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  • 2021.01.26 (最終更新日:2022.04.06)

調理師の年収はどれぐらい?安いのは本当?仕事内容も合わせて解説

目次

調理師の平均年収はいくらなのか

調理師

調理師の平均年収について

調理師の平均年収は、およそ331万円です。調理師の平均年収は、どうして全体的に低いのでしょうか?調理師は一人前になるまでに時間が必要ですし、その間の月給が低いことが挙げられます。そして、 調理師はサラリーマンとは異なり昇格や年功序列がはっきりしていないことも、年収が低い理由の1つです。

調理師の年収が安い理由とは

飲食業界や介護業界などさまざまな職場で活躍する調理師。しかし、調理師の年収は安いのが現状です。調理師の年収が安い理由の1つに、昇給額が少ないことが挙げられます。昇給額が決められておらず、職場の制度によって決まるのです。そのため長く働いて昇給したとしても、その金額は2,000円のみという事例も少なくありません。

また、仕事の忙しさと給料が見合っていないことも挙げられます。責任のある立場になれば昇給がありますが、その分仕事量が増加するのです。昇給したこと以上に、仕事の負担が増えてしまうわけですね。

給料が低いのに責任のある仕事を任されていて、悩んでいる人も多くいます。そして、その悩みはほかの調理師にも伝わるのです。上司が悩んでいる姿をそばで見ている部下は、仕事に不安を感じてしまいます。

地域格差が激しいことも理由の1つです。調理師の平均年収は、東京ではおよそ462万円。しかし、静岡を見てみると330万円となっており、さらに安い地域もあります。地方で働く調理師は、手取り額だけでの生活は厳しいのが現状なのです。

地方で働く場合職場自体が少ないため理想の転職先が見つからず、高収入になることが難しいわけですね。

調理師が高収入になるためにできること

収入 給料 高収入 ここでは、調理師が高収入になるためにできることを解説します。
  1. 海外で修業を積む
  2. 稼ぎやすい地域を知る
  3. 雇われ状態では高収入になるのは難しい
  4. 知名度を上げよう
  5. 他の業界へ転職する
海外で修業を積めば、経験だけではなく自信や評価に繋がるのです。しかし、海外で修業を積むためには「働き口を見つける」「語学を身につける」「資金を用意する」ことが必要。働き口を探すときに多いのが、知人に紹介してもらうことです。企業のインターンシップを利用したり、上司や先輩などに海外の経験がある人がいないか聞いたりして、情報を集めてください。

さきほど調理師の平均年収がおよそ331万円だとお伝えしましたが、お伝えした通り地域ごとにも差があります。東京の平均年収はおよそ462万円ですが、大阪の平均年収はおよそ396万円です。有名な調理師が集まる東京は稼ぎやすく、ライバルが多いため情報も得やすい環境になっています。東京と比較すると少なくはありますが、大阪も調理師が稼ぎやすい地域だと言えるのです。調理師として高収入を目指すなら、東京がおすすめの地域と言えます。

ただ調理ができるだけでは、収入は上がりません。オーナーシェフになるなど経営する立場にならなければ、調理師として高収入になるのは難しいのです。オーナーシェフになるためには、調理以外にチームリーダーとしての心得が必要。鍋を磨いたり掃除をしたり、一見調理とは関係のなさそうなことが、オーナーシェフとしての基盤を作っていきます。経営を学ぶことや、従業員の指導をすることも仕事のうちです。調理ができるだけで満足するのではなく、積極的に仕事を掴んでいく姿勢が必須なのですね。

食材の仕入れや調理道具の点検、調理場の衛生管理、人材の確保など調理以外の仕事はたくさんあります。従業員の協力がなければこれだけの仕事をこなしていくのは難しいです。下積み時代からどんな仕事も怠らず、従業員から尊敬される人材になる努力も大切ですよ。

