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  • 2020.12.18 (最終更新日:2022.04.07)

未経験歓迎は罠なのか。その言葉に潜む意味を具体的に解説します

目次

「未経験歓迎」は罠なのか?言葉の裏に隠れた意味とは

面接 企業の求人でよく見かける、未経験歓迎の言葉。しかし、「未経験歓迎の求人に応募したのに不採用だった、未経験歓迎は嘘だ」という声を聞くこともあります。

未経験歓迎は本当に嘘なのでしょうか?実は、言葉の本当の意味を理解していないのかもしれません。未経験歓迎が嘘だと言い切る前に、その言葉の本質を理解しておきましょう。

未経験には3種類あることを知っておこう

実は、未経験には3種類あることを知っていましたか?未経験に種類があることを予め知っておくだけでも、求人の本質を見極める手助けになります。

1つ目は、業界が未経験である場合です。今までに経験したことのない業界の職種へ転職することを業界未経験と言います。たとえばIT関係の職種に就いていた人が、美容関係の職種に転職することです。正社員の経験はあるものの、その業界の知識は全く無い状態ですね。

業界未経験者歓迎の企業は、その旨を求人に記載している例もあります。どんな人でも入りやすいイメージがある反面、「誰でもいいから来て欲しい」と言うぐらい人手不足に陥っている可能性も高いので注意してください。

2つ目は、職種が未経験である場合です。たとえば、物流会社の現場仕事をしていた人が、異なる物流会社の事務仕事を担当することもここに当てはまります。筆者は職種未経験で働いたことがありますが、扱う商品は異なるもの業務の大まかな流れや重要なポイントを理解していたので働きやすかったです。

職種未経験では、仕事は違うものの業界の知識があるので、企業から期待される例も多いです。未経験歓迎と書いていながら、業界の知識がある人を求めている例も少なくありませんよ。

最後に、完全に未経験者の場合です。これは、就職自体が完全に未経験という人を指します。未経験に3つの意味があることを知らない人が求人で「未経験歓迎」を見つけた場合、就職自体が未経験の人も応募しやすいのではと考えますよね。

未経験可や未経験歓迎とだけ書かれており、詳細の書かれていない求人もあります。詳細のない求人では完全未経験者は対象外の可能性もあるので、どのような求人なのか見極める必要がありますよ。

未経験を歓迎するのはブラック企業の可能性もある

未経験者を歓迎するのはブラック企業の可能性もあります。未経験の種類を知れば、未経験者を歓迎している求人にはリスクも伴うことが理解できたのではないでしょうか?

ホワイト企業とブラック企業では、そもそも求人で求める人材が異なります。ブラック企業はとにかく人材を集めたいので、求人の入り口を広くする必要があるのです。そのため、未経験歓迎の言葉を使い、応募の敷居を低くします。

一方でホワイト企業は、ブラック企業ほど焦って求人をする必要がありません。しかし、多くの場合わざわざ未経験者の応募はできませんと求人に書かないのです。未経験者の応募が不可でなければ、解説した3種類の未経験者全てが応募します。ホワイト企業は、その中から優秀な人材を選んで採用するのです。

求める人材でなければ、たとえ経験者からの応募であっても採用しないこともあります。ホワイト企業はブラック企業ほど、人材を集めるのに困っていないわけですね。このことを覚えておき、求人を探すさいに役立ててください。

未経験歓迎を掲げる企業の意図とは

面接 求人で未経験歓迎を掲げる企業の意図は複数あります。複数の意図を理解して、ブラック企業に応募しないようにしたいですね。ここでは、4種のパターンを紹介します。

その1・離職者が多いのでたくさん採用したい

離職者が後を絶たないブラック企業が大量に採用するために、未経験歓迎を掲げている例があります。せっかくたくさんの人材を採用しても職場環境が悪いため多くの人が辞めていき、またたくさん採用するという悪循環に陥っているのです。

ブラック企業では、結果を出せなければわずかな給料しか貰えず、当たり前にサービス残業が蔓延しています。厳しい環境に耐えられず、長続きしない人がたくさんいるのです。社員を育成すれば良いのにと思うところですが、基本的に使い捨てと思っておりその考え方ができません。

このパターンの求人の見分け方は難しくありません。とにかく人材を集めたいので、簡単に内定を出すのです。内定の獲得があまりにもあっけない場合は、気をつける必要があります。

