• ヘルスケア
  • 2022.07.01

部下のメンタルを削ってるかも?上司は知っておきたい職場のメンタルヘルス対策とは

絶望する女性
目次

日本のうつ病患者数は年々増加しており、社会問題になっています。特に20代の男女に「非定型うつ」という新しいうつ病を発症する人が増えました。厚生労働省の調査によると、1996~2017年の間で気分障害の患者数は3倍にのぼります。

20代は新社会人になり、環境の変化や社会人としての責任など、さまざまなストレスに直面し、うつ病を発症するリスクが高まります。

特に上司など職場での人間関係もメンタルに影響しているのです。今回は円満な職場環境を築くために上司が知っておくべきメンタルヘルス対策をご紹介します。

上司が職場でできるメンタルヘルス対策

サラリーマンの男性

上司と部下の関係性は、部下のメンタルに大きく影響します。部下のメンタルを守るために、上司が職場でできるメンタルヘルス対策とはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは実践しやすいメンタルヘルス対策についてご紹介します。

健康経営の考え方に沿って部下と接する

健康経営とは、社員の健康に投資をすることで企業の業績を上げるという経営戦略です。寝不足だったり心が不安定な状態は、仕事上のミスを増やし業績を下げる原因になります。

心身ともに健康な状態で働くことにより、仕事のパフォーマンスが上がり効率よく業務を進められます。健康経営に沿って部下の健康第一で接しましょう。自分の業務が終わっていないという理由で残業をさせたり、責任を押し付けたりする行為は健康経営に反しています。

心当たりのある方は自分の行動を見つめ直すようにしましょう。また部下がいつも残業をしている場合は、一人ひとりに対する仕事量の見直しをするのも効果的です。

対等に話し合う場を作る

上司と部下という立場上、不満に思うことがあっても上司に対して打ち明けられない部下は多いでしょう。上司や職場環境に対して不満を抱えながら仕事をすることはストレスであり、メンタルヘルスに影響します。

ストレスが溜まればなんらかの病気を発症したり退職の原因になるため、不満を打ち明けて解決する場を設けることが大切です。定期的に上司と部下の1対1で話し合う機会があるとよいでしょう。ただし、あくまでもお互いの関係は対等であり、話の主役は部下であることを心がけてください。

上司は話を聞く側に徹し、評価はせずに話しやすい雰囲気づくりを大切にしましょう。実施頻度は会社によってさまざまですが、月1~週1回と頻度が高めな会社が多いようです。現状把握のために行うため、実施頻度が高ければ高いほど部下のメンタルヘルス対策にも繋がるでしょう。

ラインケアを心がける

ラインケアとは、上司が部下のいつもと違う様子に気づき、相談対応や職場環境の改善に努めたりすることを指します。部下のメンタルヘルスを守るために、普段から部下の様子に気を配り、相談しやすい環境作りをしましょう。

場合によっては、産業医や医療機関の受診を促す必要があります。部下の労働時間や休日・休暇取得状況を確認し、過労になっていないか注意しましょう。ラインケアの流れとして大切なことは、普段から部下と良好な関係を築き、部下の人間性について知っておくことです。

それにより「いつもと違う」ことに気づきやすくなります。次のような症状に気づいたら注意が必要です。

  • 遅刻や欠勤が増えた
  • 残業が多く休日が少ない
  • 表情に活気がない
  • ミスが目立つ
  • 服装やデスク周りがだらしない

これらの異変に気づいたら声がけを行い、話を聞く場を設けましょう。必要に応じて医療機関受診や休職などの措置を行います。

一人暮らしなど、部下の身近に気づく人がいない可能性があります。会社の上司や同僚が気づかなければ危険な状態になる可能性があるため、注意が必要です。

20代に多い非定型うつとは?

うつ病のブロック

最近の20代は、従来のうつ病とは異なる新型の「非定型うつ」の発症率が高まっています。今までのうつ病の症状よりも見分けにくいため、さらなる周囲の理解が必要です。

ここでは、上司が部下の様子の違いに気づくために非定型うつの原因や特徴についてご紹介します。

非定型うつの症状や原因

非定型うつは20~30代女性に多く診断されており、今までのうつ病とは全く別の症状があらわれます。従来の定型うつに当てはまらないうつ病として認知されました。 主な症状は次の通りです。

  • 気分が落ち込むばかりではなく、いいことがあれば明るい気分になる
  • 体重や食欲増加
  • 過眠
  • 手足が重い
  • 拒絶されるのを恐れる(拒絶過敏性)
  • 従来のうつの症状を満たさない

このような症状があらわれていれば、非定型うつを発症している可能性があります。気づかずに放置をすると、強迫性障害や不安障害などほかの精神疾患を併発することもあり、最悪の場合自殺に至る可能性があるため注意が必要です。

普段から部下との関係を良好に保てていれば、体調や精神状態の変化について相談しやすいため早期発見につながります。最悪の事態を免れるために常日頃のメンタルヘルス対策が重要です。

