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  • 2020.11.19 (最終更新日:2022.03.26)

内向型の性格にメリットはある?内向型が、仕事は辛いと感じる理由とは

目次

内向型の性格やそのメリットを紹介

内向型 性格を内向型と外向型に分類するのは、聞いたことがある方も多いと思います。内向型って具体的にどのような性格なのでしょうか?

内向型の性格について

スイスの心理学者ユングは、約100年前に人の性格を「内向型」と「外向型」に分類しました。100年も前から、性格にこの分け方があるなんて驚きますよね。内向型が興味を示す対象は、自分自身の思考や感情。これに対して外向型の人は、興味を示す対象が他人など自分の外側にあるわけです。

たとえば、内向型の人は自宅で過ごすことが好きだとします。これに対して外向型の人は、外で大勢集まってコミュニケーションを取るのが好きなわけです。それぞれ、満足感が得られて充実していると感じる対象が異なるのですね。

ストレスを受けたときにも、性格の違いが現れるケースがあります。内向型の人は、1人の時間を作ってリフレッシュをしているのです。なぜなら、外部からの刺激を受けることはストレスになりやすいからですね。プレッシャーを感じると、1人の空間で落ち着きたい、と考えるのではないでしょうか。

一方、外向型の人は、大勢集まって雑談することがストレス発散になります。筆者は典型的な内向型の人間です。学生時代は人とのコミュニケーションが苦手でしたし、1人自宅にいるのが好きでした。

これらのことは、性格の違いだと感じることでしょう。しかし、最近は遺伝子や脳など先天的なものが関係しているのではないかと言われているのです。半分ぐらいの割合で、育ってきた環境やこれまでしてきた経験なども関わってくると考えられています。人の性格は、奥が深いですね。

内向型の性格にメリットはある?

世間では、内向型の性格はあまり良くないと言われているように感じますよね。しかし、内向型の性格にも、メリットがあるのです。今まで、良くないものと言われてきた人は意外だと思ったのではないでしょうか?

内向型の場合、頭の中で様々な考察をします。多角的に物事を考えられるので、視野が広がるのです。その結果、他の人では考えが及ばないことへも理解を示せます。

お伝えした通り、内向型の人にはコミュニケーションが苦手な面があります。外向型の人とコミュニケーションを取るときは、よく話を聞く側になります。ときには、「また、上手に会話を広げられなかった・・。」と落ち込むこともあると思います。しかし、それならば聞き上手になれば良いのですよ。

話をするのが好きな相手なら、会話しがいのある相手になれます。性格上、友人の数は多いとは言えないかもしれません。でも、親身になって話を聞くことで友人に頼りにされることもあります。

感受性が豊かなのも、内向型の人の性質です。考察力や集中力もありますから、創造力の発揮できる仕事に向いていると言えます。他の人から受ける感情などをストレスに感じやすい部分もありますが、アウトプットもしやすい環境なのです。思考力も持ち合わせているので、何かを作ってみればほかの人が考えつかないものが出来るかもしれませんよ。

内向型の人は、大勢の人とコミュニケーションを取るのが得意ではありません。周囲に、複数の人が集まると全員に気を遣ってしまって疲れますよね。しかし、1対1で会話することは苦手ではありません。感受性が豊かですから、相手の敏感な変化も感じ取れます。

内向型の人が、仕事が辛くなる理由は?

内向型 内向型の人は、しばしば仕事が辛く感じることがあります。それはどうしてでしょうか?そのことを掘り下げていくと、思いがけず深い理由がありました。

コミュニケーション能力が重要になったから

チャレンジ精神や主体性は、企業が求めるものの1つです。しかし、それ以上に企業はコミュニケーション能力も求めるようになりました。お伝えした通り、内向型の人は外部からの刺激をストレスに感じやすいです。人と会話をする機会が増えれば、それだけプレッシャーを感じます。そのため、内向型の人は仕事がやりにくいと思うようになりました。

刺激を避けるために警戒心が強くなるのも、内向型の人の特徴。その警戒心は、ときに人と関わるときの壁として現れることもあります。コミュニケーションが大事だと言われる中で、周囲と足並みをそろえて会話をしたり人に頼ったりすることが困難になるのです。

業務内容以外にも、ときにコミュニケーションが必要な場面があります。それは、会社の人と雑談するとき。仕事に集中したいときに、意味の無い会話をされると気疲れしてしまいます。

競争社会が激しくなったから

経済が発展して、私たちの生活は豊かになってきました。経済がグローバル化したことにより、日本製品だけではなく海外の製品も手に入るようになったのです。安い製品を手に入れやすくなった結果、日本企業は競争社会にもまれることとなりました。

