• 健康経営
  • 2022.10.09

退職金制度の種類とは?退職金にかかる税金について解説

空を見上げているビジネスウーマン
目次

近年日本では、退職金制度を導入し続ける企業が徐々に減少しています。そのため、転職をするときは、退職金がもらえるか、どのくらいもらえるのか気になる人も多いでしょう。 今回は、退職金制度の4つの種類と、退職金にかかる税金について解説していきます。この記事を参考にして、ご自身のキャリアプランに合った、退職金制度を導入している企業を見つけてみてください。

退職金制度とは

退職金規定を指さすビジネスウーマン

退職金制度とは「退職手当」「退職慰労金」と呼ばれ、一定期間在籍した従業員が退職する際に金銭が支払われる制度のことを指します。定年退職時だけでなく、自己都合の退職や解雇時、従業員の死亡時の適用も可能です。

また、定年退職時以外にも支給されることや、土地・不動産などでの支給の可能性もあり、企業は計画的に退職金として支払う金銭を用意しておく必要があります。

退職金制度の種類4つ

ポイントを説明するビジネスウーマン

退職一時金制度

退職一時金制度は、名前の通り一時金として一括でまとめて支払われます。従業員の勤続年数や役職から企業ごとに金額を細かく決めることができる制度のことです。
支給額の算出方法は、主に「給与比例制」「定額制」「ポイント制」の3つの方法から選ぶことができます。従業員自身も自分がどのくらいの金額を受け取れるのか計算し把握しやすいといえるでしょう。

中小企業退職金共済制度

退職金共済制度は、企業が共済と契約して積み立てた退職金を従業員へ支払う制度のことを指します。退職金を内部保留する場合は企業の財政状況が影響してしまう恐れがありますが、共済であれば従業員に対しての退職金を一定額保障することができます。

確定給付企業年金制度(DB)

確定給付企業年金制度(DB)は、「基金型」と「規約型」に分けられます。企業と従業員の間で年金給付額を決定した上で企業の外部で積み立てをおこなっていく制度です。中小企業では規約型の利用が多く、厚生労働大臣の許可が必要であったり加入人数に制限のある基金型はあまり利用されにくい傾向にあります。

確定拠出年金制度(DC)

確定拠出年金制度(DC)は、退職金運用の掛け金を従業員自身が選択し、自分自身で運用していく制度となっています。この制度は、給付額も運用方法によって変動するという特徴があり、年金の補完制度として利用されています。

退職金にかかる税金について

屋外でほほ笑んでいるビジネスウーマン

一時金として受け取る場合

退職金を一時金として受け取る場合、控除を受けることによって課税対象となる退職所得金額を減額できるメリットがあります。この退職所得金額は「退職金の金額(源泉徴収される前の金額-退職所得控除額)×1/2」という計算式によって求めることができます。
また勤務先で手続きを済ませてしまえば、確定申告などのややこしい書類業務をする必要がありません。

年金として受け取る場合

退職金を年金として受け取る場合、ほかの公的年金と合算して雑所得として換算することができます。基本的に確定申告が必要となってしまいますが、公的年金を含めた収入が400万円以下かつ一定の規定を満たす場合に限って「確定申告不要制度」が利用できます。その結果、年金として退職金を受け取るとしても確定申告をする必要がなくなります。

前払い退職金制度とは

書類をチェック・記入している女性

従業員の生活を保障することが目的とされている「退職金制度」に対して「前払い退職金制度」は、将来支払われる予定の退職金を現在の給料やボーナスに上乗せして受け取ることができる制度です。退職金に対しての考え方が「老後に受け取るもの」「安心のためのもの」ではなく、「将来に向けた行動のための資金」にシフトしているという変化が見られるようになりました。

前払い制度にかかる税金は、給与所得として課税されてしまいます。本来ある退職時に頂く退職金としての税率よりも数字が上がってしまうというデメリットがあります。また、企業側・従業員側ともに社会保険料が上がってしまうため、この料金をどちらが負担していくのか、注目されているポイントです。

退職金制度を導入するなら目的を明確にし慎重な決断を

今回は、退職金制度の種類4つや制度を企業に導入する際の注意点、また退職金にかかる税金について解説していきました。

終身雇用が崩壊し始め、退職金制度や老後に向けた資産形成のやり方も多様化しています。転職を考えている場合は、そのタイミングで退職金をきちんと受け取ることができるのか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

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