• 働き方改革
  • 2022.10.12

フレックスタイム制とはどんな制度?仕組みからメリット・デメリットについてもご紹介

スーツの男性
目次

近年、働き方改革が話題に挙がる中、フレックスタイム制を導入する企業が増えてきました。

しかし、フレックスタイム制についてよく理解していない人も多いでしょう。この制度をうまく活用することで、仕事とプライベートのバランスを自分に合った形に調整できます。

この記事では、フレックスタイム制の特徴や種類、メリットやデメリットについてご紹介します。フレックスタイム制を理解して、自分に合った働き方を目指しましょう。

フレックスタイム制とは?

時間軸

フレックスタイム制とは、一定の期間中、総労働時間内で自分の好きなように出勤や退勤、労働時間を調整できる変形労働時間制のことです。労働者1人ひとりの生活に応じた、柔軟な労働時間の配分を可能にします。

たとえば、月の労働時間が160時間と決まっている企業に勤めているとしましょう。1ヶ月の合計労働時間が160時間分確保できるのであれば、1日に10時間働いたり6時間で仕事を終えたりなど細かい調整が可能です。

フレックスタイム制と聞くと最近普及してきたイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、実は日本にフレックスタイム制が導入されたのは1988年のことです。

当時は1日8時間、週に48時間の労働時間が上限でした。しかし、徐々に改善されていき1997年に変更されてから現在に至るまで1日8時間、週に40時間の労働時間となっています。

企業がフレックスタイム制を導入するためには、就業規則と労使協定の要件を満たしている必要があります。勤めている企業が、これらの要件を満たしているか確認しましょう。

フレックスタイム制の勤務時間や種類

通勤ラッシュ

ここからは、フレックスタイム制の具体的な勤務時間や種類についてご紹介します。フレックスタイム制を導入しているからといって仕事をする時間はいつでもよいわけではありません。

フレックスタイム制を理解することで、仕事とプライベートのバランスを最適な形に調整できます。ワークライフバランスを充実させるために、しっかりとフレックスタイム制を理解しましょう。

フレックスタイム制の労働時間

フレックスタイム制は通常の労働環境と異なり、基本的に必ず勤務しなければならない時間帯は存在しません。

あらかじめ企業で決められた条件をもとに、総労働時間に沿って勤務します。条件を満たしていれば、1日の労働時間を自由に決められます。

しかし、企業によって必ず勤務しなければならない時間帯も設定されているため注意が必要です。

コアタイム

コアタイムとは、企業が定めた1日のうち必ず勤務しなければならない時間帯のことです。たとえば、コアタイムが午前10時から午後の15時までと定められている場合、その時間帯は通常通り勤務しなければなりません。

そのため、出社する時間は遅くとも午前10時までとなり、退勤する時間も早くても午後15時となります。自分が勤めている企業がどのようにコアタイムを設定しているか事前に確認しましょう。

コアタイムを知らずにいると遅刻扱いになったり欠勤扱いになったりします。転職などで働き方が変わった場合は、転職先の企業の勤務時間についてきちんと確認しましょう。

フレキシブルタイム

フレキシブルタイムは、自分で決められる働く時間帯のことです。コアタイムの時間帯であれば何時に出社するか、いつ退勤するかなど個人の裁量で調整可能です。

人によっては育児中や介護中で急に早退しなければならないときもあるでしょう。また、自分が体調不良になったときもフレキシブルタイムであれば柔軟に対応できます。

そのほか、プライベートの用事を優先させられるためワークライフバランスが整いやすくなるでしょう。

転職を考えている人は、フレキシブルタイムがある企業を選ぶことをおすすめします。

フレックスタイム制のメリット

テレワーク

ここからは、フレックスタイム制のメリットをご紹介します。フレックスタイム制は様々なメリットがあり、労働者にとって働きやすい環境となっています。そのため、フレックスタイム制を導入している企業は非常に人気です。

近年、働き方改革の意識が強くなっています。フレックスタイム制を導入している企業は、導入していない企業に比べて離職率が低いことも特徴の1つです。

フレックスタイム制のメリットを理解することで最大限に制度を活用できます。フレックスタイム制のメリットについてよくわかっていない人は参考にするとよいでしょう。

ワークライフバランスが取りやすい

フレックスタイム制のメリットは、仕事とプライベートのバランスが取りやすいことです。出勤時間と退勤時間を自分で調整できるため、プライベートを優先しやすくなります。

子どもがまだ小さい場合、保育園や幼稚園などのお迎えに行きやすくなるでしょう。そのほかにも、親の介護が必要だったり子どもが病気になったりした時は非常に助けになる制度です。