その2・入口を広げて応募者を集めたい

不人気の職種である場合、募集要項に経験者が欲しいことを記載してしまうと、応募者が集まりにくいのです。そのため、お伝えした通り未経験歓迎と記載して応募の敷居を低くする企業があります。募集しておきながら、未経験者を採用する気がありませんのでこのケースは厄介です。

未経験歓迎と書いておけば、未経験の求人を探している求職者の目にとまります。なぜなら、未経験歓迎で検索したときに、自分の企業が引っかかるからですね。すると企業側は、たくさん来た応募者の中から1番求めている人材を選べます。歓迎と書いておきながら未経験者を採用しない企業があるので、この言葉自体が罠だと言われているわけです。

このパターンに引っかからないためには、職種について調べることが大切。専門の資格や能力が必要な仕事にも関わらず未経験歓迎と書かれていれば注意してください。最初は誰でもできそうな仕事から始めると求人に書かれていても、専門知識を入社後に習得する例も多いですよ。

ただし、入社後に研修等で専門知識を習得する旨があらかじめ記載されていれば、良心的な企業と言えます。求人を隅々まで読んで、書かれていることの意図を理解しましょう。

その3・優秀なら未経験でも採用したい

ホワイト企業で、優秀なら未経験でも採用したいと考えている企業があります。または、業績が好調なのでとにかく人材を集めたいと考えている企業。ブラック企業ではありませんので、このような企業に応募したいですね。

しかし、未経験を採用するホワイト企業は採用の難易度が高いです。第二新卒者や、業界の経験者であっても難しいことがあります。前職での能力や実績が求められるのです。

その4・未経験者を採用し社内を活性化したい

未経験者を採用して、社内を活性化したいと考える企業もあります。その理由には、異なる業界を経験した人を採用し新たな価値観を取り入れたいと考えている場合。そして、業績が好調なので積極的に若手を採用したいと考えている場合があります。第二新卒の方は、このような考えの企業への応募がおすすめです。採用の難易度が高くないからですね。
 

未経験歓迎でも受からないのはなぜ?

職務経歴書 未経験歓迎という言葉に様々な意味があることまで理解したのに、受からなくて悩む方もいると思います。未経験歓迎でも受からないのには、どのような理由があるのでしょうか?

自己PR内容を複数の企業で使いまわしているため

「毎回自己PRを考えるのは面倒だ。未経験者歓迎の企業なら、選考も厳しくはないだろう」と考え、自己PRを使いまわす人がいます。しかし、自己PRの手を抜くことは、1番大事な部分の手を抜くことと言っても過言ではないことを覚えておいてください。

自己PRを複数の企業で使いまわしてしまうと、内容によって採用担当者に支離滅裂だと思われてしまいます。自己PRを使って効果的なアピールをしたいのであれば、使いまわさずに毎回きちんと考えましょう。

履歴書には経歴や住所など、企業ごとに内容の変更がいらない箇所もあります。企業ごとに内容の変更がいらない箇所は、コピーを使用した方が効率よく履歴書を作成できますね。

たとえば、化粧品と関わる仕事なのにIT系の資格を書いていても強みにはなりません。これは極端な例ですが、複数の資格を持っているのなら資格の欄も企業ごとに変えた方が誠実です。

向上心を伝えられていないから

未経験歓迎の求人の中には、若手を採用して育成する企業もあります。未経験の若手を採用しようと考える企業に受かるには、向上心を見せることが必要です。

育成しようと企業側が努力しても、社員側にやる気が感じられなければお互いの気持ちにズレが生じますよね。それに、やっと仕事を覚えてきたところで辞められてしまっては、元も子もありません。

そのようなことを避けるためにも、書類や面接で向上心があるかどうかを見極めたいのです。逆に言えば、入社前に向上心を伝えられる場が書類や面接しかないということ。数少ないアピールの場で、いかにやる気や向上心を伝えられるかが重要になります。

ライバルの存在を忘れている

お伝えした通り、未経験者歓迎だからと言って応募者が未経験者だけとは限りません。業界や仕事内容に詳しいライバルもたくさんいるのです。強いライバルがたくさんいることを忘れて、「未経験者を歓迎しているぐらいだから、簡単に受かるだろう」と考えるのは危険。優秀な経験者を採用したいのが企業の本音であることも多く、強いライバルが多ければ未経験者歓迎の求人に落ちることだってあるのです。

求人内容からブラック企業は見抜ける?