高収入になるための大事なポイントの1つとして、知名度があります。知名度があれば商品やサービスを販売したときに売れやすくなるので、結果的にあった方が高収入に近づきやすいのです。たとえば料理教室で人を集めることもできますし、料理本を売ることもできます。お店を流行らせれば、知名度を上げることに繋がるのです。流行のお店は多くの口コミが投稿されますしメディアに出る機会ができますよね。そのためには、利用客はどのようなメディアを見てどのような行動を起こすかを考えたり、他のお店との差別化を図ったりする戦略が欠かせません。

1から4までは、調理師として高収入になる方法をお伝えしてきました。しかし、他の業界へ転職する道もあるのです。将来性を求めて転職先を探す人には、食品メーカーが向いています。なぜなら、生活するうえで食品は必須なものなので、業績が急激に下がることはほとんどないと言われているからです。

需要を求めて海外進出している食品メーカーもあるので、そのような職場に転職すればキャリアを積める可能性が広がります。食品メーカーの平均年収の幅は広く、およそ400万から1000万です。男性の調理師なら、営業職も向いています。お客さまの意図や空気を読み取ることは、調理師として培ってきた経験です。営業職でも意図や空気を読み取ることは大事なスキルとなっています。営業職は未経験であっても、感覚を掴むことに苦労はしにくいのではないでしょうか。収入を上げる目的で、営業職へ転職する調理師は多いですよ。

調理師とは関係が無さそうなIT業界も、転職先としてはおすすめです。飲食関係のサービスを展開している企業なら、調理師として働いた経験を活かせます。ベンチャー企業では、教育体制を整えて未経験者を積極的に受け入れているところもあるのです。前職は調理師で、現在はエンジニアとして働いている人も多くいます。

調理師の仕事内容を具体的に解説

調理師 シェフ 調理師の1日は大まかに分けると以下のように進みます。
  1. 食材の仕入れ
  2. 食材の仕込み
  3. 営業中の調理
  4. 営業後の後片付け

調理師はどんな1日を過ごしているのか

食材がなければ調理ができないので、食材の仕入れから始まるのです。市場へ出向くこともあれば、知り合いの業者に食材を発注することもあります。食材の仕入れも含めて調理師の仕事ですから、「料理のことをよく知っている」だけでは、調理師として活動していくのは難しいのです。

つぎに、食材の仕込みに入ります。自宅で調理する場合、1から正しい手順で仕込みをする人はほとんどいないのではないでしょうか。しかしレストランなど短時間に多くのお客さまが訪れるお店では、食材の仕込みが必要不可欠なのです。野菜を切る、お米を炊くなどちょっとした手順を先にしておくだけで、効率よく回せます。食材の仕入れと仕込みを経て、ようやく営業中の調理になるのです。営業中はなるべくお客さまを待たせないようにする工夫が大切ですから、先の手順で食材の仕込みを行っていたことが活かされます。スピーディーに正確に、けれども丁寧に調理や盛り付けをするのです。

営業時間が終了してからも、調理師の仕事はあります。後片付けが残っているからです。調理場を掃除したり、片付いていない洗い物を済ませたりします。食中毒は、飲食店で働くなら絶対に出してはいけないものですよね。1度食中毒になれば、営業停止になるだけではなくお店自体の評価が下がってしまいます。そのため、衛生面にしっかり配慮しなければならないのです。営業時間が終了してからの仕事は、後片付けだけではありません。調理器具のメンテナンスを行うときもあります。包丁の切れ味が悪化していれば研ぐ必要があるので、包丁がどれだけ傷んでいるのかを定期的に確認することも大事です。

ここで紹介した流れは一例なので、責任のある立場になったり修業中であったりすると、ほかの業務が加わります。

ホテルで働く調理師の仕事内容

ここでは、ホテルの調理師を例に具体的な仕事内容を紹介していきます。調理場全体に加えて従業員の管理を行うのが、オーナーシェフや総料理長と呼ばれる人たちです。メニューの考案や調理体制の管理を行います。ホテルには、料理の下処理や仕入れを行うブッチャーという部門があるのです。ブッチャーには、仕入れや肉の保管に関する専門的な知識が求められます。盛り付けや調理を行うわけではないものの、ブッチャーの仕事によって素材の味を料理に活かせられるかどうかが決まっていると言っても過言ではないため大役なのです。

