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  • 2021.03.16 (最終更新日:2022.04.06)

管理栄養士の就職先はどんな場所がある?選び方や収入などを紹介

目次

管理栄養士の就職先はたくさんある①

管理栄養士 管理栄養士として働く人の就職先には、どのような種類があるのでしょうか?

給食施設に就職する場合

管理栄養士としてのキャリアを積みたい人におすすめなのが、給食施設に就職することです。学校だけに限らず病院や会社、介護施設などの勤務先があり、仕事内容は就職先によって変わります。調理場の衛生管理が主要な仕事になるところもあれば、デスクワークが主要になるところもあるのです。とはいうものの、総合的なキャリアを積める環境なので、給食施設はキャリアを積みたい人に向いています。

給食受託会社で管理栄養士として働くと、調理業務から開始する例が多いです。管理栄養士に調理のイメージが無い人もいるかもしれませんが、身体が栄養を吸収するためには美味しい料理が欠かせません。また、栄養の基本を学ぶこともできます。就職先の候補に、給食受託会社というものがあることも覚えておいてください。

保育園や学校に就職する場合

教育現場に携わりたかったり子どもが好きだったりする人におすすめの就職先が、保育園や学校です。これらの就職先には食育という考え方があり、管理栄養士ではなく栄養教諭や学校栄養教諭などと呼ばれています。

学校教員免許を取得して学校栄養教諭になれば、子どもへ食育指導ができるようになるのです。指導と言っても堅苦しいものばかりではなく、食に関するクイズを出して子どもたちに考えてもらう例もありますよ。保育園や学校では、子どもの発育のために栄養バランスを考慮したりアレルギーを持っている子どもの調理を担当したりします。

フードコーディネーターになる場合

食べることに興味がありその良さをたくさんの人に広めたいのなら、フードコーディネーターの道もあります。フードコーディネーターの活躍の場は幅広いです。たとえば、以下のような例で活躍しているフードコーディネーターの方がいますよ。

・飲食店の新メニュー考案
・レシピコラムの執筆
・商品を作って販売する
・料理教室の先生を務める
・料理番組に出演する(知名度が出てきた場合)

食べることが好きで、人の喜ぶことを考えるのが好きな人には向いていると言えます。

管理栄養士の就職先はたくさんある②

料理研究家

料理研究家になる場合

料理を試行錯誤しながらより良くすることが好きな人は、料理研究家がおすすめです。料理研究家は大まかに分けると2種類あります。対象者が食に関するプロの場合と、たくさんの人を相手にする場合です。料理研究家は名前の通り、料理のことを研究したくさんの人に伝える仕事。フードコーディネーターと同じく、料理番組に出演したり料理本の執筆をしたりする人もいます。

食品メーカーに就職する場合

食品メーカーに就職すると、研究開発や商品の開発に携われることがあります。食品メーカーでの仕事内容は幅広く、メニューの開発や商品設計以外にブランド名の立案も行うのです。もちろん企業によって開発する商品は異なります。サプリメントやドリンク剤に関わる企業もありますよ。そのため食品メーカーに勤務するなら、自分が何に携わりたいのかを考えて就職先を選ぶのがおすすめです。

管理栄養士の就職先にはスポーツ関係の職場もある

スポーツジムやフィットネスクラブに就職し、スポーツを行う人へのアドバイスをする管理栄養士もいます。スポーツジムなどの公式Webサイトを見ると、管理栄養士から食に関するアドバイスが貰えることを書いている例も多いです。このような就職先に勤務する人は、人を健康にする仕事に興味を持っている人が多くいます。

管理栄養士として就職先を選ぶときのコツとは

就職先 会社 選択 管理栄養士の就職先がたくさんあり、どのように選べば良いか分からなくなった人もいることと思います。ここでは、管理栄養士として就職先を選ぶときのコツを紹介しましょう。

どのように活躍したいのか、夢をはっきりさせること

管理栄養士としてどのように活躍したいのか考え、夢をはっきりさせることが大切です。夢が曖昧だと管理栄養士として働く中でやりたいことが分からなくなったときに、この仕事が嫌になってしまうかもしれません。夢がはっきりと決まっていれば、仕事が辛いときでもすぐに前を向いて進んでいけるのです。これは、管理栄養士の仕事に限ったことではありません。

夢がありそれを達成できる就職先なのかどうかは、今後の仕事ぶりに大きく関わってきます。興味のある就職先を見つけたときに、「この就職先で、自分の夢を叶えることができるのだろうか?」ということについてしっかり考えてください。

将来的なキャリアのことまで考えよう

就職先を選ぶときには、10年後にどうなっていたいかを考えるのもおすすめです。管理栄養士としてのキャリアの計画を立てていれば、自分に足りない経験は何かが分かります。キャリアを叶えるためにおすすめの行動は、自分の夢と現状を手帳などに記して日常的に読み返すこと。

