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  • 2023.12.13 (最終更新日:2023.12.29)

大企業はブラック企業ばかり? 実態や特徴、避けるためのポイントや入社した場合の対処法も解説

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目次

給与面や待遇面など、大企業が多くの部分で恵まれているのは確かな事実です。多くの人が年収が高く、福利厚生も充実している大企業を目指して就職活動に励んでいます。しかし、過労死や賃金未払いの問題に代表されるように、従業員を軽視する大企業も存在します。

この記事では、大企業の中に潜むブラック企業の実態を確認するとともに、ブラックな大企業に入社してしまったときの対処法を解説します。

「大企業はブラックばかり」の実態

悩んでいるビジネスマン よく求職者の間では「実は、大企業はブラックばかり」と言われます。実際に「ブラック企業」と聞くと、多くの人はニュースで大々的に取り扱われた企業の名前を挙げるのではないでしょうか。それだけ大企業のブラック体制はセンセーショナルな話題であり、多くの人の耳目を集めます。そのため「大企業はブラックである」というイメージが先行してしまうことは避けられません。

しかし、全ての大企業がブラックかと問われると、それは間違いでしょう。「ブラックである」ことが、世間のイメージにもマイナスしかないことは企業も承知です。従業員の働きやすい環境を確保するために、多くの大企業はパワハラやセクハラなどの相談窓口を設けているほか、社労士や弁護士などの労使問題の外部顧問を設置しています。そのため、過酷な環境は企業の一部署、一支社だけということもあり得ます。

ほかにも、技術革新やIT技術の導入によって、積極的に労働環境の改善を図ろうとする大企業も数多く存在します。このような労働者のことを考えた大企業に対してまで、「ブラック企業だ」と断定するのは、いささか強引な論調でしょう。

ブラック企業は、企業の規模に関係なく存在しています。中小だからホワイト、大企業だからブラックという安易なイメージで就職活動を行うと、手痛い失敗をすることになります。実際の法令順守の姿勢や職場環境、労働に見合っただけの給与など、実際に自分の目で見て確かめないことには、ブラック企業か否かの判断はできません。

ブラックな大企業の特徴7選

説教されるビジネスマン 一般的には職場環境や労使協定などに関して、従業員の働きやすさを軽視した会社がブラック企業とされています。しかし、そもそも働きやすさは個人の感覚で左右されるため、ブラック企業に関する明確な定義は存在しません。

そこで、本文中では「過労死など労務問題が発生しやすい雰囲気が醸成されている」企業や、「利益優先のため法令を軽視している」企業をブラック企業として扱います。まずはブラックな大企業の特徴について見ていきましょう。

なお、ブラック企業の対極にあるホワイト企業の特徴については、こちらの記事を参照ください。

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社長や創業者が神聖視されている

社長や創業者など、その企業にとって重要な人物が神聖視されていることは、ブラック企業にありがちな特徴です。社長の考えや意見が絶対的なものになるため、それがどれだけ法律に違反していても、社内ではまかり通ってしまいます。また、その考えが上層部にも浸透しているため、反論する人間は全て敵と見なされます。

第三者が見れば、法令違反がまかり通ること自体がおかしいのですが、社内の人間は誰もおかしいことだと思いません。また、このような会社は新入社員にも徹底的に社長の考えを植え付けるため、気が付かないうちに社長の命令を聞く従業員になってしまいます。

仕事の内容が雑多で整理されていない

健全な運営体制・経営体制を敷いている大企業であれば、会社の部門間を超えたやり取りが非常に活発です。例えば、営業マンが1人動くためにも、そこには交通費や備品などのコストを管理する経理が必要です。また、営業マンが売る商品を企画する人、作る人など、多くの人が1つの仕事に対して目的に向かって動いています。

ブラック企業の場合は、このようなコミュニケーションが存在しません。そのため、必要のない別部署の仕事をしている可能性も考えられます。さらに大企業の場合、部署が多く全てが縦割りで動いているため、この状況に拍車がかかります。少し部門を跨ぐだけで、何をしているのか分からない状態では協力も困難です。上司からの指示で動くだけになってしまい、長時間労働やパワハラが起こりやすくなってしまいます。