ホテルに宿泊するお客さまへ洋菓子を提供するのが、パティシエの仕事。新しいメニューを考えるときには、シェフの指示に沿って考えるときもあります。高いスキルが求められるシーンもたくさんありますから、センスや色彩感覚も問われる仕事なのです。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、提供する料理がフランス料理の場合ソーシエと呼ばれるソース担当者がいます。シェフが考えたメニューに合ったソースが作れるかどうかが、ソーシエの腕の見せ所です。新しいソースを作ったりソースを仕込んだりするのがソーシエの主な仕事ですが、盛り付けや調理を行うこともありますよ。

今回はホテルを例に挙げましたが、調理師は就職先によってさまざまな仕事があります。「調理師になりたい」と大まかに決めて動くのではなく、「何を作りたいからどこの調理師になりたい」など具体的に決めるのがおすすめです。

調理師の仕事のメリットや魅力

調理師 大変なイメージの強い調理師の仕事ですが、メリットや魅力はなんでしょうか。

メリット・働き口が多いので仕事に困らない

働き口が多いので仕事に困らないことは、調理師の大きなメリットです。東京や大阪などの地域では頻繁に調理師が募集されていますし、地方もその傾向にあります。働き口が多い地域なら労働者は職場を選べるので、より自分に向いている職場を見つけやすいのです。

メリット・手に職を付けられる

修業期間が長いうえに給料が低いと言われる調理師ですが、一人前になれば手に職が付きます。調理師は世界のどこでも働けますし、働き口に困ることがないのです。まず日本で調理師の技術を磨いてから、海外に進出する調理師もたくさんいます。調理師は手に職を付ければ付けるほど成長できるので、やりがいを感じられるのです。

メリット・将来独立できる可能性がある

調理師のメリットの1つに、将来独立できる可能性があることが挙げられます。自分の店を持つことを夢見る調理師は多いです。めげずに修業を積んでいけば、夢を叶えられます。お伝えした通り経営者の立場になるにはさまざまな知識が必要ですから、簡単ではありません。しかしその分、経営戦略やお店の回し方などの技術が身につきます。

メリット・まかない食が出る

まかない食が出るので食費にあまりお金がかからないことも、メリットです。配膳した料理の残りや余った食材で作ったものを食べます。勤務先によって、業者から割引券がもらえたり食材をもらえたりすることもあるのです。まかない食が出たり余った食材をもらえたりすることは、見習いでお金がないときに役立ちます。

魅力・自分の料理でお客さまに喜んでもらえる

自分の作った料理でお客さまに喜んでもらえることは、たくさんの調理師がこの仕事の魅力として挙げています。試行錯誤しながら考えたメニューや作った料理を目の前で喜んでもらえることは、調理師にとっても大きな喜びなのです。修業を積むうちに作れる料理が増えていくことも、調理師の楽しさの1つ。自分が身につけた技術でお客さまを笑顔にできれば、調理師を続けてきて良かったと思えます。

魅力・実力が重視される世界である

調理師は、実力が物を言う世界です。実力が物を言う世界特有のプレッシャーはあるものの、コツコツと努力していけば結果に繋がります。調理師としてできることが増えてきたら、難しい料理も任されるのです。そのことは自分の自信になり、新たな仕事の魅力に気づきます。実力があれば性別も年齢も問われないので、若いうちから出世することも可能。開店したばかりのお店から声がかかることもありますよ。結婚式場などで働く調理師は、実力を見込まれて誘われた人が多いです。

魅力・需要が多いため結婚後も役に立つ

結婚してからも役に立つ技術が多いのも、調理師の魅力です。家族の食事を作るときに知識が活かせるだけではなく、調理関係のサービスを始めて家計の手助けをすることもできます。料理は普段の生活で欠かせないもののため、さまざまな需要があるのです。

