• 働き方改革
  • 2021.10.18

パラレルワークとは?副業とは違う新しいスタイルについて

目次

働き方の新時代へ

パラレルワーク とは現代社会で働く人たちの働き方や、仕事に対する価値観が大きく変わってきています。
ひとつの会社で定年までという終身雇用の意識は薄れ、転職や独立という選択肢も一般的になりました。
入社した後は年功序列による昇給昇格が当たり前、エスカレーター式に特に意識しなくても将来は安泰でしたが、昨今ではコロナ禍の影響も強くあり、ひとつの企業に依存するような形に将来を心配する社会人が増えています。
そこで注目されるのが「パラレルワーク(パラレルキャリア)」という言葉です。
このパラレルワークは働く本人だけでなく、実は企業側にもメリットがあります。
今回は現代にマッチする新しい働き方パラレルワークについて、言葉の意味や注目されている背景、メリットや注意点などを学んでいきましょう。

パラレルワークとは

パラレルワーク パラレルキャリアそもそもパラレルワークとはどのような働き方を指すのでしょうか。
ここでは、概要をはじめとしたパラレルワークの詳細について解説します。

概要

オーストリアの経営学者であるピーター・ドラッカーによって提唱された言葉で、本業とは別にほかの仕事を持つことや、本業の余暇を使って別のキャリアを築いていくことを指します。
ドラッカーといえば、日本でも数年前に『もしドラ』の略称で話題となりましたが、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』に出てくる「マネジメント」という著書が有名です。

「パラレル」は「並行の、並列の」を意味し、「ワーク」は「仕事」はもちろん「勉強、作業、研究」といった意味も持ち、利益を目的としたビジネス以外の活動も指します。
よってパラレルワークとは、ビジネスに限らずボランティア活動や非営利団体での活動などの社会貢献、学術の研究や調査、アーティスト活動などさまざまなアクティビティーを並行して継続していくことです。

例を挙げると、
  • 平日は会社勤め、休日にボランティア活動に従事
  • 本業の会社勤めに加え、個人でwebライター活動
  • 会社勤めをしながら自社製品をSNSにより拡散するインフルエンサー
など、パラレルワークは多種多様です。

パラレルキャリアとは

パラレルキャリアという言葉もありますが、明確な定義の違いはありません。
ワークは「仕事」で、キャリアは「経歴」というところから、ワークの方は本業に加えてさらに収入が見込める仕事を持つこと、キャリアの方は収入以外にも価値を見出し、スキルアップが見込める活動をすること、という理解でいいでしょう。

副業との違い

ここでもう一つ、「副業」との違いについてです。
パラレルワークと副業(Wワーク)はよく似ていますが、両者の目的によって分類ができます。

副業は「副収入を得るための、本業とは異なる業務」のことです。
あくまで収入・報酬を前提とし、それを目的に働くのが副業ですが、パラレルワークは収入や報酬が必ずしも目的ではありません。
もちろん結果的に収入が入るケースはありますが、それよりも自身のスキルアップやキャリアアップ、本業では得られない経験を得ることを重視しています。
そのため例えば、ボランティア活動やNPOなどはパラレルワークには該当しますが副業とは言いません。

注目される背景

パラレルワーク 働き方ではなぜ今パラレルワークが注目されるのでしょうか。
冒頭でも触れましたが詳しく見ていきましょう。

コロナ禍も手伝った世の中の変化

まずはこのコロナ禍による急速な変化です。
さまざまな業種で経営が不安定になり、仕事がなくなる、勤めていた会社自体がなくなってしまった方も少なくありません。
それに伴い収入源がひとつしかないことに危機感を覚え、リスクマネジメントの意味合いからパラレルワークを始める方が増えています。
本業とは全く異なる業種の複業をすることで、コロナ禍で本業の業種ごと苦しくなったとしても、もうひとつの業種の方が安定していれば大きなメリットです。
最近では企業寿命自体が短命化しているため、なおさら定年を待たずして職に困らないように、新しいワークスタイルを確立しておくと安心でしょう。

またコロナ禍に限らずとも、働き方改革が進む現代では日々の働き方や、働く人自身の仕事への価値観が多様化してきています。
リモートワークや時差通勤、フレックスタイム制やワーケーションなど、個人の裁量に委ねられることが増えた自律的な働き方が増えてきました。
生活リズムが変わり、通勤時間というものもなくなり、今までよりも自分に使える時間が増えた方も少なくありません。
その時間を有意義にするために新しいことを始めたい、キャリアアップやスキルアップにつなげたいという思いからパラレルワークは注目されているのです。

健康経営との関連

パラレルワークは企業の健康経営とも関係しています。
健康経営とは「健康」の文字通り、従業員が心身とも健康に働けるための手助けを企業側から推進する経営のことです。
体の健康を守るために、無理な長時間勤務や残業をさせないことなどはもちろん、ストレスなく働きやすい環境づくり、この会社で働いていきたいと思えるような企業風土を作ることなど、メンタル面でのケアも大切な要素となります。

従業員の働きやすさ・就業意欲という面で、副業の禁止を謳っている企業は今の時代なかなかマッチしないでしょう。
パラレルワークは個人のスキルアップにつながるため、就業のスキマ時間や休日に新しい何かを身につけたり、新しい人脈を広げてきたりすることは企業にとっても大きなメリットがあります。
それを禁止してしまうことは従業員の自主性・積極性を損なうことになり、副業ができる他社への転職を考えるかもしれませんし、現在の仕事へのモチベーションにも悪影響を及ぼしかねません。
本業が疎かにならない限り、企業はむしろパラレルワークを推奨すべきです。
それにより従業員一人ひとりの成長と、企業の生産性の向上・離職率の低下という効果が期待できます。