非定型うつはわかりにくい

非定型うつは従来のうつ病とは異なり、常に落ち込んでいるわけではありません。 嬉しいことや楽しいことがあれば気分は明るくなり、周りからは普段と変わらないように見られることもよくあります。

そのため、過剰に落ち込んだり過食などの変化に気づいてもらえても、楽しそうにしている様子を見て「うつ病ではない」と勘違いされてしまいます。部下本人が非定型うつであると気づいても、周りからは「甘えている」や「真面目に仕事をしていない」など、理解を得られないケースが多いでしょう。

うつ病を治療する上では休養が1番大切な要素であるため、一見元気に見えても完治するまでは休養を取らせるなど、無理をさせない事が大切です。

部下が非定型にうつになってしまったら

部下に非定型うつの疑いがある場合は、産業医や病院の受診を進めましょう。 その後、医師の指示に従って業務量や労働時間の調節を行います。非定型うつの治療には正解がなく、本人の症状に従って必要な処置を施します。

充分な休息とともに、薬物療法や精神療法を組み合わせて少しずつ治療するようです。また、非定型うつの根底にあるのは他人から拒絶されることを恐れる「拒絶過敏性」です。他人の目線を常に気にしており、この症状が残ると再発のリスクも高まります。

そのため、生活習慣を整えたり拒絶過敏性を改善する精神療法を積み重ねて根本から治療することが大切です。 社会復帰した場合、拒絶過敏性が再発しないように気を配ることで、上司もメンタルヘルス対策に協力できます。他人と比べる発言をせず、自己肯定感を高められるように褒めて伸ばす教育法をおすすめします。

若い世代のメンタルヘルスを守る

上司と部下

社内で若い世代の離職率が高いと、その企業は常に人材不足は状態に陥るでしょう。社内に勤める若い世代を大切にすることは、企業の未来に投資をすることと同じです。そのため、若い世代が働きやすい環境を作ることを心がけましょう。

ここでは若い世代のメンタルを守るために大切なことをご紹介します。

嫌われる上司の特徴

部下から嫌われているということは、部下に対して何かしら良くない態度をとっているためでしょう。以下のような行動をしている場合、部下に嫌われたり部下のメンタルを削っている可能性があります。

  • 仕事をなすり付ける
  • 責任をなすり付ける
  • 必要以上に叱責する
  • 正当に評価しない
  • 陰湿

仕事や責任をなすり付けるなどの行為は、部下に大きな負担をかけ、嫌われる原因になるでしょう。上司は部下の仕事が終わっていなければサポートするなど、部下が働きやすい環境を作る義務があります。

また、必要以上に叱責をすることも避けるべきです。部下のミスを指摘するだけではなく、次回に生かせるアドバイスなどをするのがおすすめです。あまり叱責しすぎると部下が萎縮してしまい、よりパフォーマンスが下がりミスが増える可能性があります。

それによって自己肯定感も下がるため、うつ病の発症リスクが高まるでしょう。部下は上司のストレスのはけ口ではなく、仕事上のパートナーです。部下を1人前に育てるのも仕事のうちなため、より良いパフォーマンスができる労働環境を目指しましょう。

ハラスメントにあたる行為を理解する

どのような行為がハラスメントにあたるのかを認知しておくことも部下のメンタルヘルス対策に繋がります。職場で起きやすいハラスメントは次の通りです。

  • セクシュアルハラスメント
  • パワーハラスメント
  • モラルハラスメント
  • アルコールハラスメント

上司が主に関わりやすいハラスメントは以上4つがあげられます。セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは性的な嫌がらせで、上司が立場を利用して性的な関係を迫ったり、性的な言動をさせるものです。男女どちらも被害に遭う可能性はありますが、主に男性上司から女性部下に対して行われるものが多いようです。

パワーハラスメント(パワハラ)は、仕事の立場を利用して精神的・身体的な苦痛を与えることです。適切な量を超えた仕事を押し付けたり、大衆の前で必要以上に叱責するなどの行為があたります。

モラルハラスメント(モラハラ)は、言葉や態度によって精神的苦痛を与えるものです。無視をしたり、常にイライラした態度で接し怒られるプレッシャーをかけることなどの行為があたるでしょう。

アルコールハラスメント(アルハラ)は、飲み会など飲酒をする場での嫌がらせです。お酒が弱い・飲めない部下に対して飲酒を強要したり、意図的に潰れさせるなどのケースが多いでしょう。急性アルコール中毒になる恐れがあり、数あるハラスメントの中でも非常に危険です。

これらのハラスメントは、自覚がなくても無意識のうちにやってしまっている可能性があるため、普段の自分の行動を見直すことが大切です。

優秀な人材を長く雇用するために

今回は、職場でもできる上司がすべき部下のメンタルヘルス対策についてご紹介しました。若くて優秀な社員は、会社にとって必要な人材であり、できる限り長く雇用することが理想でしょう。

会社を辞める理由が上司によるハラスメントや上司が原因で発症したうつ病の場合、早急に部下に対する態度を改めるようにしましょう。 人材が育たなければ、会社も停滞・衰退していく一方のため、今後の成長のためにも、部下のメンタルヘルス対策に重きを置いてください。

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