ハラスメント行為に対応する部署が存在しない

昨今、企業はセクハラ、パワハラなどの会社内におけるパラスメント問題には非常に敏感です。多くの企業では、これらの問題に対応する窓口を設置、セクハラ・パワハラをした人物に対する罰則を適応するなど、日々、撲滅に取り組んでいます。特に、大企業ともなれば、内部に専門家で構成された部署を用意するなど撲滅に対する意識は徹底しています。

裏を返せば、これらの社内問題に対応する部署を備えていない時点で大問題です。相談する相手がいなければ、部署内の問題が表に出ることはありません。特に、何千人単位で従業員を抱える大企業の末端レベルとなれば、上層部の目も行き届きにくいためハラスメント行為が加速します。

ノルマが過剰

経営者は会社の存続のためにも利益を生み出し続けなくてはなりません。その利益を生む方法として、最も簡単な方法は無駄の削減です。そして、コストカットの標的になるのは、他でもない従業員です。ただ、リストラや給与カットが断行されても、仕事の量は減りません。むしろ、人数が減った分だけ1人当たりの負担は増加するので、従業員は安い賃金で過剰なノルマを課されます。

また、コストカットには必ず限界が訪れます。その限界を超えてコストカットを行うならば、法令を無視しなくてはなりません。しかし、法令は従業員の安全や健康を担保するためのものです。法令を無視すれば、従業員の怪我や最悪の場合は死亡につながりますが、ブラック企業の場合、これらの法令無視が常態化している傾向にあります。

長時間残業・サービス残業が常態化している

1人当たりの負担が多くなれば、物理的な時間を増やさないことにはノルマを解消できません。一般的に多くの企業は9時から18時での勤務ですが、過剰なノルマが課されている状態では、より早い時間からの出勤や残業を行わなければなりません。そして、この状態が続くと、長時間労働が常態化し、誰もそれをおかしいことだと思わなくなります。

また、経営陣のコンプライアンスに関する感覚も問題を複雑にしています。人が少なく、仕事量が膨大になれば、長時間労働になるのは自然なことです。しかし、そこで経営者がコンプライアンスを持ち出して、長時間労働を禁止したらどうなるでしょうか。「仕事がない状態」にするためにも、サービス残業が加速することは火を見るより明らかです。根性論や精神論だけでは仕事は解決しません。

職場の人間関係が非常に悪い

長時間労働を繰り返し、休息も十分でないと人間はどこか調子を崩します。他人に対して攻撃的になる、悲観的になり笑顔がなくなるなど、精神の変化は分かりやすく表れます。また、上司のパワハラやセクハラが横行している状況も、ブラック企業ではよく見られる光景です。上司の無理難題に対して文句も言えないため、従業員は黙ってそれを受け入れるより選択肢が他にありません。

上司とだけではなく、他の同僚との関係も重要です。多くの仕事は、他人と協働によって成り立っています。人間関係が悪くなれば協働もできず、自分ひとりで仕事を完結させなければなりません。自分が仕事をする環境を悪くするだけなく、自分の負担も増えるため、人間関係が悪いことは百害あって一利もありません。

離職率が高い

大企業の場合、四季報などで離職率や勤続年数などが容易に確認できます。この2つはブラック企業かを見極める上での重要な指標になります。特に、新卒の離職率が高い場合は、要注意です。新人は職場の環境を外部から見ることができる貴重な人材のため、企業の違和感を敏感に察知できます。新卒の離職率が高いことは一般社会との乖離が大きい、つまりブラック企業である可能性が高くなります。

また、四季報に寄せられる有休消化平均日数もブラック企業を見抜くポイントです。例えば、付与される有休に対して、あまりにも消化率が低い場合、仕事を休みにくい環境であることが推察できます。長時間労働や休日出勤が常態化している可能性があるため、注意しましょう。