フレックスタイム制が導入されていない場合は、仕事かプライベートかどちらか一方のみを選ばなければいけないことが多くなります。仕事とプライベートどちらも犠牲にすることなく、両立できるのは大きなメリットの1つでしょう。

通勤ラッシュや退勤ラッシュを避けられる

通勤や退勤時の満員電車や満員バスを避けられることもメリットの1つです。通勤ラッシュや退勤ラッシュの時間は電車やバスの利用者数が非常に多くなります。

目的地が数駅先でも満員電車や満員バスによるストレスは大きいでしょう。朝からストレスを感じたまま仕事に取り組むと作業効率が落ちることもあります。自分で働きやすい環境を作るためにも通勤時間の調整は重要なポイントになるでしょう。

業務の効率化につながる

一般的に月初や月末は仕事が多忙になる傾向があります。多忙な期間中はコアタイムの時間帯のみに集中することで仕事のメリハリがつきます。業務の状況次第で働き方を調整することも可能なため、仕事の効率化につながるでしょう。

そのほかにも、プライベートも優先できるため精神面でもリフレッシュできます。精神面でも負担を減らせれば、目の前の業務だけでなく将来の仕事についてもよい影響を与えられるでしょう。

フレックスタイム制のデメリット

考える男性

フレックスタイム制は多くのメリットがありますが、その分デメリットもあります。ここからは、フレックスタイム制のデメリットについてご紹介します。

デメリットを理解しておくことで、業務の効率化や社員とのコミュニケーションの活性化につながります。

コミュニケーションが取りづらくなる

フレックスタイム制では出勤時間がそれぞれ異なるため、連絡が遅れたりコミュニケーションの不備が発生する可能性があります。

また、フレックスタイム制で労働時間人によって異なるため、チーム単位や組織全体でのミーティングが設定しづらいこともデメリットです。

そのほかにも、社員同士の会話や一緒に休憩を取るなどのコミュニケーションの機会が減ることもあるでしょう。コミュニケーションが不足すると報連相が遅れるなどの問題がおきます。

フレックスタイム制を活用する場合は、コミュニケーションが希薄にならないよう注意が必要です。

スケジュール管理が必要

フレックスタイム制は自分で労働時間を決められる反面、スケジュール管理が必要です。スケジュール管理をしっかりしなければ生活リズムが乱れてしまい、体調を崩す可能性があります。

また、取引先や社内での予定も把握しておく必要もあります。9時から打ち合わせの予定だったのにもかかわらず、10時に出社してしまうなど問題が起きる前にスケジュールを管理しましょう。

そのほかにも、自分が部下を持っている場合は、メンバースケジュールを把握することも重要です。

フレックスタイム制は、コミュニケーションが取りづらくなるため、業務命令や指示を行う際にメンバーがいないなど起きないように注意しましょう。

業務をスムーズに行うためにも自分だけでなく、他のメンバーのスケジュールも把握しておくことが重要です。

迅速な対応が取りづらい場合もある

何か問題が発生した場合にすぐに対応が取れないこともデメリットとして挙げられます。とくに取引先の企業がフレックスタイム制の導入していない場合は、連絡が取りづらくなることもあるでしょう。

「電話をしたがなかなか電話にでてくれない」「連絡が遅い」といったことを取引先が感じてしまうと、相手の信頼関係を失うこともあります。そうならないためにも、こまめな連絡は心掛けるようにしましょう。

フレックスタイム制を活用しライフスタイルに合わせた働き方をしよう

ここまでフレックスタイム制の仕組みとメリットやデメリットについてご紹介してきました。フレックスタイム制は労働者にとって非常に重要な制度です。

フレックスタイム制をうまく活用することで、業務を効率よく進められたりプライベートを充実させられます。フレックスタイム制のメリットやデメリットを理解し、自分の生活に合わせた労働環境を作りましょう。

また現在の職場が合っておらず、フレックスタイム制を導入している企業に転職を考えている人は、健康経営に力を入れている企業を選ぶことをおすすめします。

健康経営に力を入れている企業は、仕事とプライベートを両立しやすい特徴があります。有給休暇や産休なども取得しやすく、フレックスタイム制を重視している人に適しているでしょう。

自分に合った労働環境を作るためにも、転職する際は健康経営優良企業であるか確認してみてください。

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