、万が一会社から禁止されてもやめる必要はありません。

とくに妊娠報告時や復帰の相談時にマタニティハラスメントの発言が出やすいため、この時に録音するなどの対策が効果的でしょう。

労働局へ相談する

労働局とは厚生労働省の地方支局であり、47都道府県全てに配置されています。 主に労働者からの相談を受け付けており、会社と労働者の間のトラブルを解決するために助言や指導、労働者と会社間による話し合いの仲介などを行っています。マタニティハラスメントの証拠を労働局に提出すれば、何かしらの対策をしてくれるでしょう。

しかし、労働局には強制力がないため会社との合意がなければ話し合いできません。労働局からの指導や助言を無視し、話し合いの機会も設けないようであれば転職も視野に入れた方がいいでしょう。

会社の相談窓口に相談する

大きな会社であれば社内に相談窓口を設置している場合があります。こちらも証拠を持って相談に行くと人事部などが間に入って事実確認などをしてくれます。マタニティハラスメントを行った本人にも指導や措置などを行うため、労働局に行く前に社内に相談窓口がないか確認しましょう。

転職する

あらゆる策を講じても効果がない場合は転職することをおすすめします。その際、健康経営優良法人やくるみんに認定されている会社の中から選ぶとよいでしょう。健康経営優良法人とは、社員が健康に働ける労働環境作りに取り組む会社のことです。社員の健康に投資をすることで会社の利益を上げるという考え方のもと営業しています。

中でも特に優秀な健康経営に取り組む会社には経済産業省から「健康経営優良法人企業認定」を受けています。 その中で上位500以内に入った会社は「ホワイト500」や「ブライト500」と呼ばれ、ワークライフバランスのとれた労働環境が整っています。大企業部門はホワイト、中小企業部門はブライトと分けられており、転職時はこちらも参考にするとよいでしょう。

くるみんとは厚生労働大臣から子育てサポート企業として認定された会社です。女性の育休取得率は最低75%、男性は7%以上であることや、テレワークといった多様な働き方に対応していることなどが審査項目が設けられており、一定の基準を超えると認定されます。審査項目はいずれも子育て世帯を応援する内容であり、満たしている数が多ければ多いほど子育てしながら働きやすい会社です。

マタニティライフを楽しみながら働けるよう、適切な対策をとろう

今回はマタニティハラスメントの実際にあった事例と共に、マタニティハラスメントが発生する原因や対策についてご紹介しました。子育てと仕事の両立を応援するために、福利厚生を整えるなど様々な努力をしている会社も増えてきています。マタニティ期間は10ヶ月あっという間に過ぎてしまう貴重な時間です。この期間を楽しむために、マタニティハラスメントの疑いがある場合は相談窓口で相談したり、転職を考えるのもよいでしょう

これから妊娠の予定がある人も、この記事を参考にマタニティハラスメントの対策をすることをおすすめします。

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