求人広告 できれば応募の段階でブラック企業を見抜きたいですよね。ブラック企業はどのような求人を出しているのでしょうか?

アピールする必要のないことを押している

ブラック企業はわざわざアピールする必要のないことをアピールしている例がよくあります。たとえば、経験だけじゃなくやる気も重視しますとか、社員が皆仲良く楽しい職場です、とか。この言葉だけでブラック企業だと判断はできませんが、学生のクラブではない会社がわざわざアピールすることではありませんよね。

アピールポイントに職場環境のことだけ書いている場合、仕事内容はきつい例が多いですよ。仕事内容のことを書けば、応募者が集まりませんから。体育会系の職場はやる気や実力主義な面を宣伝する傾向にあります。未だに根性論が蔓延っている会社なので、きつい仕事や残業でも積極的に引き受ける人材が好かれますよ。

仕事内容をメインに宣伝すると応募者が集まりにくい会社は、ほかのところで良い面をアピールしようとするのです。良いところだけを書いた上辺だけの甘い言葉に引き寄せられれば、ハードな現実を目の当たりにして半年も立たずに辞めたいと感じるでしょう。

社長からの熱い思いが書かれている求人

他の社員についてはほとんど書かれておらず、社長が不自然にしゃしゃり出ている求人広告の企業はワンマン社長の可能性があります。ワンマン社長は自分のことが1番だと思っているので、お気に入りの部下を近くに置いたりミスを部下に押し付けたりとやりたい放題です。

その結果、お客さまのことを考えて仕事をするのが理想なのに、社長の機嫌を取ることばかり考えるようになってしまいます。1番心配することが、「社長に嫌われないかどうか」だけになってしまうので、仕事の効率化に悪影響を及ぼすのです。影響が出るのは仕事の効率化だけに限らず、仕事以外の心配事が増えれば体調も悪化します。
当コラムでは、ワンマン社長に困っている方へ情報を発信しております。ワンマン社長が経営する企業に入社すると、どのようなことで困惑するのか具体的に知りたい方は、合わせてご覧ください。

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ワンマン社長についていけないと悩む人へ。その特徴や付き合い方とは

企業の健康経営の取り組みも確認しよう

健康 未経験歓迎という甘い言葉に誘われてすぐに辞めたいと思わないようにするには、企業に関する情報の収集が大事です。お伝えした通り、未経験者を歓迎しているホワイト企業の多くは業績が向上しています。そのため、企業の業績が分かれば未経験歓迎がブラック企業の罠なのかどうか分かりますよね。

情報収集の一環として、健康経営の取り組みも合わせて確認することをおすすめします。健康経営は社員の健康課題に企業が進んで取り組むことにより、双方にメリットがあるとの考え方です。

そのため、サービス残業が当たり前の職場やワンマン社長が運営している職場になりにくい特徴があります。新しいことを取り入れると、その本質が理解できずに表面上だけの施策になりがちですよね。

本質を理解しないまま残業を減らそうとすると、社員が家に仕事を持ち帰らなければならなくなり、本末転倒です。しかし、健康経営では残業を減らす取り組みもただ「残業をやめよう」と言うだけではありません。新しいシステムを導入するなどして、業務自体を効率化できるように工夫しているのです。

健康経営の実施を掲げている企業を今一つ信用できない方は、各社の公式Webサイトから取り組み事例をご確認ください。取り組んでいる課題や具体的な内容、実績などを公開している企業も多いです。
当コラムでは健康経営について情報を発信しております。具体的にどのようなメリットがあるのか分からなければ、企業が取り組む意味が理解できないのではないでしょうか。以下のコラムでは、健康経営を行えば企業にどのようなメリットがあるのかを解説しています。合わせてご覧ください。

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健康経営とは? 企業にとってのメリットと取り組む方法

まとめ

未経験歓迎と書かれている求人広告に応募して、受からなければそれは嘘だと考えてしまいますよね。しかし、未経験歓迎には3種類もの意味があったのです。未経験歓迎という言葉にこれほどの意味があったなんて、普通に転職活動をしていたらほとんどの人が気づかないもの。転職活動をしているのなら、ぜひ覚えておきたい内容です。

未経験歓迎に潜む意図のように、世の中には広く知られると困るので良い面しか見せていない物事がたくさんあります。そのことは、誰かが親切に教えてくれるわけでもありません。知れ渡ると困る物事の意図を見抜き、立ち回り方を覚えていくこともときには必要だと思うのです。
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