• 就職/転職
  • 2021.06.11

人手不足の会社は辞められるのか。働き続ける危険性を解説

目次

人手不足の職場で働き続ける危険性とは①

人手不足

辞めるタイミングを見失ってしまうこと

人手不足の原因がすぐに対応できるものではなく、慢性的に起こっていることなら早めの退職を検討した方がいいでしょう。周囲に気を使って辞めにくいことも分かりますが、辞めるタイミングを見失うのは良くありません。なぜなら働き続ければそれだけ、悪循環の仕組みの一部となってしまうからです。少しの余裕もない今の状態を、長期間引きずることになってしまいます。

また残念ながら、人手不足の会社で現在の環境が良くなることは考えられません。ほとんどの場合、資金に余裕のない会社が人件費をカットしているからです。資金面で余裕がないと、これもまた悪循環に陥ります。人材の採用にお金をかけられないということは、求人広告を出すお金がないということです。求人広告を出すお金がない会社で働く従業員は給料が低くなりがちなので、給料が低い会社が求人を出しても優良な人材が集まりません。人材を採用したとしても、労働環境が悪いので離職してしまいます。

このように業績が良くならない限りは、現在の環境が変化することはほとんどないわけです。会社の人手不足の原因を見極めて、速やかに辞める決意をしなければ、いわゆるキャパオーバーの状態でずっと働き続けることになります。

新入社員がいなくなること

基本的には人が辞めても新入社員が入るので、人材がいなくなることはありません。ところが新入社員が続々と辞めてしまい、人がほとんどいなくなる会社もあります。これは役員の質が良くない同族企業にありがちな例です。求人を出したらすぐに人が集まるだろうと考えているので、古株の従業員でも辞めさせます。

世間が人手不足になっているというのに、辞めてから次のことを考えるので、人材の成長が追いつかなくなったのです。人手不足の悪循環になる会社では、何年も人手不足の本社を支社が補う形が続き、業績は低下し続けます。業績が低下しても同族の役員は辞めさせないので、さらに経営が困難になるのです。このような会社で長年働いている従業員は仕事ができるか、といえばそうではありません。仕事のできない人も役員の地位にいるので、ほかの従業員が苦労するわけです。

人手不足の職場で働き続ける危険性とは②

求人

会社の経営方針自体がおかしいこと

人手不足が続く会社では経営方針自体がおかしいので、疑問を持ちながら厳しい労働環境で働き続けることになります。とくに給料に関する経営方針に対しては、生活に直結する問題のため、従業員も敏感です。従業員の人件費削減という経営方針があれば、反発したくなります。従業員の人件費を減らす前に改善できる部分がある場合は、さらに不満を持つことでしょう。従業員を犠牲にしてまで、自分たちの儲けのことを考えている会社で、身体を壊してまで働く必要はありません。適切な評価をしてくれる会社で同じだけ働けば、評価も良くなるからです。

やる気がなくなること

仕事でも家庭でも、やらなければいけないことが増えると、いろいろなことが中途半端になります。一念発起して手をつけてみますが、やっぱりなかなか終わらないので、やる気はなくなるのに気が焦った経験はありませんか。仕事の場合は相手が前の業務を終わらせるのを待つ時間もあります。そのため相手が仕事を終わらせる時間がぎりぎりになれば、さらに焦ります。周囲の余裕がなくなると、自分も余裕がなくなりやる気が喪失するわけです。人手不足解消のためには優秀な人材を採用して、育成する必要があります。人材が成長するためには、上司がまとめる必要があるのです。ところが上司も優先順位が「人を辞めさせないこと」になっているので、慢性的な人手不足が改善されないわけですね。

追い込まれること

仕事が集中してしまう人と適度にさぼる人が出てくるのは、組織の仕組みでありがちなことです。仕事ができすぎたり頼めば何でもやってくれそうだったりする人は、仕事が集中しやすい傾向にあります。言いかえれば周囲から頼りにされているということですが、このような環境で無理していると自分が壊れてしまう可能性があるわけです。

日常的に追い込まれていくと、心身共に余裕がなくなるので、価値観が偏ってしまいます。その結果普通の会社の概念が分からなくなるので、いざ転職活動を試みたときに、このことが足かせになるのです。ブラック企業に長年勤めていた人がホワイト企業に転職して驚くのは、価値観が偏っていることも原因の1つになります。

後に残されると辛いこと

産休・育休の制度を使えるのなら、従業員が復帰しない間人が減るのは当然です。ところが会社は従業員が復帰することを当てにしているので、人材を募集しません。いくら産休・育休を取った従業員が会社に復帰するといっても、その間に人を入れなければ少ない人数で回さなければならないことは、簡単に想像できると思います。慌てて求人広告を出しても、労働環境の悪さや立地の悪さから人材が定着せず、会社崩壊に追い込まれるのです。産休・育休を取らない従業員が残されてしまい、業務の負担は増える一方になります。