しかし、反対に市場が拡大しているとも言えるのです。市場が拡大している中で、今まで通りの作業をしていては効率が悪いですよね。

そこで、仕事の効率を上げるためにいくつかの業務を並行して進めていく「マルチタスク」が増加しました。内向型の人は、1つのことに深く踏み込んで追及していく好奇心が強いです。そのため、マルチタスクのような作業は得意ではありません。

また、外向型の人はこの状況にも順応していくのに対し、内向型の人は仕事の効率が悪化しやすくなります。学生時代に、周囲と成績を競うような環境では、効率が上がりにくいと感じた人もいることと思います。

内向型の人が、仕事がハードだと感じるようになった理由には、経済のグローバル化や競争社会の激化なども影響していたのですね。もちろん、競争社会が激しくなった理由はほかにもあります。仕事が辛いと感じる原因に、根本的な社会の変化が関わっているとは思いもよりませんでした。そもそも競争自体、内向型の人が苦手になりやすいものですよね。

 経営の方針が変化したから

今までは、与えられた仕事を自分1人で黙々とやるのが普通でした。ところが、経済発展のために技術改新が求められるようになります。そうなると、今までのやり方では回らなくなってくる部分も出てきますよね。その結果、作業の効率化を図るオフィスソフトを導入したり、情報を共有したりするようになりました。

組織全体で課題に取り組む風潮が生まれて、1人で抱えるのは良くないこととされるようになったのです。内向型の人は、警戒心の強さから人と打ち解けたり頼ったりすることが苦手。周囲に気を配りながら仕事をするのが良いとする流れに、ストレスを抱えてしまうのですね。筆者も、周囲から行き過ぎた監視やサポートのある環境下での仕事はやりにくいと感じてしまいます。

内向型が疲れないための仕事の選び方とは

提案 仕事が辛いと感じたら、「働くこと自体が向いていないのでは・・」と思ってしまいますよね。しかし、自分の性質や仕事の種類を知らないだけの場合もあります。

仕事の選び方を工夫する

内向型の人は、マルチタスクが苦手だというのはお伝えした通りです。たとえば、接客業は苦手だと感じてもデスクワークの多い職種に転職したら相性が良かった、との例があります。

自分と相性の良い仕事を探しにくいのは、仕事の種類自体を知らないからとの理由もあるのです。思い出して欲しいのですが、今の仕事を始めることになったいきさつは何ですか?「古い友人の紹介」や「家業を継いだ」など様々な理由があることでしょう。または、同学年のライバルたちにもまれながら、慣れない就職活動をして今の会社に入社したのですよね。

でも、学生時代に知れる職種が全てではありません。学生のうちに知れる職種なんて、社会全体のほんの少しだと思います。そんな中で、社会人の経験も無い人間が、自分にぴったり合った仕事を見つけるなんて至難の業なのです。筆者も、学生時代にもっと社会にどのような職種があるのか知れる機会があればいいのに、と考えたことがありました。

大前提として、自分が今知っている職種は少ないのだと理解しましょう。そうして、シングルタスクが可能な仕事を選ぶのが自分に合った仕事を選ぶポイントです。実際に向いている仕事については、先の項目で紹介します。

不規則にならない仕事がおすすめ

内向型の人が仕事を選ぶときのポイントは、イレギュラーな業務が発生しにくい会社を選ぶことです。仕事ですから、完全にイレギュラーの無い会社などありません。しかし、このようなことが発生しにくい仕事はなんだろうか?と前もって考えるのは可能です。

マルチタスクの仕事で有名なのは、接客業ではないでしょうか?商品を取りに行っている間に、複数のお客さまから別の商品の場所を尋ねられることもあります。レジを対応しているときに、ほかのことを横から尋ねられることもあるでしょう。苦手な人は心底苦手な仕事内容だと思います。

一方で、デスクワークの多い仕事だと、集中して今やるべき案件に取り組めるのです。その作業の合間にしなければいけない業務が少なければ、パソコンに向かって黙々と作業をこなせます。1つの業務に集中できる仕事なら、少しずつ自分のできることも増えていきストレスも感じにくくなるのです。

内向的な人が仕事をしやすい環境は、イレギュラーな業務の発生が多いかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。

内向型に向いている仕事は何があるのか

ビジネス 向いている仕事など無いのでは?と落ち込む必要はありません。内向型の人にも、向いている職種があります。

制作に関わる仕事

内向型の人に向いているのは、制作に関わる仕事です。Webライターなら、在宅の静かな環境で仕事が可能ですよ。仕事のやりとりは、メールやチャットツールなどの文面で完結することが多くあります。よく考えてから発言したい内向型の人に、会話のやりとりが文面のみというのは嬉しいのではないでしょうか?