ブラックな大企業を避けるためのポイント5つ

就職先を選ぶビジネスマン 日本人ならば誰しもが名前くらいは知っている企業も、勤務実態はブラックだったという事例は枚挙に暇がありません。報道で取り上げられる過労死問題や賃金未払いに関する問題は、日本企業に潜むブラック企業の氷山の一角です。

入社後に大変な目に合わないためにも、ここからは大企業に潜むブラック企業を避けるためのポイントを解説します。

1.知名度ばかりを優先しない

多くの人が大手企業を目指すのは、その安定した企業体制からもたらされる高収入や高待遇を期待しているからではないでしょうか。しかし、大手企業で働くことばかりに固執すると、ブラック企業を見抜けなくなります。知名度の低い中小企業にも、健康経営に関して表彰を受けたり、女性の社会進出を促している企業は多々あります。待遇も大手以上の企業も見つかるかもしれません。

就職先を選ぶ前に、実際に企業見学やインターンへ参加する、ホームページなどで確認するなど企業の実態を掴むようにしましょう。付与される休暇日数や実際の消化率、取引先相手や認定された特許など、ほかにも重視すべきポイントはいくらでもあります。あくまでも知名度は、企業を選ぶときの1つの要素にすぎません。

2.社員の勤続年数や離職率を確認する

ブラック企業であるかを確認する指標の1つとして、社員の勤続年数や離職率は要確認項目です。従業員が次々と辞めていく職場は、誰にとっても働きにくい職場であることの証明に他なりません。特に、ハラスメントの横行や法令違反の強制などは、一般的な感覚を持つ人物からすれば、耐えがたい苦痛です。そのような職場からは一刻も早く逃げ出したいと思うのは、当然の心理でしょう。

また、離職率の高さは求人票でも推察できます。ブラック企業は人の出入りが激しく、常に人手不足の状態です。例えば、「若くして出世ができる」「即戦力」などのフレーズが記載された企業は、「中堅層の社員がいない」「まともな研修を行わない」ことの裏返しである可能性があります。

3.企業の口コミを確認する

昨今は就職・転職支援サイトも充実しており、中には先輩社員や辞めた社員からの評価が書き込めるサイトも存在しています。実際に働いている、もしくは働いた経験のある人からの情報なので、それなりに信頼のおける情報と言えるでしょう。四季報や求人票などに掲載される企業の給与や勤務時間は全従業員の平均値であるため、企業の実態を掴むうえでも役に立ちます。

ただし、口コミで判断することは、非常に危険です。ネットに出回っている口コミ、特に悪い噂はその企業を辞めていった人たちが書いたものです。そのような人たちは、当然辞めていくので悪し様に罵るでしょう。また、退職時期と現在とに差があると、問題を改善している可能性も考えられます。現状とかけ離れている可能性もあるので、口コミは参考程度に留めておきましょう。

4.過去にトラブルや問題がないか確認する

大企業の過労死問題やコンプライアンス違反は、多くの場合ニュースで取り上げられます。他にも、厚生労働省や各都道府県の労務局は、定期的に労働基準法などの法律に違反した企業をまとめています。ブラック企業か否かの判断基準として、過去に法律違反や事件などがないかも参考にするとよいでしょう。ハインリッヒの法則に従うならば、明るみになった1件のトラブルには、それに至らない300件の問題が隠れています。

ただ、過去に重大なトラブルがあったからこそ、再発防止に向けて取り組んでいる企業も存在します。過去の反省を元に、現在ではブラック企業から脱却している可能性もあるため、過去のトラブルよりは現状の確認を怠らないようにしましょう。

5.就職・転職エージェントを活用する

ブラック企業を避けるため、就職・転職エージェントの活用も1つの方法です。求職者にとってブラック企業かどうかは、実際に見学をしてみないと分からないことも多くあります。

しかし、特に転職の場合、実際に企業へ見学に出向くチャンスは、なかなかありません。エージェントを活用することで、企業の状態を実際に第三者目線で見ている人からの状況確認や意見が聞けます。この意見や確認は、ブラック企業を見抜く大きな手助けとなるはずです。