人手不足は会社の責任である

会社 人手不足を自分の責任のように感じて、退職しにくいと考える人が多いです。しかし実際は、そのように責任を感じる必要はありません。

上司の言うことを鵜呑みにしない

人手不足で余裕が無い状態のときに、従業員から辞めたいと言われれば、多くの場合上司からの引き止めに合います。上司は褒めたり高圧的な態度を取ったり、いろいろな手段を使うわけです。周囲がこれ以上忙しくなることへの責任を感じさせる方法や、どこへ行っても勤まらないなどと否定的なことを言います。人手不足に対応できず、労働環境が悪くなりがちな会社の上司には、このようなタイプが多いです。ある意味洗脳に近い方法なので、上司のいう事を鵜呑みにしていると、ますます退職しにくくなっていきます。

当コラムでは、退職の引き止めに合ったときの対応方法を紹介しています。以下も合わせてご覧ください。

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辞めても会社は回る

プライドを持って働いている人ほど、自分が辞めたら仕事が回らなくなる、と考えがちです。慢性的な人手不足を放置する会社は、責任感が強い人の感情につけこんで引き止めを行います。退職する考えに至るまでに、何人も退職していて、経営が悪化しているのではないでしょうか。基本的には人がいなくなれば、どこかで補われます。前述したように、人手不足を他人事のように考えている会社でも、いつかはどこかで気がつくわけです。引き継ぎ以外のことまで、いつまでも気に病む必要はありません。

人手不足の会社を辞められない人の悩みに多いのが、周囲に迷惑をかけることですよね。これまでに会社を辞めた人も、同じように感じている可能性もあります。周囲に配慮できる美しい考えなのかもしれませんが、身体を壊してまで会社の全てを背負うことが美しいかどうかは疑問です。

人材を採用するのは社長の仕事である

「人材の採用や教育、配置や退職という会社の一連の流れに対して責任を持つのは、経営のトップである」との考え方があります。残業があれば1週間で40時間以上も会社にいるので、人生のほとんどを会社で過ごすわけです。つまり人材を採用するのは、従業員の人生まで背負うことと言っても過言ではありません。その間にライフスタイルが変わる人も多いです。従業員を採用するということは、従業員の人生の責任を持つということですし、社長にしか束ねることはできません。人手不足とは会社の社長が、人事戦略に失敗した結果とも言えるわけなので、従業員の責任とは言えないのです。

人手不足が深刻な職場の問題点

人手不足

チームワークができていない

人手不足が長期的に続いていると、みんなが心に余裕を持てないため、チームワークができなくなります。和を乱す従業員がいたり役割分担がはっきりしていなかったりすることで、チームワークが乱れていくのです。チームワークができていなければ、職場の士気や生産性の低下を招きます。その結果仕事量が多くなり、ますます心に余裕がなくなるわけです。

不必要な仕事が多い

不必要な仕事が多い職場は、人手不足で職場崩壊に陥る可能性があります。不要な報告書を作成したり10時間以上かけて作成した成果物が採用されなかったり、誰のためにしているのか分からない仕事が多いと、ストレスを抱えやすいですよね。利用者から直接感謝の言葉を貰わなくても、誰かが喜んでいることを実感できるのなら、まだやりがいを感じられます。ところが現実は、自分がしている仕事が社会でどう役立っているのか分からない人もたくさんいるのです。時間に余裕がなければ、ネガティブな考えを巡らせる時間もなく、追い詰められていきます。

仕事の単価が低いのに量が多い

単価が低い仕事は、作業量が多くなります。単価が高い仕事は給料が高いので、転職希望者がたくさんいるからです。1つの案件で必要な作業量が多いことが、人手不足の原因となっている業界もあります。やるべきことが多いのに給料が低ければ、割に合わないと感じて退職する人が増えるのです。

人手不足の職場を辞めることはできるのか

退職届

滞りなく退職するための手順とは

滞りなく退職するための手順は、以下の通りです。
  1. 最初に転職先を決めてしまう
  2. 直属の上司との面談の場を設ける
  3. 退職の旨を伝える
人手不足の職場を退職したいと伝えたとき、引き止められる可能性が高いので次の転職先を決めておきましょう。説得されたり高圧的な態度を取られたりしても、次の職場が決まっていたら、辞めざるを得ないからです。そして退職の旨を伝える場合は、上司と1対1で話すようにします。テレワーク中なら、個別での会議の場を作ってください。自分のために時間を作ってもらうことに罪悪感を覚えるかもしれませんが、自分のことを1番に考えましょう。

準備が整ったら、いよいよ退職の旨を伝えます。給料や待遇の改善を持ちかけてくる例もありますが、そのまま残っても反映されないこともありますから、意思を強く持ってください。説得されたからと言って残り続けても、ほとんどの場合環境が改善されることはありません。