パラレルワークのメリット

ここではパラレルワークのメリットをいくつかご紹介します。
働く人のメリットに加え、企業が得るメリットにも注目です。

本業では得られない知識や経験を得られる

ひとつの仕事に従事するだけではその分野のスキルしか身につきません。
パラレルワークによって今までとは全く異なった知識や経験が得られます。
それにより自分の好きなことや得意なこと、今後のキャリアプランなど、本業しかしていなかった頃には気付けなかった新たな自分にも気付けるでしょう。

転職リスクが緩和される

本業という軸を残しつつ活動できる分、いい意味で気楽に、他業種にチャレンジできます。
やってみたい仕事、挑戦してみたいことがあったとして、本業を辞めてから始めるのはリスクも多く、なかなか一歩が踏み出しにくいでしょう。
「憧れていた仕事だったがいざ自分が働くとなると思っていたのと違った」とギャップに悩まされることは多く、転職には不安がつきものです。
パラレルワークという形で経験してしまえば、よりリアルに興味のある仕事や活動を理解できるため、理想とのギャップによるダメージも少なく済みます。

人脈や視野が広がる

ひとつの仕事だけに従事していると、普段関わる人は同じ人ばかりになりがちです。
パラレルワークで新しい仕事や活動を始めることで、普段とは異なる新しい出会いが生まれます。
新たに知り合った人からは新たな価値観や刺激を得られますし、その人の知識や経験に触れることで自身の視野も広がり、さらなる発見もあるでしょう。

パラレルワークで得た知識や経験、そして人脈は、本業に活かせるアイデアが得られたり、出会った人がお客様や取引先になったりと、本業に活きてくるさまざまな効果が期待できます。

ビジネススキルが向上する

例えば収支が発生する複業でそれを自ら管理する場合には、本業ではやることがなかった経理業務も自身で担うことになってきます。
人を雇用するとなればマネジメントや指導力も必要ですね。
本業だけでは経験できない業務をできるのは社会人として非常に大きな経験、スキルアップにつながります。

パラレルワーク メリットスキマ時間や休日を使って行うため、時間の使い方が上手くならないとパラレルワークは難しいでしょう。
そのため社会人に必須な時間の管理能力も必然的に向上します。
本業においても作業効率・生産性の向上が期待できるでしょう。

収入が増加する

言わずもがなですが、本業にプラスした副収入が得られることは大きなメリットです。
パラレルワークはボランティア活動も含まれるため、副収入を求めないものもありますが、収入が得られる複業であれば、特にこのご時世収入面のリスクヘッジにつながります。

企業側にもメリットがある

すでに所々で触れていますが、パラレルワークは社員個人の活動とはいえ企業にもメリットをもたらします。
社員がそれぞれの時間を使って新たな経験を積みスキルアップしてくれれば、会社の業務にも活かされ生産性向上が期待できます。
会社として研修やセミナーを組むことなく社員が成長してくれるため、それに費やす経費や時間を割かれずに済むのは大きなメリットです。

制度として副業を許可していれば、社員の自主性・モチベーションを損なわず、社員にとって働きやすく軸が置きやすい職場となるため、転職や独立による人材の流出も避けられます。
人材の獲得競争も厳しい昨今で、既存社員の離職率低下は非常に重要な要素です。

始め方と注意点

パラレルワーク ポイントでは最後に、いざパラレルワークを始めるとなった際の注意点をまとめます。

本業の社内規則を確認する

副業がそもそも認められていなければ、収支の発生しないボランティア活動や、自身のSNSを使った自社商品のPRといったインフルエンサーとしての活動など、できる活動は限られてしまいます。
SNSでのPRも、会社のイメージに沿った投稿が必要でしょうから多少の制限が付いて回ります。

また副業先で得た知識を本業で活かすといっても、例えば顧客情報をそのまま流用してしまえば守秘義務違反に該当することもあるでしょう。
副業が認められていても会社それぞれの規則には十分注意が必要です。

自己管理を徹底する

パラレルワークで本業に支障が出てしまっては元も子もありません。
言ってしまえば複業は、貴重なスキマ時間や休日を潰すことでもあります。
休息や趣味に使う時間が必然的に減ってしまうため、やりたくてやっていることとはいえ心身ともに負担がかかるのは間違いないでしょう。
本業と合わせて長時間勤務、長期の連勤という形になりがちです。
リフレッシュの時間はしっかり確保して、ワークライフバランスを整えた生活を送れるように注意しましょう。

まとめ

パラレルワーク コロナパラレルワークは非常に魅力的なものです。
長い人生の中でやりたいこと、働いてみたい職種、その時々でいくらでも出てきます。
パラレルワークの形であれば、ベースとして本業を持ちつつ安心してそれらを経験できます。
時間管理能力やセルフプロデュース能力といった社会人として必要な能力も身につき、ひとりの人間としても見識の広い豊かな大人に成長できるでしょう。
企業視点でもメリットが多いことを紹介しました。
副業を禁止している企業は解禁を考えてみてはいかがでしょうか。
経済が不安定で働き方も多様化している現代で、たくさんあるリスクを減らせるパラレルワークは非常に有益なものです。
心身の健康、本業に支障を出さないようにしながら、みなさんもぜひ始めてみましょう。

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