調理師になるには何が必要なのか

調理師

調理師になるために必要なものとは

調理師免許を取得するには、2通りの道があります。1つは、調理師の養成施設にて1年以上学習し、卒業することです。卒業すれば、受験せずに調理師免許を取得することが可能ですよ。もう1つは、2年以上飲食店で経験を積み、その後調理師試験に合格すること。後にも説明しますが、調理師として現場に立ったときに求められるのは技術や実務経験です。養成施設で技術を学んでいたとしても、働き出したらまずは見習いから開始することを忘れてはいけません。高卒で未経験を採用している求人を探し、見習い期間を経て2年後に調理師免許を取得する例もあります。

一人前になるために見習い期間が必要

お伝えした通り調理師免許を取得したいだけなら、調理師の養成施設で1年以上技術や知識を学習すれば取得ができます。しかし、調理師が現場で求められるのは年齢や学歴ではなく、技術や実務経験です。つまり一人前になるためには調理師免許だけではなく、見習いとして修業をする期間が大切ということですね。一流を目指すのなら、見習いとして修業することは欠かせません。

調理師と料理人の違いとは

調理師について調べていて、「料理人との違いは何だろうか?」と考えた人も多いのではないでしょうか。両者の違いは、調理師免許を取得しているかどうかです。調理師を名乗るには調理師免許が必要ですが、料理人は調理師免許がなくても名乗れます。このことは厚生労働省によって定められているので、無資格の状態で調理師を名乗れば罰金が発生する可能性もあるのです。

調理師に向いているのはどんな人なのか

調理師にはどんな人が向いているのでしょうか。ここでは、「料理が好き」など当たり前のことは除いて紹介いたします。まず、根気強く向上心がある人です。調理師は上下関係がはっきりしている世界。先輩の指導に異を唱えたいことがあったとしても、暗黙の了解で従わなければならない職場もよくあります。経験した部活動が体育会系であった人や、理不尽な状況でも根気強く向上心を持てる人は、調理師に向いていると言えるのです。また、正確な味覚を持つ人も調理師に向いていると言えます。調理師はさまざまな人に料理を提供する仕事です。正確な味覚は、どんな人が食べても美味しいと思える料理を提供するために必要なもの。そして芸術的な感性があれば、料理の盛り付けをするときに役立ちます。

ホワイト企業に就職するためにできること

健康経営 「働きやすい環境の職場で働きたい」ということは、誰もが思うことですよね。働きやすい環境と言えば、ホワイト企業をイメージする人も多いことでしょう。ここでは、ホワイト企業に就職するためにできることを1つ提案します。それは、健康経営優良法人の認定制度について知ることです。健康経営とは、従業員の健康問題は企業の課題であり改善を図ることによって企業にもメリットがあるとする考え方。そして、健康経営優良法人の認定制度は、優良な健康経営を行う企業を選定する制度です。

優良な健康経営と言っても、決してふんわりとした基準で決められているわけではありません。健康経営優良法人に認定されるには定められた基準があるので、どのような基準を達成した企業なのかを確認することができるのです。
以下のコラムでは、健康経営優良法人の認定基準が確認できますので、合わせてご覧ください。

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就職先を探すときには、「残業が少ない職場で働きたい」「きちんと仕事の効率化を考えている職場で働きたい」などさまざまな希望があることと思います。2020年の認定基準には、健康経営優良法人の必須項目に「健康宣言を発信する」ことがあるので、どの企業が健康経営優良法人を目指しているのか調べられるのです。また、多くの企業は健康経営のために行っている施策も公表しています。就職先に求める条件が決まっているのなら、企業がどのような取り組みを行っているかを調べることである程度把握できることがあるのです。

当コラムでは、健康経営について情報発信をしています。ホワイト企業で働くことに興味のある方は、健康経営について学んでみるのもいいのではないでしょうか。

まとめ

調理師の平均年収や仕事内容について解説しました。平均年収は全体と比較して低い傾向にあるものの、調理師として年収を上げる手段が全くないわけではありません。また、自分の作った料理をお客さまが目の前で喜んでくれるという魅力や、働き口が多いとのメリットもあります。調理師は見習い期間を終えたら、幅広い働き方を選択できるのです。平均年収だけにとらわれず多方面から情報収集をすることが、調理師として成功するポイントの1つだと言えるでしょう。
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