Webサイトのデザインを造る、Webデザイナーの仕事も内向型の人におすすめです。実績があればフリーランスとして働けるのも内向型に向いているポイント。Webのみに限らず、印刷物の制作をすることもできますよ。

単純な作業が多い仕事

データ入力をしたり、書類作成をしたりする事務職がおすすめです。数字のチェックなど、細かい部分も多い仕事ではあります。しかし、金額のチェックなど地道な作業が苦手でなければ、ストレスもそれほど多くかからないでしょう。

休日出勤や残業が多くないのも嬉しいですね。これらの特徴から、コミュニケーションが得意ではない人が集まりやすい職種でもあります。

基本的に1人でできる仕事

トラックドライバーも、仕事中は基本的に1人ですから内向型の人におすすめです。多少のコミュニケーションは必要なものの、運転中は1人ですよ。長距離なら、1日人と関わらないという日もあります。日々、会社でのコミュニケーションで頭を悩ませている人なら、夢のような仕事のように見えますよね。

最近では、人手不足のために求人が増加しています。大型トラックの免許が必要なケースが多いです。しかし、大型トラック免許の取得を会社でサポートしてくれることもありますから、普通自動車免許は取得しておきましょう。

プログラマーの仕事は、人と関わる機会が少ないので内向型の人に向いていると言えます。集中力が必要な仕事なので、集中力が切れる原因の電話には極力出なくても良い工夫をしている会社もあるのです。しかし、その一方で変化の速いIT業界に付いていけるストイックさも必要。変化が速いことは、内向型の人にとって大きな刺激となり得るのです。

人の気持ちを考える仕事

内向型の人は、感受性豊か。自分の気持ちを汲み取れるのが強みです。そのデリケートさには、相手へ気遣いができる優しさもあります。営業の仕事は、外向型の人にこそ合う仕事だと考えがちです。しかし、お客さまの気持ちを汲み取って少数でしっかりコミュニケーションを取る営業は、内向型の人が向いていると言えます。

お客さまのことを考えて、繊細な対応をと気遣いの試されるシーンでは、内向型が活躍できると言えるのではないでしょうか。
 

健康経営でテレワークやフレックス制を導入している企業がある

医療 内向型の性格で、今の仕事が合わずに「転職しようか・・」と悩んでいる人も多いと思います。そんな人は、健康経営に取り組んでいる企業から転職先を選ぶのもおすすめの方法です。

健康経営に取り組む企業は、働き方の多様化に応用するために、テレワークやフレックスタイム制を導入しているケースがあります。毎日会社のデスクに座り込んで、残業までしている人からすれば考えられない制度ですよね。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、テレワークが増進されるようになってきました。とはいうものの、今までの出勤スタイルをなかなか変えられない企業が多いのも現実です。

しかし、健康経営に取り組む企業の場合、素早く世間の動きに順応しようとしています。以前、当コラムでも健康経営を実施する企業としてトヨタ自動車株式会社を取り上げました。トヨタ自動車株式会社では、在宅勤務を取り入れているのです。大手企業が働き方の多様化に取り組めば、ほかの企業へも広まる可能性がありますね。

サントリーホールディングス株式会社も、テレワークを導入しています。試行導入は2007年からで、当初は介護や育児をする従業員が対象でした。しかし、2008年からそのような理由を問わず対象者を拡大したのです。それだけではなく、従業員に浸透させるためにマネージャーにテレワークを経験してもらうようにしました。

働き方を根本的に変えていき、適切な労働時間で生産性の向上につなげようとしているのです。従業員としても、労働時間が減っているのに作業効率が上がっていれば仕事で充実感が得られます。

まとめ

学生時代に、「大人しいことはいけないこと」とか「もっと積極的にならなければいけない」と言われてきた人も多いのではないでしょうか?社会に出ても、雑談や自分の意見を言うシーンなどが相変わらず苦手な人も多いことと思います。そして、自分は働くことに向いていないのではないか・・。と極端な考えになってしまうのです。

しかし、必ずしもそうではありません。自分自身が得意なことを見つけて、仕事の種類を知れば道が開けることもあります。周りの人たちは、充実した人生を送っているように見えますよね。しかし、仕事が辛いと悩んでいる人は案外多いのです。
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