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  • 2021.09.06 (最終更新日:2022.03.26)

運送業とは?職種としての特徴やメリット・デメリットについてご紹介!

目次

コロナ禍においても需要が減らない運送業

運送業 とは 昨今、新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな打撃を受けている業界は多々あります。
ニュースでもよく取り上げられている通り、緊急事態宣言による時短要請で、飲食店への影響はよく知られるところです。
不要不急の外出自粛ということで、気ままにショッピングというのがなくなったため、百貨店やショッピングモールといった小売業も、客数の減少・売上の低迷が顕著です。
県をまたぐ移動の自粛も叫ばれており、海外はもちろん国内での旅行をする人も大幅に減ってしまい、旅行業界もかなり苦しい状況に置かれています。
そんなコロナ禍においても比較的悪影響の少ないのが運送業です。
運送業といってもさまざまな業種があるため、全ての運送業が軒並み好調とは言えませんが、コロナ禍による人々の生活様式の変化によって、コロナ以前よりも需要が増えた企業は多々あります。
今回は私たちの日々の暮らしに深く根付いているわりに意外とよく知らない運送業について、コロナ禍との関連に加え代表的な業種、運送業のメリット・デメリットなどを交えてご紹介します。

運送業とは?

運送業 特徴 それではまず、運送業とはどういった仕事なのか、その特徴や主な業種について解説します。 

主な特徴

運送業とは、法人や個人から手数料・送料を受け取り、定められた場所まで人や物を運ぶ仕事のことを指します。
私たちがイメージする、荷物を運ぶ宅配便のような仕事に加え、それに伴う荷物の仕分けや保管・荷受けなど、倉庫での裏方作業も含めた全般が運送業です。
さらに人を運ぶという点で、バスやタクシー、鉄道や航空業務も、旅客に分類される運送業の一つです。
ちなみに似た言葉で「運輸業」がありますが、その違いは明確でなく、どちらも言葉の意味では人や物を運ぶことを指しています。
イメージとして、運輸の方が運送よりも長距離かつ広範囲で行う業務と思えば大丈夫です。
「輸入・輸出」の「輸」ということで、トラックに限らず船や航空機を用いたより長距離なものが運輸、トラックを中心とした陸路が主になるのが運送といったところでしょう。

代表的な業種

運送業は大きく分けると陸運(陸上運送)・海運(海上運送)・空運(航空輸送)・倉庫/運輸関連業の4つに分けられます。
この中でも陸運と、倉庫/運輸関連業が多岐に渡るため、それぞれ詳しくご紹介します。

陸運

自動車輸送と鉄道輸送に分かれる、陸路による輸送です。
後者は普段私たちが利用する電車や新幹線のことで、旅客や貨物を運びます。
前者が運送業と聞いて私たちがイメージする、トラックや原付バイクを用いた宅配サービスや郵便事業です。
それに加えて、人を運ぶバスやタクシー事業も旅客運送としてここに分類されます。

倉庫/運輸関連業

輸送事業をそれぞれつなぐための大切な事業です。
主に倉庫業・流通加工業・フォワーダー事業があります。
倉庫業は荷物の保管・搬入・搬出・仕分けをする事業で、フォークリフトなどの重機を使った「荷役」という貨物の積み下ろし作業があります。
流通加工業は、送り主から届いた商品に対してさらに付加価値をつける加工作業です。
具体的には値札の貼り付け、パーツごとでばらばらに運ばれてきたものを組み立てて完成品として出荷する作業があります。
例えば自動車などの大型商品は、完成品で出荷すると物流コストが高くつくため、パーツごとでコンパクトに出荷し、最終的に組み立てて納品することでコストを抑えています。
フォワーダーとは主に国際輸送を取り扱う業者で、運搬業者のコーディネーターです。
フォワーダー自身は運輸の手段を持っていないため、あくまで貿易における仲介業者と言えます。
輸出入の際、通関士という国が認可した者にのみ取り扱える専門的な手続きも存在するため、商社や貿易会社はこの通関手続きをフォワーダーに委託しています。

配送業との違い

「配送」と「運送」、これに「輸送」を加えた3つの違いについて説明しておきます。
運輸と運送で説明したように、物量と距離によって使い分けられるイメージで、海外から運ばれるのが輸送、トラックの運転手が国内走り回るのが運送、割と近場を配り回るのが配送です。
輸送は一時輸送とも呼ばれ、工場などの拠点から物流センター、または別の工場などへ長距離を移動しながら大量の物を運びます。
運送は輸送と意味合いがかなり似てはいますが、物流において車やトラックを用いて物を運ぶことを運送と言い、航空機や船を用いる場合は運送ではなく輸送と言います。

配送が私たちにとって最も身近と言えます。
「配る」という言葉通り、配達して届けることを指すため、物流センターから小売店へ、または直接消費者へなど、複数の場所へ物を運ぶ場合に配送という言葉を使います。
ネットショッピングをして商品が自宅に届くのが配送です。
輸送が長距離を運ぶ一時輸送と言うのに対して、配送は近距離での小口輸送を行う二次輸送とも呼ばれます。

運送業とコロナ禍の関連性について

運送業 業種 それでは冒頭でも触れた、運送業とコロナ禍の関連性についてご説明しましょう。
新型コロナウイルスにより、実際に仕事が無くなり収入が減って、生活が苦しくなったという方も多いのではないでしょうか。
さまざまな業界に大きな影響を及ぼしているコロナウイルスですが、運送業も例外ではありません。
ただその中でも影響が少なく済んでいる企業も多々あります。
コロナ禍においても好調な企業と、仕事が減ってしまった企業の特徴をそれぞれご紹介します。

