• 健康経営
  • 2022.09.29

定年70歳の義務化が開始!70歳まで働くメリット・デメリットについてもご紹介

人生を考える老夫婦
目次

現代の日本は深刻な少子高齢化に陥っています。高齢者が増えることで国の税金は年金や医療費に使われる割合が増加していますが、少子化のため働き手が少なく、税収が減っている状態です。そのため、働き手1人あたりの税金負担が増えたり、年金が減らされたりしています。

今後は、年金のみでは生活苦になることが予想されるほか、65歳以上の働く意欲も高く維持されているため、高齢者の雇用を強化させる取り組みが行われています。その中の一つとして「70歳定年制」が取り入れられることになりました。今回は70歳定年制の内容や、70歳まで働くメリット・デメリットについてもご紹介します。

70歳定年制とは?

笑う老人

70歳定年制と聞くと、70歳まで働かなければならないように感じる人も多いでしょう。金銭的に余裕があったり、定年後は長く趣味の時間を楽しもうと考えていたりする人にとっては残念に感じます。しかし、全ての企業で強制されている訳ではありません。 ここでは70歳定年制について、詳しく解説していきます。

改正高年齢者雇用安定法に基づいている

改正高年齢者雇用安定法とは、2020年に成立し、翌年の4月1日に施行された法律です。高齢者が社会で活躍できる環境を整えることを目的としています。 70歳定年制を強制するものではなく、高齢者の活躍を後押しする5つの取り組みのうち、1つでも取り組めばいいようです。 5つの取り組みとは以下の通りです。

  • 70歳まで定年を引き上げる
  • 定年制を廃止する
  • 再雇用や勤務期間延長などで、70歳まで継続雇用する
  • 70歳まで継続的に業務委託契約をする
  • 事業主が経営する事業や、資金提供を行う事業に70歳まで継続的に従事できるようにする

5つ全てに取り組む必要はありません。この中からそれぞれの働き方にあう方法で高齢者になってからも社会貢献できればいいようです。

70歳定年制はあくまでも努力義務

70歳定年制だけでなく、定年制の廃止など高年者雇用安定法に定められていることは、全て義務ではありません。 高齢者が活躍できる社会の環境を作るために「努力義務」として課せられています。

そのため、65歳を過ぎた労働者全員が70歳まで働く必要はなく、70歳まで働くことを希望した時のみ働ける環境を用意されている状態です。 65歳で定年退職し、趣味や旅行の時間に使おうと考えている人は、金銭的な問題がなければ計画通り老後を楽しめるでしょう。

継続雇用後は雇用条件が変わることも

継続雇用後は、今まで正社員として雇用されるとは限りません。70歳定年制を導入するにあたり、企業は再雇用制度か勤務延長制度をりようできます。 再雇用制度では、今まで通り65歳で定年退職として1度退職し、再雇用するというものです。

再雇用する際には正社員として雇わなくてもよくなるため、パートや契約社員など雇用形態が変わることもあります。勤務延長制度では今まで通り70歳まで、もしくはそれ以降も勤務期間が延長されます。仕事内容や雇用制度が大きく変わることはないようです。

70歳定年のメリット

OKサインを出す老人

かつての65歳定年から5年延び、70歳まで働くことを憂鬱に感じる人も多いでしょう。 しかし、仕事以外で趣味がない場合、人によっては定年後にさまざまな弊害を及ぼすこともあるようです。 ここでは70歳定年まで働くことのメリットについてご紹介します。

若手に高いスキルを引き継ぐ時間がある

70歳まで働いていると在籍するほとんどの社員よりも経験値が高く、専門性の高いスキルを持っている人も多いでしょう。 本来であれば65歳で定年退職していた人が、5年長く在籍するため、高いスキルを受け継ぐ期間が5年延長されます。 そのため、今まで培ってきたノウハウを余すことなく引き継げるでしょう。

高いスキルを受け継ぐ人材が増えることで、社内全体の業績が上がるだけでなく、歳をとっても仕事にやりがいを見いだせます。企業にとっても社員にとってもよい取り組みになるでしょう。

燃え尽き症候群の予防になる

趣味や家族との時間もとらずに仕事にのみ熱中してきた人は、定年退職後に「燃え尽き症候群」に陥るケースが多いようです。 燃え尽き症候群とはうつ病の一種で、高いモチベーションをもって何かに取り組んでいた人が突然やる気を失い無気力になる精神疾患です。

仕事一筋の生活を送ってきた人は、定年退職後に打ち込めるものがなく、何に対してもやる気が起きず無気力になることもあるようです。 定年に達した途端に退職するのではなく、パートや契約社員などに雇用形態を変えてでも打ち込めるものがあった方が燃え尽き症候群の予防になります。

とくに趣味がなかったり、独身で家族がいなかったりする人は定年後も働くことをおすすめします。

老後の資金に困らなくなる

現代の日本では、老後のために1人あたり2,000万円の貯蓄が必要であるといわれています。しかし、物価の高騰や納税額の上昇、年金支給額の減額などにより、老後の資金が足りずに生活苦に陥る高齢者が多いようです。