また、エージェントの報酬体系の内容を確認することもブラック企業を避けるヒントになります。エージェントは、基本的に紹介者が就職して初めて報酬を受け取ります。しかし、ここで紹介者がすぐに辞めてしまった場合、報酬の返還を求められます。そのため、エージェントにとって、すぐに辞めてしまうような企業を紹介することは単純にリスクでしかありません。

もしブラック大企業に入社してしまったときの対処法3つ

相談相手 大企業への就職は困難なため、周囲からすると非常に羨ましがられることになるでしょう。しかし、頑張って入社した結果がブラック企業では、目も当てられません。特に、大企業の場合は、働いている当人の悩みの深刻さが、他人の羨望によって伝わりにくく、気が付いた時には手遅れとなっている可能性もあります。

会社を辞めることは、決して悪ではありません。ブラック大企業に入社してしまったときは、後の事は考えずに、ただちに自分の身を守る行動を始めましょう。

ここからは、もしブラック企業に入社してしまったときの対処法について解説します。

1.会社のコンプライアンス委員会へ相談する

セクハラやパワハラなどの問題がある場合、すぐにでも会社のコンプライアンス委員会へ相談に行きましょう。専門的な委員会がない場合でも、人事課や総務課などが相談窓口になっていることが多いため、まずは社内で起きている現状を報告します。相談者は会社内で不利益を受けないように保護されるため、安心して相談できます。

相談するときには、自分の置かれている現状を客観的に見て判断できるものが必要です。一例として、セクハラ・パワハラであれば音声や映像データ、勤怠問題であればタイムカードやパソコンの使用履歴などが挙げられます。寄せられた報告と証拠を元に、委員会は調査を行い、必要であれば社内で処分が下されます。

2.外部機関への相談で状況を伝える

会社にコンプライアンス委員会などの相談窓口がない場合は、労働基準監督署などの外部機関へ報告しましょう。企業にとって自社イメージは社会的信頼と同義です。そのため不祥事による企業イメージの失墜は、経営的・社会的にも大きなダメージが避けられません。外部機関への相談によって圧力をかける方法は、状況の改善を図る有効な一手と言えるでしょう。ほかにも、人権団体や自然保護団体などの圧力団体への相談も、職場環境を改善させる有効な選択肢です。監視されていることが分かれば、企業としても知らないふりはできません。

また、ブラック企業に対して本気で対処する心づもりがあるならば、メディアへのリークも選択肢の1つです。昨今、報道される大企業の不祥事には、従業員の情報提供によって発覚した事例も多くあります。

ただし、この手法は会社へ再起不可能なほどのダメージを与える可能性があるだけでなく、問題が解決した後に自分自身のキャリアへも深刻な影を落とすため、安易な気持ちで取るべき方法ではないでしょう。

3.転職する

コンプライアンス委員会や外部機関に頼っても、働きやすさや待遇が改善されなければ意味がありません。そのことを考えれば、ブラック代企業は早急に辞めて、別の会社へ転職する方が建設的です。ブラックな職場で我慢して働き続けるよりも、働きやすい会社で働く方が健康に決まっています。

職場の働きやすさを示す指標の1つに、健康経営があります。従業員の健康を経営的な視点で捉え、その健康を守るために職場環境や業務内容の改善に取り組む考え方です。転職するならば自分自身の働きやすさを追求して、健康経営に取り組んでいる企業を選択肢に入れることも考えてみましょう。

大企業にもブラックは存在する | 特徴などを理解して上手に回避しよう

ブラック企業は企業の規模を問わずに存在します。そのため、日常よく見かける大企業のなかにも、とてつもないブラック企業が隠れていることは十分に考えられます。甘い誘い文句を軽々に信じてしまうと、過酷な労働環境から逃げ出せなくなります。

会社の選び方は知名度や待遇だけが正解ではありません。自分自身にとって「働きやすさとは何か」「仕事で最も求めていることは何か」を会社選びのときには、徹底的に考えましょう。それがブラック企業を回避するための第一歩です。

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