退職理由の注意点

職場を辞めるときに、退職理由の伝え方で注意があります。会社のせいで辞めると伝えれば、改善を提案されてしまい、話が辞める方向に進まなくなるからです。前述の通り慢性的な人手不足なら、人手不足を見て見ぬふりしている可能性も高いので、ほとんど改善は見込めません。他の業種に挑戦したい旨を伝えるなど、ポジティブな退職理由を考えるのがおすすめです。

退職代行サービスを利用する選択もある

退職

退職代行サービスとは

退職代行サービスのことを見聞きするようになったのは最近なので、比較的新しいサービスだと思っている人も多いのではないでしょうか。ところが弁護士の業務の一部としてなら、10年以上前から存在していたサービスなのです。退職代行とは名前の通り、労働者に代わり退職の旨を伝えるサービスのことを言います。会社がしつこく引き止めを行う場合でも、労働者に代わり退職届を提出するわけです。当時は退職代行というよりも、未払い残業代請求の相談がメインで行われていました。

退職代行の失敗事例を確認しておくこと

退職代行を利用して失敗する例もありますので、ここで確認しておきましょう。退職代行サービスを使うときに最も失敗しやすい事例が、弁護士資格を持たない退職代行業者を選んでしまうことです。弁護士資格を持たない者が交渉することは、弁護士法に違反する可能性が高まります。弁護士ではない担当者に退職代行をしてもらった場合、トラブルに発展することがあるわけです。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用:法令検索 弁護士法

退職代行サービスを使う場合は、関連の法律にも目を通しておくことをおすすめします。

退職届に不備があったため、退職代行を断られてしまう例があります。人手不足で忙しい中あまり書かない書類を作成するので、ミスも発生しがちです。退職届はテンプレートを利用すると、ミスが少なくなるでしょう。退職代行サービスの料金は、業者によって大きく異なります。10万円かかる業者もあれば2万円ほどで依頼を受けてくれる業者もあるのです。事前に業者ごとの費用を確認していなければ、予想以上に費用がかかってしまうことに、後悔することもあります。

どんなときに退職代行サービスを使うのか

退職代行サービスを使うことに、迷いを感じる人も多いことでしょう。退職代行サービスは退職に関わるやり取りを全て代行してくれるサービスなので、会社の人と直接連絡を取らなくてもいいのです。退職代行サービスは、退職の旨を伝えても罵られたり悪質な嫌がらせを受けたりしている場合や、日常的に上司が高圧的で困っている場合に使えます。また後の人が決まるまで退職を拒否される場合や、後輩が育つまで待ってほしいと言われた場合にもおすすめです。

退職代行サービスの中には「即日対応OK」という表記があります。この表記は即日の退社は約束できないものの、支払いが完了すれば即日対応できる、という意味です。支払いが完了すれば退職の意思を即日中に伝えて、有給休暇を2週間使えば、即日退社ができる可能性が高まります。

人手不足で困ったなら健康経営に注目してみよう

テレワーク 人手不足の会社に辟易して、できるだけ慢性的な人手不足のない会社に転職したいと考える人も多いと思います。そんなときに、1つの目安にして欲しいのが、健康経営です。健康経営では従業員の健康を維持することによって、生産性の向上や離職率の低下を目指します。従業員は会社で働きながら健康維持ができますし、会社は従業員の仕事ぶりの向上によって業績の向上に繋がるわけです。

ある会社では離職率が高まったために、人事制度を根本的に見直しました。従業員が100人いれば100通りの働き方があるべきと考えて、1人1人が望む働き方を実現しようと工夫したわけです。育児や介護以外の個人の事情にも対応しながら、働く場所や時間を決められるようにしました。個人の声をしっかり聞いて働き方の多様化に対応したところ、離職率は低下し人材育成のコストも抑えられるようになったのです。

また別の会社では、従業員から福利厚生の要望があれば、実際に採用する取り組みを始めました。従業員は自分たちの声が反映されていることに、安心感を持てるわけです。この会社では従業員全員でサッカーの試合を観戦するためにサッカー休暇を設けたり、軽食を1日1回無料で配布したりしています。従業員のための取り組みといっても、堅苦しいものばかりではなく、ユニークなものも多いのです。

健康経営を実施する会社では、離職率の低下を目指すために、さまざまな取り組みを行っています。各社の公式Webサイトでも取り組み内容を確認できることが多いので、転職のさいの目安にするのはいかがでしょうか。健康経営について理解を深めたい場合は、以下のコラムも合わせてご覧ください。

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健康経営に係る顕彰制度について

まとめ

人手不足の会社で働き続けることの危険性や、辞める手順などを解説しました。優しく責任感のある人は、辞めることは申し訳ないと思いがちです。そして人手不足を放置するような会社は、優しい人の気持ちにつけこみます。そのまま続けても労働環境は改善しないので、強い意志を持って辞める旨を伝えましょう。

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