日本人の平均寿命は2021年の時点で女性が87歳、男性が81歳のため、65歳で定年退職した場合20年ほどは年金と貯金のみで生活しなければなりません。 高齢者になると、老化から体の不調が増えたり介護が必要になったりするため、普通に生活していても若い頃よりお金がかかることが予想されます。

70歳まで働けば、5年間は給料が約束されるため、老後の資金に困るリスクが減ります。老後の金銭的な不安を抱えている人は、70歳まで働けば余裕を持って老後を過ごせるでしょう。

企業から期待される存在でいられる

新卒から入社したと考えて、70歳まで働けば約50年弱の経験を積んでいることになります。 そのため、企業や部下から頼りにされたり、期待されたりする存在で居続けられるのもメリットの1つでしょう。

リーダーとして部署を仕切っていたり、役員として企業の重役を務めていた人にとって退職後の生活はつまらなく感じることも多いようです。これまでの経験を生かし、歳をとってからも部下から頼られることで老後の生きがいにもなるでしょう。

70歳定年のデメリット

デメリットのイメージ

70歳まで働くと、メリットだけでなくデメリットもあります。体力的な面でのデメリットが多くありますが、仕事面や金銭面でも全てがメリットになるというわけではなさそうです。 ここでは70歳まで働くことのデメリットについてご紹介します。

体力的に長時間働けない

70歳にもなると、若い頃と比べて体力が落ちるため長時間働くことは難しくなります。 今まで通り多くの仕事をこなしたり残業をしたりすることだけでなく、1日8時間を週5日繰り返す基本的な労働時間でさえ辛く感じる可能性もあります。

仕事に対するやる気はあっても、体力的な問題から時短勤務やパート勤務などに雇用形態を変更する人もいるようです。 70歳まで働く際は、自分の体力と相談して無理なく労働しましょう。

給与が減る

70歳まで働く場合、再雇用制度であれば正社員でなくなる可能性が高いでしょう。 その場合、今までよりも給料が減ります。パートや契約社員での給与換算は時給制が一般的なため、アルバイトと同じか少し多いくらいにまで減ることが予想されます。

また、勤務延長制度であっても重役から降ろされたり、今までよりも簡単な業務内容に変わったりすることもあるようです。その結果、業務に見合った給料に減らされることもあるため注意が必要でしょう。

退職後に趣味や旅行などを楽しむ時間が減る

70歳まで働く場合、今までよりも5年長く働く分定年退職後の時間が減ります。 一般的には、定年退職後は趣味や家族との時間など、残りの人生を楽しむ時間にする人が多いようです。

働いていると自由に休みが取れないため、旅行も満足にできないケースも多いでしょう。ほとんどの人は退職後に旅行や趣味を存分に楽しもうと考えています。

しかし、5年間長く働くことによって、労働から解放される頃には趣味や旅行を楽しむほどの体力が残っていなかったり、病気を発症したりして老後を楽しめずに終わる人もいます。

お金があっても動ける体がなければ本末転倒です。趣味や家族との時間を取りたいと考えている人は、ある程度体力が残っているうちに旅行や趣味などを楽しむべきでしょう。

最新機器など覚えることが増える

70代の人が現役で働いていた頃とは異なり、現在はほとんどの職業で急速にIT化が進んでいます。 紙で処理していたものがパソコンで処理するようになったり、社内の機密情報の管理は複雑なデータ管理に移り変わったりしています。

今までであればとくに新しいことや複雑なことを覚えることなく世代交代できていました。しかし、65歳以降も働く場合はこれらの複雑化したシステムの扱い方を新たに覚える必要があります。 ITシステムなどの機械に関して苦手意識をもつ高齢者が多い中、日々進化するシステムについて覚えたり勉強し続けたりすることは非常に厳しいでしょう。

若い頃であれば比較的吸収が早いケースも多いようですが、歳を重ねるごとに覚えは悪くなります。そのため、業界によっては若い世代についていくのが難しくなる可能性もあるでしょう。なるべく慣れ親しんだ企業で働き続けるのが理想ですが、難しい場合は他業種に転職するのもひとつの手段です。

働く意欲があるうちは年齢問わず働こう

今回は、70歳定年制についてどのような制度なのか、メリットやデメリットとともにご紹介しました。この制度は全ての企業に対して強制されたものではありませんが、少子高齢化が進んでいる日本では高齢者も働くことが必須になりつつあります。

老後に金銭的な余裕があれば問題ありませんが、何かしら不安があったり働く意欲があったりする場合、年齢問わず働ける時代になってきています。年金に頼るのみではなく、自分の将来は自分で保証する時代です。

70歳まで働く意欲がある場合、長く働きたいと思える企業に勤めることも大切です。やりがいも大切ですが、長く働くためにはワークライフバランスが整う無理のない労働環境かが重要でしょう。

健康経営に取り組んでいる企業であれば、社員の健康を1番に考えているため、無理なく働きやすい傾向にあります。 定年後の再就職なども見据えて転職活動する場合は、健康経営優良法人に認定されている企業の中から選ぶといいでしょう。

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