仕事が減らなかった企業の特徴

  • 複数の荷主がいる
  • あらゆる業界との取引がある
  • 参入障壁の高い、他社と差別化できる強みがある
コロナに限らず自然災害など、イレギュラーなことはいつ起きてもおかしくありません。
そうなった際に取引が著しく減るような相手先も当然いるでしょう。
今回のコロナ禍においては、時短や休業要請により、あらゆる飲食店や小売店で定期的に納品していた物資が不要となり、それを運んでいた運送業も仕事が減りました。
しかしそういった業界以外で、例えば医療機関や薬局、日用品や食品を扱うスーパーとの取引がある場合は、むしろこのコロナ禍は普段よりも好調に推移しているかもしれません。
いざという時に補完しあえるように、リスクの分散という意味で営業活動に励み、あらゆる業界の取引先とつながっておくことが非常に大切です。
また取引先が決して多くない場合でも、その分野が参入障壁の高いものであれば他社がおいそれとは入ってこれず、競合のない独占状態も狙えます。
参入障壁が高いということは初期投資が大変ですが、そこを乗り越えればあとは安泰です。
他社との差別化ができるというのは企業にとって大きな強みです。

仕事が減った企業の特徴

  • 荷主が少数で限られている
  • ある特定の業界にだけ特化している
  • 参入障壁の低い仕事が多く差別化しづらい
仕事が減った企業はその逆で、影響のあった業界以外に取引がなく、そこのマイナスをカバーできずに苦しんでしまうケースです。
例えば医療関係に特化した企業であれば今回は好調でしょう。
ですがその他の社会的アクシデントに見舞われた際には対応できないかもしれません。
やはり複数の業界に多くの取引先があるほど、リスクは分散されカバーしあえるでしょう。
また参入障壁の低く他社も始めやすい分野ばかりが取引先だと、その会社ならではの強みというものが薄いため、競合が多くなっています。

運送業のメリット・デメリット

運送業 メリット

最後に運送業で働くことのメリット・デメリット、中でもここでは分かりやすくドライバーを例に挙げて紹介します。

メリット

自動車の運転そのものが仕事になるため、必然的に運転は上達するでしょう。
人間スキルの習得にあたっては反復練習をすることが一番効果的です。
仕事になる分、今まで以上に安全確認も徹底されるため、安全運転=上手な運転が身に染みていきます。
また近場にしろ長距離にしろ、毎日あらゆる所を運転するため地理にも詳しくなります。
大きい国道はもちろん地元の方しか使わないような抜け道小道も知れるのは、仕事以外でも役に立つポイントと言えるでしょう。
さらに旅行的な感覚も味わえるのもドライバーという仕事の醍醐味です。
長距離の運転の場合には目的地に行くまでにも複数の都道府県を通過することから、各地のサービスエリアで特産物を味わえるなど、その地域の文化や食事に触れ合えるメリットがあります。
あくまで仕事であるため、終始リラックスできることはありませんが、言ってしまえば会社のお金で旅行ができるようなものです。
こういう心持ちになれる方には非常に魅力的な職業と言えます。

デメリット

単純に体力仕事という面があるため、年齢を重ねるごとにきつくなってしまう可能性があります。
運転という高度な技術・判断力が要求される上、県をまたいだ遠くの目的地までとなると、高齢になればなるほど大変です。
さらにどうしても長時間労働の可能性は避けられません。
どんな業界にも繁忙期はありますが運送業で言えば例えば燃料輸送は冬が繁忙期です。
その時期には朝から深夜までトラックに乗ることもあります。
また繁忙期に限らず長距離の配送となると、配送先まで1日以上かけて向かうことも珍しくありません。
しかし今挙げた二つのデメリットは現代においてかなり改善されてきており、そこまで心配することはありません。
高齢ドライバーになる前に、運行管理者にステップアップすることが増えており、やはり実際に運転するよりは肉体的に楽になるため、将来的にも身体のつらさは軽減されるはずです。
もしドライバーのまま定年まで行くにしろ、トラックの居住空間の快適性自体がかなり良いのと、便利な快適グッズもはるかに充実してきたため、ドライバーへの負担は大きく軽減されています。
長時間勤務に関しても、トラック協会指導のもと、休憩時間の厳守が義務付けられているため、よほど劣悪な労働環境を強いる会社でない限り、無理な長時間労働はありません。

まとめ

運送業 転職

元々運送業は厳しい仕事というイメージがあり、「きつい」「汚い」「危険」からできた「3K」という言葉に当てはまるものでした。
特にトラックドライバーはスケジュールが不規則になることも多く、睡眠や入浴すら確保できないと言われており、そんなコンディション不良の中で長距離を運転することは、当然事故の危険と隣り合わせでした。
決して働きやすい環境といえる業界とは言えないのが事実でしたが、こうした現況を受け、ドライバーの負担軽減のため、不当な勤務体系を強制しているような企業は行政から処分を受ける可能性が高まり、今後は給料面や休日面がますます整備されていきます。
ドライバーに限らず、運送業はさまざまな業種があるとても広い業界です。
どんな仕事でも、何かアクシデントが起きればその影響は必ずあります。
しかし物流それ自体は絶対に無くなることはなく、人や物の輸送はいつになっても、人々の暮らしに欠かせない存在です。
みなさん今回の記事を読んで、運送業という仕事の価値を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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