夢と現状を同じ場所に記せば、進み具合や足りないものなどが視覚的に分かるのです。それと合わせて、将来のことを年表にまとめるのもいいでしょう。キャリアの計画をまだ立てられていない人は、活躍している先輩から直接話を聞くことによって、刺激を貰えますよ。

学校の先生からアドバイスを貰う

学校の先生からアドバイスを貰うのも良い方法です。第三者の意見を聞くことによって、自分には見えなかった視点からのアドバイスが貰えることがあります。貰ったアドバイスはそのままにするのではなく、まとめることによって自己分析にも繋がりますよ。やりたいことだけじゃなくやりたくないことまで分かったり、嬉しいと感じることは何なのかが分かったりするので、就職先を選ぶことに役立つのです。

就職先がはっきり決まっているときでも、第三者からのアドバイスは必要。第三者から客観的な意見を貰えれば、理想と現実のギャップを埋めることに繋がります。そうすれば、就職してから理想と現実の違いを思い知ることも減らせるのです。

会社の規模だけで就職先を決めないこと

「大企業なら安心!」など、企業の規模だけを見て就職先を選ぶのはおすすめしません。仕事をすぐに辞めないために、大事なことは2つあります。1つは、先ほどお伝えした夢や目標があるかどうかです。もう1つは、自分の能力をきちんと発揮できる職場であるかどうか。

全ての人が、大企業で働くことが合う人ばかりではありません。中小企業のベンチャーのように、小規模で新しいことに挑戦する企業が合う人だっています。自分に合った環境を知るために、やはり自己分析は最適な方法だと言えるのです。どのような環境が自分に合うのか、しっかり分析しましょう。

予想外の就職先もあります

一般的にはあまり管理栄養士が働いているイメージの無い、予想外の就職先もあります。ダイエットをする人向けに健康管理を配信しているサービスを行う会社にて、食生活のアドバイスをする例もあるのです。また、ドラッグストアに勤務して薬との食べ合わせに関する相談を受ける管理栄養士もいます。

このように、管理栄養士の就職先はたくさんありますので、広い視野で就職先を選ぶのがコツです。

管理栄養士と栄養士の違いや年収の事情について

給料 収入

管理栄養士と栄養士の違いとは

管理栄養士は国家資格で、厚生労働大臣の免許を受けています。健康な方だけに限らず、病気や高齢などさまざまな事情を抱える方を対象として栄養管理や指導を行うのです。一方で栄養士は、都道府県知事から免許を受けた資格。栄養士の対象者は健康な方で、給食を運営したり栄養指導をしたりします。

管理栄養士と栄養士の年収について

管理栄養士は就いている職業や勤務先の企業により、年収が違うのです。管理栄養士の資格を取得している人の平均年収を確認すると、20代でおよそ260万円、30代でおよそ330万円。栄養士の仕事の平均年収は地域により差があります。栄養士は、およそ340万円です。

管理栄養士が年収アップするために何をすればいい?

管理栄養士や栄養士が年収アップのためにやるべきことも、勤務先により異なります。勤務先が保育園などで厨房業務が主要であるのなら、年収を上げることは難しいです。なぜなら、経営側にアピールできる機会が少ないからですね。

保育園によっては保育士と同じような業務を任されることもあります。年収を上げるために、栄養士と保育士を兼任するような業務体制を行うことも考えておくといいでしょう。また、年収を上げるために今までに行った経験のない新たな業務を始めるのもおすすめです。保育園勤務の管理栄養士は保育園の収益に繋がりにくい仕事内容なので、年収を上げるにはかなり頑張る必要があります。

つぎに、食品メーカー勤務で新商品開発をする場合について解説しましょう。食品メーカー勤務なら、新商品を開発するにはどのような手順が必要かを考えるのがおすすめです。新商品を開発するには食品の栄養についての知識だけに限らず、世間のニーズを知る必要もあります。管理栄養士も、マーケティングや営業に関する知識が大事なのです。

仕事でマーケティングをするために、取得が必須な資格はありません。とはいうものの、「マーケティング・ビジネス実務検定」などを取得するとステップアップに繋がることもあります。

社員食堂で働く管理栄養士が年収アップのためにできることも、見ていきましょう。社員食堂で働く管理栄養士が年収アップをするためには、積極的な企画や提案が必要。ビジネスマンである自覚を持って、積極的に企業へ貢献していく管理栄養士は、収入アップに繋がりやすいのです。

管理栄養士になるには?資格の難易度はどれぐらいなのか

受験 ここでは、管理栄養士になるために必要なものや、資格の難易度を確認しましょう。管理栄養士になるには、国家試験の合格が必須です。また、国家試験の受験資格として栄養士の実務経験や管理栄養士養成学校の卒業が必要など、受験までの難易度が少し高い資格となっています。

栄養士の実務経験が認められる施設は、以下の通り。

・特定多数の人に対し、食事を継続的に提供する施設。学校や病院などが挙げられる。
・各種学校施設。幼保連携型認定こども園や学校、専修学校など。
・栄養に関する研究をしている施設
・保健所などの行政機関
・食品に関する調理や製造、販売や加工を行う施設
・上記以外に、栄養に関する知識の普及や指導の仕事を行う施設

実務経験年数も、卒業した栄養士養成施設ごとに異なります。国家試験の受験申し込み締め切り日までに、以下の年数の実務経験を積むことが必要です。

・卒業した栄養士養成施設が4年制の場合、実務経験は1年以上が必要
・卒業した栄養士養成施設が3年制の場合、実務経験は2年以上が必要
・卒業した栄養士養成施設が2年制の場合、実務経験は3年以上が必要

第34回管理栄養士国家試験の情報は以下の通り。年ごとの移り変わりはあるものの、合格率は2016年以降上がり続けています。国家試験に受からなかったとしても、翌年再び受験することが可能ですよ。

受験者の数・・15,943人
合格者の数・・9,874人
合格率・・61%

引用:第34回 管理栄養士 国家試験結果PDF


受験する難易度は高く感じるものの、1度取得すれば更新をしなくても良い資格です。その後の就職で役立つ資格になるのではないでしょうか。

管理栄養士の仕事でやりがいや魅力とは

管理栄養士

やりがい・自分の考えた料理で喜んでくれること

就職先によって、管理栄養士は献立の作成を行います。献立作成時には必要な栄養やカロリーについて考えるのですが、それだけではありません。季節や行事も考慮します。管理栄養士は病気を患う人の栄養指導をすることもあるのです。さまざまな病気がありますから、当然栄養指導の方法も1人1人異なります。栄養の知識以外に、人体の構造や機能を把握していることも大事です。栄養について考えただけでは美味しくない料理になってしまいますから、料理を美味しくする工夫が必要不可欠。視覚的に楽しめる料理にしたり香りについて考えたり。

このように、栄養のことだけに頭を使えばいいわけではないので試行錯誤が必要なのです。その分料理を食べた相手が喜んでくれると嬉しさも増えますよ。料理を完食してくれたり次の料理を楽しみに待っていてくれたりするとき、喜びを感じるのです。

魅力・食や栄養の知識がつく

食や栄養は、私たちが生きるうえで欠かせないもの。仕事を通してそのような知識を身につけられれば、日常生活にも活かせます。管理栄養士になる前から食に関心がある人は多いですが、仕事を通してより知識を身につけられるので、今まで以上に普段の食事や調理を楽しめるのです。このことは、管理栄養士の仕事の大きな魅力であり、メリットであると言えます。

ホワイト企業に就職するためにできること

管理栄養士は利用者の健康について考えますが、それ以上に自分自身の健康についても考えて欲しいものです。ブラックな環境や合わない環境で働き続けると、心身に不調を来します。1度メンタルヘルス不調になれば、仕事に復帰するまでに時間がかかってしまうのです。そうならないために、なるべくブラック企業に就職しないようにしたいですよね。

就職先の企業を選ぶときに知っておいて欲しいのが、健康経営優良法人の認定制度です。この認定制度は経産省が運営しており、優良な健康経営を行う企業を選定するもの。健康経営優良法人に認定されるための基準も公表されているので、就職先を選ぶための1つの目安になります。健康経営優良法人は、2020年に6204もの法人が認定されている制度です。現在は健康志向が高まっているので、健康経営優良法人を目指す企業は増えていくのではないでしょうか。
当コラムでは、健康経営について情報発信をしています。以下のコラムも合わせてご覧ください。

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健康経営優良法人2020は6204法人が選出されました

まとめ

管理栄養士について解説しました。
  • 管理栄養士の就職先は豊富である
  • 管理栄養士になる目的をはっきりさせることが大事
  • 管理栄養士と栄養士は異なる資格である
  • 就職先により、年収を上げるためにできることも異なる
  • 管理栄養士の国家資格取得には、養成学校の卒業や実務経験が必要
  • 管理栄養士としてホワイト企業に就職するために、健康経営優良法人のことを知ろう
管理栄養士が活躍できる場所は幅広いため、深く自己分析を行って向き不向きを見極めるのがおすすめです。また、それぞれの就職先に関する情報収集も欠かせません。管理栄養士を目指す目的をはっきりさせておけば、将来仕事が辛く感じたときの力になることでしょう。
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